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大人のマイコプラズマ肺炎の症状や治療法について!

      2016/02/08

マイコプラズマ肺炎にかかる年齢は、80%以上が14歳以下となっていますが、大人ももちろん感染することがあります。

40歳以上になると、肺炎の原因がマイコプラズマで

ある頻度は大幅に減りますが、40歳までは、

肺炎球菌による肺炎とマイコプラズマによる肺炎は、ほぼ同じ頻度です。

大人がマイコプラズマ肺炎に罹ると、どんな症状が現れるのでしょう。

今回は、大人のマイコプラズマ肺炎の症状や治療法

についてご紹介させていただきます。

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◆マイコプラズマ肺炎とは?

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マイコプラズマ肺炎は、その名の通り、

肺が「マイコプラズマ」という菌に感染してしまい起こる呼吸器感染症です。

感染症というからには、人に移る可能性があり、

感染経路は「飛沫感染」と「接触感染」です。

感染してから発症するまでに約2~3週間と潜伏期間が長いのが特徴です。

そして、治るまでに約1~2週間かかるため、約3週間~1ヶ月ほど感染力を保ったままとなります。

普通の肺炎は、聴診器を胸に当てると、呼吸音が聞こえなかったり、

『ブツブツ』という水泡の弾けるような音が聞こえるのですが、

このマイコプラズマ肺炎は、聴診器で呼吸音を聞いても異常がなく、見た目ではわかりにくい肺炎です。

これは、普通の肺炎が、気管支や肺胞が侵されるのに対し、

マイコプラズマ肺炎は、気管支や肺胞の外部にある間質という組織で炎症が起きるため、音が出てこないためです。

また、レントゲンで肺炎に罹っているかはわかりますが、

それがマイコプラズマ肺炎かどうかの判断はできません。

 

◆マイコプラズマ肺炎の症状

まずは、発熱や全身の倦怠感がみられ、発症後3~5日後に乾いた咳の症状が現れます。

咳は熱が下がっても、3~4週間ほど続きます。

また、気管支炎や普通の肺炎も合併することがあります。

そのほか、中耳炎や副鼻腔炎も引き起こすことがあります。

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◆マイコプラズマ肺炎の診断

前述の通り、聴診器やレントゲンでは判断できません。

また、一般的な血液検査でも、白血球などに変化がないため当てはまりません。

 

<血清抗体検査>

1度の採血(単一検査)でも診断可能ですが、

ペア血清といって2回採血するとより精度が上がります。

マイコプラズマ肺炎に罹ると、マイコプラズマの抗体ができますので、

症状が現れ始めた急性期と2週間くらいして回復したころ(回復期)の2回、

採血をして抗体が4倍以上上昇していた場合、マイコプラズマ肺炎と診断します。

ただ、診断までに1~2週間と時間がかかるため、治療には使えないのが現状のようです。

 

<LAMP法>

マイコプラズマの特異的なDNAを直接検出する遺伝子検査です。

検査方法は、採血ではなく、喉の表面の分泌物や喀痰を用いて検査をします。

LAMP法は発症初期に検出可能といわれており、抗体が検出されない時期でも早期診断が可能となります。

ただし、マイコプラズマが増殖するのは

気管支や肺まで到達してからで、喉付近にはあまり存在していないため、

うまく採取できれば有効な検査方法であるといえます。

 

<マイコプラズマ肺炎検査キット>

LAMP法と同じく、喉の分泌液を採取して診断しますが、15分ほどで判定できるとのことです。

2013年から保険適用になり、導入している病院も増えていますので、簡単な検査で迅速に診断ができるようになります。

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◆大人のマイコプラズマ肺炎の特徴

大人がマイコプラズマ肺炎に罹ると、子供には見られない症状が現れます。

 

1.症状が一定ではない

発熱や咳、全身倦怠感などの症状は同じですが、

熱が一日中高いままではなく、上がったり下がったりという現象(弛張熱)がみられます。

 

2.湿った咳

マイコプラズマ肺炎の最も特徴的な症状に乾いた咳があり、

熱が下がったあとも長引くことが多い症状です。

ですが、大人の場合、乾いた咳から長引く気道の炎症によって分泌物が多くなり、湿った咳になりやすいのも特徴です。

 

3.症状が重くなりやすい

特に高齢者は重症化するリスクが高く、胸に水が溜まる「胸水貯留」や呼吸不全などの合併症を引き起こす場合があり、ときには入院治療が必要となります。

 

◆マイコプラズマ肺炎の治療法

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基本的には自然治癒できる病気なので、

水分や栄養をしっかり摂り、安静にすることが第一です。

ですが、大人が罹ると重症化するリスクが高いので、

無理をせず、病院に行くなど、適切な処置をしましょう。

病院では抗生剤や咳・鼻づまりなどの症状に応じた薬が処方されますが、

最近、処方されるマクロライド系の抗生剤が効かない、薬剤耐性のマイコプラズマ肺炎が増加しています。

その場合は違う種類の抗生剤を処方してもらいましょう。

なお、普通の肺炎で処方されるペニシリンなどの抗菌薬は、マイコプラズマ肺炎には効果がないといわれています。

 

◆マイコプラズマ肺炎の予防法

約3週間~1ヶ月、感染力を保ったままとなりますが、

感染力自体は比較的低いので、マスクの着用やうがい・手洗いで予防します。

また、体調を整え、免疫力を上げるといいでしょう。

 

◆まとめ

マイコプラズマ肺炎は、感染力はあまり強くありませんが、

大人が罹ると重症化する危険性があり、適切な処置が必要です。

規則正しい生活を心がけ、栄養と睡眠をたっぷり摂って、罹りにくい体をつくることも大切です。

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