ホスピタルランド~病気の症状から考える早期発見ブログ~

病気の症状とは・・。症状から見て考えられる病気についてわかりやすく説明していきます。病気は私たちの身近な存在です。少しでも多くの人達がこのブログを見て早めの治療、早めの予防対策をして頂けたらと思います。                    

いぼ痔の治し方!手術は絶対に必要?

   

前回、『いぼ痔の原因と症状について』では、どうしていぼ痔になってしまうのかをご紹介しました。

今回は、いぼ痔の治し方や手術についてご紹介していきたいと思います。

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いぼ痔は手術しないとダメ?

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いぼ痔には内痔核と外痔核(血栓性外痔核)があることは前回ご説明した通りです。

この二つは、症状やできる場所が違うように、治し方にも違いがあります。

 

また、内痔核はその症状によって段階が分けられており、レベル1~2は保存療法で改善される可能性が高いのですが、レベル3~4になると外科手術が検討されます。

 

外痔核の治し方

外痔核は、血行が悪くなって血の塊ができてしまったものなので、まずは血行をよくするために患部を温めます。

お風呂やホッカイロのようなもので下着の上から温めるのも効果があります。

 

また、肛門部を清潔に保つことも重要で、入浴時はもちろん、排便後に温水を使用してきれいに洗うようにします。

 

病院や市販の軟膏や座薬などを使用し、痛みや炎症がひどければ消炎鎮痛薬を服用します。

だいたい1週間くらいで痛みが取れ、血栓も1ヶ月以内で体内に吸収されなくなります。

血栓が大きく、治りが悪い場合は、病院で局所麻酔をしたうえで、切開して血栓を取り除く手術をする場合もありますが、入院は必要なく、日帰りで行うことができます。

 

生活面では、激しい運動は避け、アルコール香辛料などの刺激物の摂取は控えましょう。

 

内痔核の治し方

内痔核は症状が軽ければ、外痔核と同じように、軟膏や座薬、内服薬などで症状の緩和につとめます。(レベル1~2)

しかし、出血がひどかったり、押しても戻らなくなった場合(レベル4)は、外科的な治療が必要になります。

 

1.硬化療法

出血がとまらない痔核に行う治療法で、痔核に硬化剤(5%フェノールアーモンド油)を注射して痔核の血管の周りに炎症を起こし、その二次的な線維化によって痔核の血流を低下させ、出血を防ぐ方法で、入院せずに行うことができます。

効果は絶対的ですが、長続きするものではなく、長くて6ヶ月から1年くらいです。

 

また、2005年から開始された新しい治療法にALTA(ジオン)注射療法というものがあります。

「四段階注射法」という手法を用いて痔核に薬を投与します。

ひとつの痔核に対して4ヶ所に分割して注射をします。

複数の痔核がある場合にはそれぞれに注射を施します。

この注射によって内痔核を硬化させ縮ませることで、内痔核の脱出と排便時の出血をなくす効果が期待できます。

 

しかし、副作用で痛みや発熱、出血を伴い、まれに直腸の潰瘍を発症したりすることがあります。

ですが、この方法は切らなくて済むので、

・術後の痛みが少ないこと

・治りが早いこと

がメリットとして挙げられます。

また、日帰りから1泊2日ほどの入院で行うことが可能です。

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2.ゴム輪結紮療法

痔核にゴム輪結紮器を使用して輪ゴムをかけ、痔核の根元を縛って痔核を縮小、壊死脱落させる方法で、日帰りで施術が可能です。

麻酔をせずに行う方法なので、痛みを感じない内痔核に行います。

ただし、大きい痔核や硬い痔核にはゴムがかからないため行うことができません。

 

また、痔核が脱落する際、出血したり、新しい皮膚が形成されないといったことが起こることがあり、その際は入院して手術が必要になります。

このため、すべての内痔核に適用できるわけではなく、行える患者は限定される治療法といえます。

 

3.手術(結紮切除術)

注射療法などを用いても、出血が止まらなかったり、痛みを感じる痔核と併せて脱出するようになってしまった場合は、やはり外科手術が必要となります。

 

下半身麻酔(腰椎麻酔)をして、肛門のふちの皮膚から外痔核、内痔核と切除し、奥から縫ってくる「結紮切除術」が多く行われている手術です。

内痔核のあった付近は縫合し、皮膚に近い部分は縫合せず自然治癒に任せます。

 

術後は痛み止めなどで痛みを和らげ、術後2日目あたりから1日に2回ほど入浴して血行をよくし、患部を清潔に保ちます。

入院はだいたい1週間が目安ですが、術後の排便が楽に行えるようなるまで入院することが望ましく、人によって1週間より早いことも長引くこともあります。

 

また、術後6~14日くらいまでに突然大量出血してしまい、縫合しないと止まらない「晩期出血」を起こすことがあるので、退院後の管理もとても重要です。

何かあったらすぐ病院に行けるよう、近くの病院でこうも手術を受けるか、晩期出血の心配がなくなる2週間は入院したほうがよいといわれています。

 

いぼ痔にいい食べ物・悪い食べ物

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いぼ痔の手術を絶対しなければならない患者さんはそう多くなく、生活改善と投薬で経過をみることが多いようです。

できることなら入院・手術は避けたいもの。

そのために自分でできる一番簡単な方法は、食べ物に気をつけることですよね。

そこで、いぼ痔にいい食べ物・悪い食べ物をご紹介します。

 

<いい食べ物>

・食物繊維

根菜や海藻類など、食物繊維が豊富に含まれている食べ物は便秘の予防になりますので、積極的に摂取しましょう。

 

・果物

みかんやグレープフルーツなどに含まれるビタミンPは、毛細血管を強くする働きがあるといわれています。

 

・乳製品

ヨーグルトなど乳酸菌は腸内環境を整えるのに役立ちます。

 

・豆類

豆類には食物繊維やタンパク質が含まれていて、傷の修復にはタンパク質が欠かせません。

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<悪い食べ物>

・刺激物

香辛料など過剰に摂取すると、排便時の痛みが増す原因となります。

とくに唐辛子は、体内に吸収されにくいので便に残りやすく、肛門部分の炎症・痛みを誘発するので、気をつけましょう。

 

・塩分が多い料理

塩分を摂り過ぎると、水分が欲しくなり、それが下痢につながっていぼ痔の原因となります。

 

・アルコール類

アルコール自体が肛門に刺激を与えるのももちろんですが、アルコールで血管が拡張して、血液量が増えると、校門付近の細い血管が対応できず、うっ血していぼ痔を発症・悪化させる恐れがあります。

 

まとめ

以前はいぼ痔の手術というと、長期入院しなければならず、痛みも大変なものであるといわれていましたが、医療技術の進歩で、日帰りで行えるようになりました。

また、投薬などで症状を抑え、日常生活を改善することで、手術をせずに済むことも多いようです。

 

いぼ痔になってしまうと、排便=痛い・出血する、と思ってトイレに行かなくなり、便秘になってさらに悪化してしまう、という負のスパイラルに陥ってしまうので、早い段階で病院にかかり、それ以上悪化させないようにしたいものです。

 

排便時の出血や痛み、いぼが現れた時は早めに肛門科を受診しましょう。

いぼ痔の原因や症状についてはこちらをご参考ください。

いぼ痔(痔核)の原因と症状とは!ストレスにも関係が?

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