脇腹がつる原因や対処法は?左右別に疑う病気もご紹介!
脇腹とはお腹の側面の部分のことですね。
「くすぐったい場所」というイメージが強いですが、身体をコントロールする自律神経が集中しており、ほかの部位に比べて皮膚の感覚が敏感な場所でもあります。
この部分が「つる」という症状は単なる運動不足だと思いがちですが、それだけではないことも・・・・。
今回は、脇腹がつる原因やその対処法について詳しく説明しましょう。
目次
あまり心配のないケース
脇腹がつる原因には、日常生活の何気ない事によって引き起こされている場合もあります。
知っておくと、日ごろから対処できることも多いのでいくつかご紹介します。
無理な姿勢や運動不足などによるもの
身体をひねるような体制を何度もとったり、無理な姿勢で寝たりすると、脇腹がつることがあります。
眠るときにソファーやこたつなどで、うたた寝していないでしょうか?
そのような方はきちんとベッドや布団で寝るようにするだけでも改善されることがあります。
また、運動不足の人がいきなり負荷をかけることも原因の一つとして考えられます。
運動不足によって硬くなってしまった筋肉は、少しの刺激で傷がついたり、小さな肉離れを起こす傾向があります。
これらの筋肉の損傷により「脇腹がつる」という症状が起こるのです。
運動の前には脇腹を伸ばすなどのストレッチを行い、筋肉を柔らかい状態にしておくことが大切です。
栄養バランスの乱れによるもの
筋肉を使うことにより、疲労物質が蓄積するのですが、栄養バランスが乱れて、これを回復できないと「脇腹がつる」という症状があらわれることがあります。
疲労を回復させるためにはビタミンB1を摂取することが効果的だとされており、ビタミンB1は「豚肉」や「うなぎ」「たらこ」「ハム」「ベーコン」などに多く含まれます。
また「煮干し」や「桜エビ」「チーズ」などに多く含まれるカルシウムは、筋肉の収縮をコントロールする手助けをしてくれます。
また、「ナッツ類」「ゴマ」「あおさ」「のり」などに多く含まれるマグネシウムは、このカルシウムが働きすぎるのを防ぐ効果があるため、同時に摂取すると良いとされています。
水分(ミネラル)不足
水分不足などで体内のミネラルバランスが崩れると、筋肉や神経の調整が乱れ痙攣をおこしてしまいます。
特に、マグネシウムとカルシウムの不足が原因となる事が多いです。
水分のミネラルは筋肉や筋肉を動かす神経の働きを調整する役割を持っています。
ですので、運動や発汗によって体内のミネラルが失われると、筋肉を上手くコントロールできなくなってしまい、脇腹がつる原因となってしまうのです。
また、運動だけでなく、サウナや半身浴でも熱中症や脱水症状の危険はあります。
喉が乾いたと感じた時には、すでに体内からミネラルが失われた状態になっていますので、運動前や入浴前には水分摂取を必ず行なっておきましょう。
血行不良によるもの
血行不良で、筋肉が固くなり「脇腹がつる」という症状を招くこともあるようです。
血行不良は、寒い季節はもちろん、夏場でも冷房が効いているところも多いため、一年中みられる傾向があります。
特に女性は男性に比べて筋肉量が少ないため、もともと冷え性を患っていることが多く、悩んでいる人も多いようです。
冷房対策として「靴下を履く」「はおりものを用意する」「エアコンの温度調節をまめに行う」などに気を配る必要があるでしょう。
注意して対処すべきケース
脇腹の痛みには思わぬ病気が隠れていることがあります。
また、右側なのか左側なのかによって、予想される疾患は変わってきますので、注意が必要です。
「右の脇腹」がつる場合
(胆嚢炎)
胆嚢の出口が結石などで閉塞することにより細菌感染を起こす病気です。
「発熱」「右上腹部通」「右肩の痛み」などを訴えることがあります。
(肝臓の腫瘍)
良性のものと悪性のものがあります。
腫瘍が大きくなると「お腹がはる」「腹痛」「発熱」などの症状があらわれる場合もあります。
(尿管結石)
尿の通り道である「腎臓の一部」「尿管」「膀胱」「尿道」に結石ができる病気です。
「激しい痛み」や「血尿」が典型的な症状ですが、結石が腎臓にある場合には鈍い痛み程度であることが多いようです。
(十二指腸潰瘍)
胃酸の影響を受けて、十二指腸にできる潰瘍です。
「空腹時の上腹部痛」が特徴的で、特に夜間にしばしば起こりますが、痛みが出現しないケースもあるようですので、注意が必要です。
右脇腹に関してはこちらの記事もご参考下さい。
⇒右脇腹の痛み!9つの原因と病気の可能性もチェック!
「左の脇腹」がつる場合
(胃潰瘍)
「食後に上腹部やみぞおち部分が痛む」ことが特徴です。
ただし、必ずしもこの症状が起こるわけではなく、空腹時に痛みを感じる人もいるようです。
(胃がん)
「胃の痛み」「不快感」「違和感」「胸やけ」「吐き気」「食欲不振」などの症状があります。
胃炎や胃潰瘍でも同じような症状が起こりますので、病院で検査をしなければ確定診断はできません。
(膵炎)
膵臓が分泌した酵素によって、膵臓みずからの細胞が消化され、炎症を起こしてしまう病気です。
一般的には食事をすることによって強まり、絶食することによって軽くなるという特徴があります。
左脇腹に関してはこちらの記事もご参考下さい。
⇒左脇腹の痛み5つの原因!病気の可能性もチェック!
ほかの病気の可能性も
他にも女性の場合は「卵管炎」などの病気の可能性があります。
卵管炎は炎症が軽ければ、ほとんど症状が出ませんが、「卵管不妊」や「子宮外妊娠」を引き起こす原因となることもあり、若い女性には特に気を付けてほしい病気です。
それ以外には、「糖尿病」が原因で脇腹がつることもあるようです。
糖尿病の症状の1つとして神経障害があります。
手足のしびれや感覚異常も感じるようであれば糖尿病も疑ってみましょう。
肋骨の下が痛む場合は、肋間神経痛の可能性もあります。
肋間神経痛の原因には骨折などの外傷によるものもあれば、ストレスにより筋肉が圧迫、刺激され痛みとなっている事も多いそうです。
また、ヘルペスウィルスによって肋間神経痛が発生する事もあります。
その際は、出来物ができてヒリヒリと激しい痛みが特徴となります。
まとめ
脇腹がつる原因は生活習慣によるものも多くあります。
これらの原因で起こる「脇腹がつる」という症状の場合は、原因に対する対策が重要となります。
また起こってしまったら、無理をせず安静にすればほとんどの場合は治まるようです。
動けるようであれば、軽く腹筋を伸ばすなどのストレッチを行うとよいでしょう。
しかし、脇腹のつりには思わぬ病気が隠れている可能性も忘れてはいけません。
ここにかかれた症状は一般的なものではありますが、この症状が必ず起こるというものではありませんので、自分で判断することは困難です。
おかしいと思ったら早めに病院を受診しましょう。
病気が無いことがわかれば、ピンポイントの対策がとれることにより改善につながりやすくなりますし、なにより「安心」できますよね。
脇腹がつる時は、内科か循環器科を受診してみましょう。
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