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耳の後ろのしこりが痛い!何科にいけばいいの?

   

耳の後ろにしこりができた!?

ただコリコリしているだけならまだいいけれど、痛い!!

こんなとき、何科に行けば良いのでしょうか?

放っておいて治るのなら良いのですが、痛みもあってずっと同じ状態となると、心配になりますよね。

今回は、耳の後ろにできるしこりの種類とその原因、そして何科に行けば良いのかをご説明いたします。

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原因も全く異なる、三種類のしこり

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耳の後ろのしこりの、そのほとんどは良性のもので、大まかには三種類に分かれます。

 

一つ目は、耳の後ろにあるリンパ管の炎症が原因となるリンパ節炎

二つ目は、古い角質や老廃物が溜まってできる粉瘤(アテローム)

三つ目は、ピアスなどの金属など異物に対抗しようとして形成される肉芽(にくが)です。

 

この、三種類に分けられるしこりはそれぞれ専門とする科が異なりますが、たとえ専門外の科に受診したとしても最初の診断はしてもらえる筈です。

そして、本格的に治療をする場合は何科にかかれば良いか指示があるでしょう。

 

でも、痛みの種類や原因など、心当たりがある場合はしこりの種類も自分で分かるかも知れません。

その場合何科にかかれば良いかなども含め、それぞれの種類のしこりについて、詳しくお伝えしましょう。

 

リンパ節炎によるもの

人の体にはリンパ管が流れており、その節々をリンパ節と呼んでいます。

リンパマッサージなどはご存知の方も多いのではないでしょうか?

顔の周辺のリンパはむくみ解消など、美容分野でもよく出てくるものなので、“耳の後ろから鎖骨にかけてリンパを流して…”というような説明を耳にするかも知れません。

 

実はこのリンパとは、体を人体の外敵である細菌などから守っているのです。

耳の後ろのリンパ節もその一つであるのですが、ケガをしたり風邪をひいた際にリンパ管に細菌が入って、炎症を起こして腫れてしまう事があります。

これが、耳の後ろにしこりができる原因の一つになります。

 

プクッと膨らんだしこりは押した時だけ痛いのがほとんどです。

常時痛かったり、発熱や化膿がみられる場合は脳炎などの疑いもあるため、注意が必要です。

 

リンパ管に菌が入る!?と考えると何だか恐ろしい気もしますが、リンパはそもそも人の体を異物から守るための器官です。

腫れは不快ですが、外敵と戦っている、病原菌から体を守ってくれている炎症ですので、必要な事が起きていると考えて問題ありません。

 

耳の後ろのしこりがリンパ節炎の場合は、耳鼻咽喉科に行きましょう。

しかし、風邪を拗らせて内科にかかっていたり、怪我をして外科にかかった場合はそのまま受診ししても問題ないでしょう。

リンパ節炎は自然治癒することも多いですが、重症の場合、抗生剤の投与で治療します。

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粉瘤(アテローム)の場合

粉瘤(ふんりゅう)は、体中の皮膚があるところどこにでも出来ますが、中でも顔や頭、首、耳、背中、おしりに出来やすいと言われています。

耳の後ろも粉瘤が出来やすい場所の一つのようですね。

 

粉瘤は表皮の下に膿疱という袋状の構造物が出来、皮膚のターンオーバーで排出されるはずの角質や老廃物が溜まってしまうことで出来る良性の腫瘍で、医学的には表皮嚢腫と呼ばれています。

 

粉瘤は小さなものだとニキビのような感じで、皮膚の内側がプクッと持ち上がる程度ですが、大きなものだと数mm~数cmのものもあります。

さらに、溜まった老廃物に細菌が入り込み化膿してしまい、痛みや熱をもつ炎症性の粉瘤になることがあります。

 

粉瘤は怪我によって皮膚に傷がついた事が原因となることもありますが、多くは原因不明です。

何らかの要因で毛穴の口の部分が内側にめくれ込み、袋状になっていることで粉瘤が出来るのですが、どうして皮膚がめくれ込むのかというのは、遺伝や体質によるとされています。

 

粉瘤にはヘソと呼ばれる黒い点があることが多く、そのヘソは開口部となっています。

粉瘤は自然に消滅することはあまりないとされています。

小さなものであれば経過観察、治療は皮膚科が専門となり、炎症を起こしていない粉瘤の場合は、ヘソの部分を切開し中身を取り出した後、粉瘤の袋を除去します。

炎症を起こしている場合は抗生剤で炎症を鎮めてから上の方法がなされます。

 

治療を行うかどうかは、粉瘤のサイズや炎症のあるなしによっても変わってきますが、完治させるには治療が必要であるということですね。

 

肉芽(にくが)の場合

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肉芽は、ピアスなどの金属に耳の皮膚が防衛の為に反応したり、美容形成の手術などが原因で発生することが多いとされています。

 

肉芽腫(にくげしゅ)とも呼ばれるこの肉芽は、初期の段階では赤みのあるプクッとした、皮膚が内側から持ち上がっているようなしこりです。

重症のものは、親指大の出来物や、膨らんだしこりの中央部がぐじゃぐじゃと赤く、火山の噴火口に溶岩が沸きだしている様子のようなものもあります。

 

皮膚は異物が混入すると排除しようと働きますが、排除できない部分であったり排除しにくいと判断すると、他の部分に影響を及ぼすのを防ぐためにその異物を隔離するべく、異物を取り囲むように組織化します。

 

肉芽の治療ではまず第一に異物の除去が重要となります。

金属製のピアスをしているのであれば樹脂製のものにかえてみたり、ピアス自体をやめてしまうのが最善です。

 

小さな肉芽であれば、異物を除去することでの自然治癒が期待できます。

肉芽は周囲の細胞や血液が集結することで発生しているため、ピアスなどの異物を除去したあと患部の血行をよくすることが効果的ですが、自然治癒しない場合は皮膚科での治療も検討しましょう。

 

皮膚科では肉芽に注射をすることによってしこりを小さくしたり、切開し取り去る手術も行われます。

大掛かりな縫合が必要な場合は、皮膚科で診断をしたあと整形外科での手術となることもあります。

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その他のしこりについて

上に挙げたリンパ節炎、粉瘤、それに次いで肉芽が耳の後ろに出来るしこりの大半を占めます。

しかし、耳の後ろのしこりは必ずしもこの三種類のどれかであるとは言い切れません。

 

痛風耳下腺腫瘍おたふく風邪、まれに悪性腫瘍の可能性もあります。

痛風、耳下腺腫瘍、おたふく風邪の場合にはまずは内科、悪性腫瘍の疑いがある場合は血液内科での診断が必要となります。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。

耳の後ろに出来るしこりと言っても、その原因や専門となる科はまちまちです。

しこりがなかなかなくならない場合、自己判断せず受診することが大切ですがその際、何科が専門なのかというところでしょう。

 

しかし、耳に近い部分のトラブルであれば耳鼻咽喉科、耳以外にも症状があり発熱などある場合は内科にかかれば問題ありません。

病院は専門科の個人病院であっても、通常、関係する可能性のある別の科や総合病院と繋がりがあります。

まずは悩まずに耳鼻咽喉科皮膚科内科を受診するようにしましょう。

 

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