ホスピタルランド~病気の症状から考える早期発見ブログ~

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ストレプトマイシンの副作用や効果、ストマイ難聴とは?

   

「ストレプトマイシン」とは古くからある結核のお薬です。

名前くらいは聞いたことがあるかもしれませんが、結核にかかる人も少なくなった今日では、まず使用する機会のないお薬ですよね。

今回は、そんな「ストレプトマイシンの副作用と効果」についてまとめてみました。

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ストレプトマイシンとは?

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「ストレプトマイシン」とは、世界で最初に結核の治療に用いられた、アミノグリコシド系の抗生物質です。

1944年、ウクライナ出身の微生物学者ワクスマンが発見し、当時、最も恐れられていた病気であった「結核」の特効薬を開発したことにより、1952年にノーベル生理学・医学賞を受賞しました。

 

現在は、ストレプトマイシンに抵抗力を持つ結核菌も増えているため、他の結核のお薬と併用されることがほとんどです。

また、消化管からの吸収が良くないため、飲み薬としては使用できず、筋肉注射を行わなければならないお薬でもあります。

 

効果・効能

「ストレプトマイシンに感性のマイコバクテリウム属」「ペスト菌」「野兎病菌」「ワイル病レプトスピラ」などの菌種に適応し、

・感染性心内膜炎

・ペスト

・野兎病

・肺結核及びその他の結核症

・マイコバクテリウム・アビウムコンプレックス(MAC)症を含む非結核性抗酸菌症

・ワイル病

などが適応症であると言われています。

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用法・用量

(肺結核及びその他の結核症に対して使用する場合)

大人にはストレプトマイシンとして1日1gを筋肉内注射します。

「週2〜3日使用する」か、または「はじめの1〜3ヵ月は毎日、その後週2日投与する」ようにします。

必要に応じて局所に投与することもあります。

ただし、高齢者(60歳以上)には1回0.5〜0.75gとし、子供や体重のかなり少ない人に対しては、医師の指示に従って減量します。

 

原則としては、他の結核のお薬と併用して使用します。

はじめに「ストレプトマイシン」を含む4種類のお薬を2カ月くらい使用し、その後2種類だけを4カ月くらい使用するという方法が一般的には行われています。

そのおかげで、以前は治療に2~3年かかっていた結核が、6カ月ほどで治療できるようになりました。

 

全身状態が悪い場合や、症状が強く、まわりの人にうつしてしまう場合などには入院が必要ですが、軽い場合は外来で通院しながらお薬を飲んで治すことが可能です。

 

(マイコバクテリウム・アビウムコンプレックス(MAC)症を含む非結核性抗酸菌症に対して使用する場合)

大人にはストレプトマイシンとして1日0.75〜1gを週2回、または週3回筋肉内注射します。

年齢、体重、症状により医師の指示に従って減量します。

 

副作用

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・難聴、耳鳴

・急性腎不全などの重い腎障害

・ショックやアナフィラキシー(アレルゲンとなるものを食べたり、吸い込んだりした場合に、極めて短期間のうちにアレルギー症状が出る症状)

・発熱

・呼吸困難

・肺炎

・血小板減少

・肝機能障害、黄疸

などが報告されています。

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ストマイ難聴について

様々な副作用がありますが、特に「難聴」は有名で、かつては「ストマイ難聴」などと呼ばれていました。

前庭半規管(ぜんていはんきかん)にという部分に障害が起こるタイプであり、通常は両側の耳に同時に起こります

 

このタイプの特徴としては、「めまい感」「ふらつき」「吐き気」「頭痛」などが現れることとされています。

とくに、両側の前庭半規管が高度に損なわれた場合には、歩行時に景色がぶれるようになり、歩行障害や転倒の原因になります。

 

具体的な検査により難聴の程度、平衡障害の程度を評価する必要があり、使う前にまず検査を行い、投与中も定期的に検査を繰り返し、副作用が出るのを早期に発見する必要があります。

副作用が出たら、ただちに薬剤の投与を中止しますが、残念ながら、治療を行っても治療効果が期待できない場合がほとんどです。

 

まとめ

かつては死に至る病として恐れられていた結核ですが、「ストレプトマイシン」以外のお薬も開発され、かかる人はほとんどいないように思えます。

しかし2014年の調査では、日本の結核患者さんは約6000人に一人だそうで、他の先進諸国に比べると多く、アメリカの実に5倍以上の割合だと言われています。

自分には関係ない病気だというイメージがありましたが、案外身近な病気なのですね。

 

また、よく効くお薬や、昔発見された古いタイプのお薬は「強い副作用がある」というイメージがありますが「ストレプトマイシン」はまさにそのタイプのお薬です。

難聴の副作用は、特に気を配るべき作用ですね。

まずは結核にかからないことが、一番の対策であるとも言えるでしょう。

 

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