言葉が出てこないのは病気かも!?考えられる6つの原因とは!
家族や友人との会話はスムーズに話せるのに、大きな会議でのプレゼンや結婚式でのスピーチなど大勢の前に立ったら頭の中が真っ白になり言葉が出てこない!
といった経験はありませんか?大勢の前に立つと不安や恐怖を感じ、緊張することは誰しもありうることです。
しかし、同時に多量な汗をかき、顔が赤くなる、身体が震える、といった症状まで現れるなら要注意です。
また、頭に浮かんでいるけれど、いざ話そうとしても言葉が出てこない…、という事が普段からよくあったりもしませんか?
それらの原因は病気かもしれません。
今回は、言葉が出てこない原因についてまとめます。
目次
社会不安障害
極度に人に対して不安や恐怖を感じ、言葉が出なくなる、声が震えてうまく話せない、身体が震えるということが生活に支障がきたすほどの状態の場合は、社会不安障害になっている可能性があります。
社会不安障害は、対人恐怖症、あがり症、赤面症ともいわれます。
社会不安障害とは、人から注目をあびたり、悪い評価を受けることに極度に不安を感じ、
・人前だと頭が真っ白になり言葉が出ない
・多量に汗をかく
・顔が赤くなる
・身体が震える
・動悸がして、息苦しい
・周りの目が恐い
などの症状として現れます。
そして、再び人前で症状が現れるのではないかと不安に思うあまり、不安や緊張を体験した場面を避けるようになってしまう状態でもあります。
社会不安障害は、神経質であったり、こだわりが強かったりする人がなりやすい傾向にあるようです。
吃音症
「お、お、おはようございます」や「お。。。」というようにはじめの音を繰り返したり、はじめの音の後言葉が続かなかったりなど言葉がスムーズに出てこない状態を「吃音(きつおん)症」といいます。
吃音の9割は幼児期に起こり、成人してからの発症はごくまれであるといわれています。
幼児期に起きる吃音は、小学校に入学するころには自然と治るようです。
吃音になる原因は、未だ明確になっていませんが、いくつかの要因が考えられています。
心理的要因
うまく話せないことをひどく怒られたり、いじめられたなどの経験がトラウマとなり、吃音を発症する原因となると考えられています。
子どもが言語を覚えていく段階で、親の言葉使いなどに関するしつけが厳しいと子どもが吃音になることがあるといわれています。
環境的要因
子どもは、親など身近な人の話し方をまねしながら言葉を覚えていきます。
そのため、親や身近な人の話し方が子どもの話し方に影響を及ぼす場合があるといわれています。
脳の機能障害
脳の言語機能の働きが低下している、脳の神経伝達がスムーズでないなどさまざまな研究報告がありますが、原因は明確にはなっていません。
遺伝的要因
最近では、吃音の原因となる遺伝子が特定されてきたとの研究報告があります。
ただし、吃音症は、遺伝的要因に環境的な要因がプラスされることで発症する場合が多いといわれています。
自律神経失調症
自律神経失調症によって、言葉が出なくなったり、ろれつが回らなくなることがあります。
自律神経失調症とは、興奮をコントロールする交感神経と、リラックスをコントロールする副交感神経のバランスが崩れることで体に不調をきたす病気です。
言葉につまったり、ろれつが回らなくなるのは、交感神経が刺激され過ぎて舌の筋肉に余計な力が入ることで起こります。
その他にも、自律神経失調症の症状は多く、
・めまいや耳鳴り
・手足のしびれ
・疲労感や倦怠感
・気分が落ち込み不安になる
・何事も無気力になる
などなど、身体的なのもから精神的なものなで多岐にわたります。
原因は、生活習慣の乱れや精神的なストレスが多いと言われています。
思い当たる方は、自分で判断せずに病院へ行き診察を受け、自身に合った治療法を探しましょう。
失語症
失語症は、高次脳機能障害の1つです。
・物の名前が出てこない
・言葉を言い間違える
・話したいことは自分でわかっているけれど、それに適した言葉がわからない
・相手の話していることがわからない
などといった症状が現れます。
また、失語症は言葉が出てこないだけでなく、読む、書く、聞くなどの機能も障害される状態です。
認知症と似ている部分がありますが、認知症と違い失語症は言語能力にのみ障害があり人格や判断能力には影響がない点が異なります。
失語症になる原因としては、脳腫瘍や脳梗塞などの病気、事故などによる外傷、が挙げられます。
認知症、若年性アルツハイマー
認知症は、言葉が出てこないといった症状以外に、
・新しいことを記憶できない
・人格が変わる
・道が分からなくなる
・自分や周りの人が誰かわからなくなる
・何度も同じ質問をする
・判断能力の低下
・徘徊
・被害妄想
というように様々な症状が現れます。
高齢者がなるイメージかもしれませんが、最近は64歳以下でも認知症となる若年性アルツハイマーも増加しおり、女性より男性に多く見られるようです。
脳の異常
言葉が上手く出てこないのは、病気や事故による外傷などが原因で、脳がダメージを受けている可能性もあります。
いくつかの具体例をご紹介します。
脳血管障害
言語を司る脳の部位で脳梗塞や脳出血、くも膜下出血など血管がつまったり、血管が切れることで発語機能に障害が生じる場合があります。
脳の炎症
ウイルス脳炎など脳に炎症が起きた場合、炎症の部位によって失語症を発症する場合があります。
低酸素脳症
脳への酸素の供給が不足した場合、言語機能に障害を起こす場合があります。
具体例としては、呼吸停止、心停止、不整脈、血圧の低下などの時に低酸素後脳症が起こる可能性があります。
事故の後遺症
事故により、脳が損傷を受けたり、血腫により圧迫されたりすることで脳の機能が障害され、言語機能の低下が見られる場合があります。
言葉が出てこなくなったら?他の症状がないかチェック!
今までは普通に話せていたのに、突然言葉が出てこなくなる原因は様々です。
まずは、他の症状がないか注視して原因を探ってみましょう。
原因の中には、危険な病気の前触れの可能性もある事を忘れてはいけません。
言語を司っている脳の部分で血管がつまる脳梗塞、脳で出血を起こしている脳内出血と言った命に関わる病気かもしれません。
・激しい頭痛、嘔吐、意識障害、身体の片側の麻痺
などの症状が見られたら要注意です。
些細なことでも、あれっおかしいな?と感じたら、すみやかに脳神経外科を受診することが大切です。
また、言葉が出なくなる、声が震えてうまく話せない、身体が震える、といった社会不安障害と思われる場合も、ひとりで悩まず、早期に心療内科で相談するとよいでしょう。
吃音症の場合は、その原因によって受診する診療科がかわってきますが、耳鼻咽喉科や心療内科、精神科で相談するとよいでしょう。
生活の乱れ、ストレスの多い生活を送っている時は自律神経失調症が原因かもしれません。
生活リズムを整え、なるべくストレスを発散するように意識しましょう。
まとめ
言葉が出てこない原因は、緊張やストレスなど心理的な要因によるもの、脳梗塞や脳出血、脳炎、低酸素脳症、事故の後遺症など脳の機能障害によるものなどさまざまなものが考えられます。
特に突然言葉が出なくなった場合は、脳の言語機能を司る領域の血管が詰まったり、切れたりして、脳梗塞、脳出血などを起こしている可能性があります。
早期治療のため、早急に医療機関を受診することが大切と考えます。
言葉が出てこない時は他の症状とも合わせて、脳神経外科、心療内科、耳鼻咽喉科を受診してみましょう。