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敗血症の症状からの治療法とショック時の生存率

   

敗血症という病気はご存じでしょうか?

敗血症はショックを起こすと致死率が非常に高くなる危険な病気です。

 

敗血症はどういった治療が行われるのでしょうか?

今回は、敗血症の症状からの治療法とショック時の生存率についてご紹介させていただきます。

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敗血症性ショックの生存率

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世界では年間約2000~3000万人の人が敗血症に罹患し、アメリカでは、毎年約9万人もの方が敗血症性ショックで死亡しているといわれています。

 

では敗血症によるショック状態に陥った際の生存率はどのくらいなのでしょうか?

元となる感染症や報告によって様々ではありますが、生存率は先進国でも70%前後です。

これは、心筋梗塞や脳卒中よりも低い生存率で、3~4秒に1人が命を落としているといわれています。

 

また、敗血症は、いかに早い段階から治療を開始することができたかが、生存率に大きく関係しています。

 

敗血症性ショックの治療法

敗血症性ショックの明らかな症状が出た場合は、ただちに集中治療室(ICU)で治療を行います。

敗血症と敗血症性ショックに行う治療は以下のようなものとなります。

 

抗菌薬

敗血症とみられる体温の上昇や心拍数・呼吸数の増加などがみられた場合、血液培養を行います。そのうえで抗菌薬の投与を開始します。

1時間以内に抗菌薬を投与することを推奨しており、投与が1時間遅れると、7.6%ずつ予後が悪化するとされています。

 

ときには血液検査などで診断が確定していなくても、抗菌薬の投与を行う場合があります。

その場合、感染症を起こしている場所から、どの細菌が原因となっている可能性が高いかを検討し、多くの場合2~3種類の抗生物質を同時に投与します。

その後、検査結果に応じて、感染を引き起こしている細菌に一番効果のある抗生物質に切り替えます。

 

また、感染の原因と思われるカテーテルなど、すべての医療器具を取り外します。

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輸液

血流中の体液を増加させ、血圧を上昇させるために輸液を行います。

輸液とは、水分や電解質などを点滴静脈注射によって投与する治療法です。

初期段階での輸液療法が非常に重要であるとされています。

 

血圧・血糖のコントロール

適切な輸液を行っても、血圧が上昇しない場合は、昇圧薬を使用します。

昇圧薬によって、臓器に十分な血流が届くようにします。

また、血糖値を安定させるために、インスリンを投与する場合があります。

 

人工呼吸器や透析

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細菌によって呼吸不全になったり、大量の輸液によって肺の酸素化が障害されるため、酸素マスクによる酸素の補給や、呼吸を補助するために人工呼吸器を使用します。

また、腎不全などに対し、24時間以上持続的に血液ろ過透を行う血液浄化法を用いることがあります。

 

手術

腸壊疽(ちょうえそ)など、壊死している組織を取り除く手術を行うことがあります。

 

ヘパリンや副腎皮質ホルモン薬(ステロイド)の投与

播種性血管内凝固症候群(はしゅせいけっかんないぎょうこ症候群=DIC)を併発している場合、ヘパリンや蛋白分解酵素阻害薬、短期間の副腎皮質ホルモン薬を併用することがあります。

 

DICとは血液凝固反応が、本来は出血箇所のみで生じるべきところ、全身の血管内で起こってしまう病気で、全身の血管に小さな血液のかたまりが無数に生じてしまいます。

 

細い血管がつまると、血流が妨げられ、酸素や栄養が届かなくなり、腎臓などの臓器に障害が起こってしまうため、これを防ぐための治療として投与します。

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世界敗血症デー(World Sepsis Day)

先進国において、敗血症の罹患率が毎年8~13%の割合で増加しているといわれています。

世界で最もよくみられ、死亡する確率が高い病気であるにもかかわらず、一般的に認知度が低く、症状はおろか、『敗血症』という言葉も浸透していません。

 

敗血症による世界的な危機的状況を改善するため、Global Sepsis Alliance(世界敗血症同盟、以下GSA)が設立されました。

そして、敗血症という疾患への理解を深めるため、2012年に9月13日を『世界敗血症デー(World Sepsis Day)』とし、70ヵ国以上の国々が参加しています。

 

日本でも日本集中治療医学会を中心に世界的な活動を行い、敗血症に関するイベントを行うなどの取り組みをしています。

 

まとめ

敗血症性ショックを発症してしまうと、生存率が著しく低くなってしまいます。

世界的にも問題となっていて、罹患率や死亡率を下げるため、様々な取り組みがなされています。

私たちも正しい知識を身につけ、敗血症の理解を深めるとともに、病気に負けない身体づくりをしていきたいですね。

 

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