子供のマイコプラズマ肺炎の症状!長引く咳には要注意!
2016/02/07
マイコプラズマ肺炎は、かつて4年周期で流行したことから
「オリンピック病」と呼ばれることもありましたが、
最近はそのような規則性はなくなり、大きな流行は見られないものの、
患者数は増加傾向にあり、秋から冬にかけてピークを迎えます。
マイコプラズマ肺炎にかかる年齢は、80%以上が14歳以下で、子供が罹りやすい病気です。
今回は、子供のマイコプラズマ肺炎の症状や治療法
についてご紹介させていただきます。
目次
◆マイコプラズマ肺炎ってどんな病気?
詳しくは『マイコプラズマ肺炎、大人の症状や治療法について』で述べましたが、マイコプラズマ肺炎は、肺が「マイコプラズマ」という菌に感染してしまい起こる呼吸器感染症です。
人に移る可能性があり、感染経路は「飛沫感染」と「接触感染」です。
発症するまでに約2~3週間と潜伏期間が長く、治るまでに約1~2週間かかるため、約3週間~1ヶ月ほど感染力を保ったままとなります。
◆マイコプラズマ肺炎の症状
発熱や全身の倦怠感が現れたのち、3~5日後に乾いた咳の症状が現れます。
長引く咳が特徴で、熱が下がっても、3~4週間ほど続くとされています。
気管支炎や普通の肺炎を合併したり、中耳炎や副鼻腔炎も引き起こすことがあります。
◆マイコプラズマ肺炎の診断
X線検査で肺が白く映り、肺炎にかかっていることは判断できます。
しかし、それがマイコプラズマ肺炎かどうかを診断することは難しく、
聴診器を当てても普通の肺炎のように、呼吸音が聞こえなかったり、
『ブツブツ』という水泡の弾けるような音が聞こえることはなく、呼吸音に異常は見られません。
診断は
・採血でマイコプラズマの抗体の増加を確認
(時間がかかり、診断が遅くなるため、実際の治療にはあまり効果がない)
・喉の分泌液を採取してマイコプラズマのDNAを検出する(LAMP法)
などがありますが、2013年に「マイコプラズマ肺炎検査キット」が保険で使えるようになりました。
これは、LAMP法と同じく、喉の分泌液を採取して診断しますが、
15分ほどで判定できるので、迅速な診断が可能となります。
◆子供がマイコプラズマ肺炎に罹るとどうなるの?
マイコプラズマ肺炎は、肺炎の中ではもっとも症状が軽いといわれています。
特に子供は普通の風邪だと思っていて、すでに熱は下がったけれど、
咳が長引くので病院に行ったらマイコプラズマ肺炎で、
しかもほぼ治っていた、なんてことも少なくありません。
しかし中には、吐き気や下痢、中耳炎などになる子供や、ごく稀に喘息になってしまうケースもあります。
4歳以下の乳幼児では、ほとんど軽症か無症状のことが多いようです。
インフルエンザのように、登校(園)禁止の明確な日数の期間は定められていません。
文部科学省の指針のなかでは、
「症状が改善し、全身症状の良い者は登校(園)可能である」とされています。
◆マイコプラズマ肺炎の治療法
子供は重症化することが少なく、安静にして、水分と栄養をしっかり摂っていれば、自然治癒しますが、
病院では抗生剤や、鼻づまりなどの症状に応じた薬を処方されます。
抗生剤は、一般的にマクロライド系のものが処方されますが、
最近この抗生剤に耐性のあるマイコプラズマがあり、効かないことがあります。
この場合は種類の違う抗生剤を処方してもらうことができます。
◆マイコプラズマ肺炎と百日咳
同じように咳が続く感染症として、百日咳という病気があります。
これは、百日咳菌という細菌に感染して起こる病気で、乳幼児がかかると肺炎や脳症を併発して重症化するおそれがあり、最悪の場合死に至る危険性があります。
息を吸うときヒューという音がしたり、激しく咳き込んだり、
まぶたが腫れるなどの症状がある場合は、百日咳の可能性もあります。
3種混合の予防接種で予防することができますので、
生後3ヶ月頃になったら必ず予防接種を受けましょう。
尚、マイコプラズマ肺炎にはワクチン予防接種はありません。
◆マイコプラズマ肺炎の予防法
やはり、うがい・手洗いがとても有効です。
こまめにうがい・手洗いをし、
外出時にはマスクを着用するなどして予防しましょう。
秋から冬は、インフルエンザや普通の風邪なども流行する季節なので、これらの感染症にも有効です。
◆まとめ
子供がマイコプラズマ肺炎に罹っても重症化することは
少ないようですが、高熱に長引く咳など、やはり心配ですね。
まずは、予防をしっかりして、もし罹ってしまった場合は、
早く治るように適切な処置をしてあげたいですね。
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