ホスピタルランド~病気の症状から考える早期発見ブログ~

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風邪で筋肉痛になる理由は?薬は飲んでいい?原因と対処法について

   

気温が下がってきましたね。

気温が低くなり、空気が乾燥してくるとウイルスの活動が活発となり、風邪やインフルエンザにかかりやすくなります。

主な症状として、発熱、咳、鼻水、喉の痛み、全身の倦怠感、頭痛・・・など様々なものが思いつきますが、風邪やインフルエンザにかかって、筋肉痛になったという経験のある方もいらっしゃるでしょう。

運動もしていないのになぜ筋肉痛になるのでしょうか?

という訳で、今回は風邪で筋肉痛が起きる原因と対処法などについて紹介していきたいと思います。

 
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筋肉痛のメカニズムとは?

そもそも、筋肉痛はなぜ起こるのか?

また、運動後の筋肉痛と風邪やインフルエンザにかかった時の筋肉痛は同じなのか?

最初に答えを言ってしまいますが、両者の仕組みは異なります。

 

まず、運動後に筋肉痛が起こる仕組みですが、運動によって傷ついた筋肉の繊維を修復する際に炎症が起きて、刺激物質であるブラジキニン、プロスタグランジン、ヒスタミン、セロトニンなどが生成されることにより痛みが発生すると言われています。

(ただ、筋肉痛のメカニズムは医学的にはまだはっきりとはしていないそうです。)

 

次に風邪やインフルエンザなどにかかった時の筋肉痛ですが、こちらは体内に侵入したウイルスをやっつける為の体の防御反応(免疫反応)によるものです。

ウイルスは高温に弱く、その為、体は体温を上げることで、ウイルスの活動を弱めようとします。

 

そのメカニズムは次のような流れとなります↓

1、白血球の一部であるマクロファージなどの食細胞は侵入してきたウイルスなどを捕えると、”サイトカイン”と呼ばれる発熱や痛みの基となる物質を作り出します。

作り出されたサイトカインは血液に乗り、脳へと流れつきます。

 

2、サイトカインは血液脳関門という脳のバリアに阻まれ、それ以上奥には進むことが出来ません。

そこで、サイトカインは”プロスタグランジンE2”と呼ばれる物質の産生を促します。

 

3、プロスタグランジンE2による情報が脳にある視床下部の体温調節中枢に伝わると、筋肉を震わせるなどして、「体温を上げよ」という命令が体に出されます。

悪寒(体がガタガタと震える)が起こるのもこの為なんです。

 

 

この様に、風邪やインフルエンザにかかった時に筋肉痛になるのは体が病原体と戦っていて、その過程で痛みや発熱の基となる物質が作られるからなのです。

なぜ、体は辛いのに体温を上げるのか?

その答えは先ほども書きましたが、体温が上がる事で病原体の活動が弱まり、さらには免疫機能が高まるからなのです。

 

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薬を飲んでも良い?

風邪などによる筋肉痛に対して薬を飲んで和らげたいと思うのは分かります。

しかしながら、筋肉痛が起きているのは体温を上げ、体が一生懸命、病原体と戦っている証拠です。

薬を飲むことは基本的にはお勧めできません。

体温を下げてしまうとウイルスなどを退治する時間が長引いてしまう恐れがあるからです。

 

ただし、40℃くらいの発熱が続き、脱水症状などで体力の消耗が激しい場合は、アセトアミノフェンなどの解熱剤を用いることもあります。

ただ、お子さんの場合、間違った解熱剤を使うとインフルエンザ脳症やライ症候群などを起こす可能性があります。

市販薬でも対処はできますが、適した薬を出していただくためにも医療機関に受診する方が良いと思います。

 

では、湿布を貼るのはどうでしょうか?

ひんやりするので多少は痛みが和らぐこともあるかもしれません。

しかし、運動後の筋肉痛とはメカニズムが異なるので効果はあまり期待できません。

 

漢方薬を飲んでみるのも良いかもしれません。

葛根湯は筋肉痛にも効果があります。

 

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早く治すためには?

風邪やインフルエンザによる筋肉痛は体の回復とともに自然に無くなるものです。

大体、数日から1週間くらいで治癒します。

基本的な事ですが早く治すためには、安静にし、体を保温し、栄養を取る事、水分を摂ることです。

 

風邪に効く食材を摂る

風邪に効果的で、体を温めてくれる食べ物は、生姜、ねぎ、にら、にんにく、などです。

果物に含まれているビタミンCは免疫力アップ、βカロテンとしてニンジンやカボチャ、ほうれん草などにふくまれるビタミンAは傷ついた粘膜の修復、豚肉等に含まれているビタミンB群は疲労回復効果が期待できます。

 

体力をつけるためには少しでも食べたほうが良いので、できれば体を冷やすことのない温かいスープなどの料理で食べましょう。

食欲がない場合は、おかゆやうどん、プリンやヨーグルトなど消化が良く、胃腸に優しい物を摂るようにしましょう。

 

水分補給を忘れずに

また、高熱で汗をかくと脱水状態になってしまいます。

風邪の時の水分補給には、スポーツドリンクや経口補水液を飲むのがお勧めです。

ただし、冷たすぎると胃腸の動きが悪くなってしまうこともあるので、常温くらいにして飲むのが良いでしょう。

 

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体を温めて発汗を促し、睡眠時間を多くとる

風邪をひいたときは、身体を温かくすることで免疫力を高めることが大切です。

風邪の対処法として良く言われる「あたたかくして寝ること」は免疫力をあげることが目的なのです。

 

具体的な方法としては、

・あたたかい衣服を羽織る

・カイロで首元をあたためる

・熱めのお風呂に入る

といった方法が有効です。

 

また、汗をかくことで体内のウイルスを死滅させることもできます。

たくさん汗をかいた場合には脱水症状にならないようにしっかり水分摂取しましょう。

 

そして、湯ざめしないように温かい服装でなるべく早く寝ることと、睡眠時間もいつもよりも多くとって安静にしている時間を長く持つことが風邪を早く治す近道です。

 

もし、筋肉の痛みでどうしても眠れないときは、身体全体ではなく一部を少し冷やしてみると痛みが落ち着きます。

 

部屋の乾燥を防ぐ

ウイルスは乾燥を好みます。

なのでウイルスの進行を抑えるためにも、室内は加湿器などで湿度を50~60%に上げておきましょう。

加湿器がない場合には、お湯をわかす、濡れマスクをする、といった方法も効果的です。

 

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アロマオイル(ディフューザー等)を利用する

最近、アロマオイルの香りの効果で、風邪を改善していく方法も注目されています。

一般的に、

・ラベンダー

・柑橘系のグレープフルーツやレモン

・花粉症の時期にも好まれる、抗菌作用もあるペパーミント

などの香りのアロマが風邪には効果的とされています。

 

また、室内が乾燥しすぎていると、ウイルスの感染のリスクが高くなる可能性がありますし、喉にもよくありません。

加湿器(ディフューザー)にアロマオイルを数滴たらして利用すれば、さらによい効果が期待できます。

 

まとめ

風邪やインフルエンザの時、筋肉痛になるのは辛い物ですが、体が敵と戦っている証拠です。

体が回復すれば筋肉痛も消えていきます。

早く治すためにはゆっくりと休む事が大事です。

 

自然に治すのが一番ですが、辛くてしょうがない場合は無理に我慢せず薬を飲むこともありです。

その場合は医療機関を受診しましょう。

その前に、まずはうがい、手洗いをして風邪やインフルエンザにかからない事が大事だと思います。

 

風邪で筋肉痛がするときは、内科を受診しましょう。

 

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