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ガングリオンとは何か?原因や間違いやすい病気もご紹介!  

      2016/03/09

ふと手の甲を見てみると、手首の付近になにやらこぶができている。

ぶつけた覚えもないし、痛みもないなぁ・・・。

あれ? しばらく忘れて放置している間になくなった!

 

なんて経験ありませんか?

これ「ガングリオン」の可能性があります。

 

語呂がいいので、なんとなく聞いたことがある方も多いと思いますが、ガングリオンとは一体どんな病気なんでしょう。

今回は、ガングリオンの原因と間違えやすい病気についてご紹介させていただきます。

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ガングリオンとは何か?

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関節をスムーズに動かすための潤滑液が、体の一部に溜まってコブになったものがガングリオンです。

したがって、ガングリオンは良性の腫瘤(しゅりゅう)です。

 

関節包(関節をつつむふくろ)や腱鞘(けんしょう・腱をつつむさや)の変性によって生じます。硬さは、柔らかいものから硬いものまで様々です。

 

ガングリオンは誰にでもできる可能性はあります。

しかし、若い女性に発症しやすい特徴があり、その数は男性の約3倍で、20~30代の人に多く発症するといわれています。

 

ガングリオンの中身は?

ガングリオンの中身の正体は、関節液(滑液)だといわれています。

関節液は、関節部分にある関節腔の表面を覆っているもので、滑膜の細胞から分泌されるものです。

この関節液は、関節の動きを滑らかにする役割をしていて、関節がスムーズに動く手助けをしています。

 

その関節液(滑液)が嚢胞(ふくろ)をつくり、その中で濃縮してゼリー状になったものがガングリオンです。

 

ヒアルロン酸や糖タンパクなどが含まれているため、内容物は薄い黄色をしています。

これ以外の成分も含まれており、その比率によって、ガングリオンの硬さが変わるようです。

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ガングリオンができやすい場所

ガングリオンが出来やすい箇所としては、

・甲側の手首

・手のひら側の親指の関節包

・手のひら側の指の付け根

などに多くみられますが、手だけに限らず、足首や膝など身体中の至る所に生じます。

また、関節や腱だけでなく、骨や筋肉、神経にも出来ることがあります。

 

ガングリオンの症状は?

<コブのようなしこりができる>

大きさは、小さいものは数㎜程度ですが、大きいものになると数㎝、ピンポン玉ほどになることもあります。

徐々に大きくなっていくものもあれば、大きさが変わらないものもあります。

 

<痛み・しびれ>

ガングリオン自体は基本的に無症状です、しかし、出来る箇所によっては、神経や腱を圧迫してしまい、しびれや痛みが生じます。酷い時には運動麻痺などを引き起こすこともあります。

 

ガングリオンができる原因

ガングリオンができる原因は、実際のところ、詳しくは解明されておらず原因不明と言われています。

しかし、いくつか説がありますので、ここではそれを紹介していきたいと思います。

 

関節の使い過ぎ

よく動かす関節にできやすいことから、有力な説となっています。

ですが、必ずしも手をよく使うからできるというわけではなく、それ以外の場所にもできますので、これだけが原因ではないようです。

 

衝撃を与える

体をぶつけたりしたときに出来やすいと言われており、衝撃などからその部分を守ろうとする防衛機能が働き、クッション材の役割としてガングリオンができると考えられています。

したがって、患部に刺激を与えないようにしたり、優しくさすっていると治まることもあるそうです。

 

冷え、血流障害

体の冷えなどで血行が悪くなると、関節部分に老廃物が溜まってしまい、コブができると言われています。

 

ストレス

ストレスは万病のもとで、ガングリオンの発症にも影響しているようです。

ストレスで自律神経が乱れると、体内の血の巡りが悪くなり、血流障害になって、ガングリオンが出来るといわれています。

 

ガングリオンの診断と、間違いやすい病気

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腫瘤部分に注射針を刺して、ゼリー状の内容物が吸引できればガングリオンと診断します。

外側から触れないほどの小さなガングリオンの場合は、MRIや超音波検査をしての診断が必要となります。

 

しかし、ガングリオンと同じようにコブが出来る病気もあり、中には悪性のものもありますので、注意が必要です。

ここで、ガングリオンと間違いやすい病気をいくつかご紹介します。

 

粉瘤(アテローム)

皮下に老廃物が溜まってしまいしこりとなる病気。

こちらは、良性です。

 

腱鞘巨細胞腫(けんしょうきょさいぼうしゅ)

指などの腱にできる良性の腫瘍。

ガングリオンと同じく、場所によっては指が動かしづらくなったり、神経を圧迫することがあります。しかし、良性ではありますが、ガングリオンのように自然と小さくなったり、消失することはなく、手術によってのみ除去できます。

 

神経鞘腫(しんけいしょうしゅ)

神経のそばにできる良性の腫瘍。

神経のそばにできているため、こぶを押すと、神経の走行に沿って電気が走るような痛みがあります。

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足底繊維腫

足の裏にしこりができる病気で、ガングリオンと間違いやすいです。

こちらも良性の腫瘍で、ガン化する心配はありません。

足裏のしこりについてはこちらもご参考ください。

足裏のゴリゴリの原因は老廃物?すぐ出来る6つの解消法!

 

外反母趾

親指の付け根にガングリオンができた場合、外反母趾と間違えてしまうこともあります。

外反母趾は、骨自体が変形する病気で、必ずといっていいほど痛みを伴います。

これに対しガングリオンは腫瘤で、ガングリオン自体が痛むことはありません。

しかし、靴がガングリオンに当たることで痛むこともあります。

 

肉腫(サルコーマ)

珍しい病気ではあるのですが、筋肉や神経、骨などにできる悪性の腫瘍(がん)です。

こちらは悪性ですので医療機関での治療が必要なのですが、しばしば、良性の腫瘤と誤診されることもあるので注意が必要です。

 

まとめ

ガングリオンは発症することが多く、また再発もしやすい病気です。

一番できやすい手には、細かな神経がたくさんあり、一度神経を傷つけてしまうと、指が動かなくなったりすることもあります。

 

他の腫瘍などとの区別も必要ですので、自己判断せず、整形外科などを受診しましょう。

ガングリオンの各部の詳しい症状と治療に関しましては、こちらの記事をご参考下さい。

手首や足、膝にもできるガングリオン!その痛み大丈夫?

ガングリオンの手術や治療方!費用はいくら!何科を受診?

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 - 手の異常, 足の異常