やけどによる水ぶくれの処置!早く治す方法とは!
2016/03/24
やけどをした時にできる水ぶくれは、しっかり処置を行なっておかないと、跡が残ってしまいます。
しかし、水ぶくれは潰すべきかどうかなど、意外と適切な処置の方法は知られていません。
今回は、やけどの水ぶくれの処置についての、さまざまな知識を紹介していきます。
やけどで水ぶくれができる原理
熱いものに触れると、皮膚がダメージを負ってしまい、水ぶくれができてしまいます。
しかし実は、水ぶくれができるケガは、やけどだけではないのです。靴擦れや指の関節にできるマメも水ぶくれの一種ですね。
水疱という名称でも呼ばれることがある水ぶくれは、皮膚の下にある真皮の部分にまでダメージが達した場合に起こります。
真皮には毛細血管が通っていて、この毛細血管が切れてしまった時に、血漿という液体が出てきます。これが水ぶくれの中に溜まっている水の正体です。
血漿には栄養素や老廃物などを運ぶ役割があり、傷口を清潔に保つ殺菌効果や感染症を防ぐ免疫効果もあります。
つまり、水ぶくれができるのは、体がやけどを治そうとしている証なのです。
水ぶくれができる前のやけどの処置
人の皮膚には、表面に近い上の層である表皮と、中間にある真皮、一番下には脂肪層があります。
やけどはその損傷具合によって大きく3種類に分かれており、下記のように分類できます。
Ⅰ度・・・表皮のみの損傷で、皮膚が赤くなる
Ⅱ度・・・損傷が真皮まで及んでおり、水ぶくれが出来る
※Ⅱ度はさらに2つに分けられます
・損傷が真皮の浅い部分のみの、浅達性
・損傷が真皮の深い部分まで達している、深達性
Ⅲ度・・・損傷が脂肪層にまで達している状態で、神経や汗腺までダメージを受ける
水ぶくれができるのはII度のやけどです。
II度のやけどは、激しい痛みと水ぶくれを伴います。
アイスノンやタオルよりも、流水で冷やしたほうが効果的でしょう。その際は、直接患部に流水を当てるのではなく、周りを冷やすようにしましょう。
やけどをした後は、熱いものに触れていなくても体の中に熱が残り続けます。皮膚の中に入った熱が皮膚を焦がし続けているのです。
やけどをした直後に冷やせといわれるのは、この熱を取り除き、やけどを悪化させないためです。痛みが和らぐまで、最低でも10分は冷やし続けてください。
タオルやアイスノンを使う場合は、必ず清潔なものを選びましょう。
やけどを負った肌は免疫力が低下しているため、空気中に漂う細菌すらも、感染症を引き起こす原因となります。
やけどの水ぶくれは潰すべき?
痛みが取れる頃になると、やけどをした部分に水ぶくれができます。
この水ぶくれは、絶対に潰さないでください。
なぜなら、皮の下に溜まった液体の正体は、皮膚の下の組織から染み出たタンパク質や血清で、皮膚の再生を促す成分が入っています。傷口へ悪影響を与えるものではありません。
前述したように、水ぶくれは傷口を治すためにできるものです。傷を負った時には、水ぶくれを潰して皮膚を乾燥させたほうがいいという説もありますが、これは細菌感染を招く要因ともなります。
ただし、靴擦れなどで足に水ぶくれができている場合は、意図せず潰れてしまうこともあります。
この場合、やけどの範囲が小さく、ガーゼなどで清潔に保てるのであれば、先に潰しておくほうが良いでしょう。
足の水ぶくれについては、こちらの記事をご参考下さい。
まとめると、原則としては水ぶくれを潰さないことが大切です。どうしても潰れてしまう部位に水ぶくれができた時だけ、先に潰して、ガーゼなどで保護しましょう。
水ぶくれを早く治すためには
水ぶくれができるやけどは、早くて1~2週間、深いやけどになると、完治まで1ヶ月近く掛かってしまいます。
範囲が広くなると、余計に治りにくいだけでなく、感染症も引き起こしやすいです。
やけどの水ぶくれを早く治すためには、細菌感染を防ぐことが何よりも重要です。細菌感染を伴うと、完治までの時間が非常に長引きます。
化膿してしまうと、跡が残ってしまう可能性も高く、場合によっては、皮膚移植が必要となるIII度のやけどにまで進行してしまうこともあります。
水ぶくれができている最中は、ガーゼや包帯で患部を覆い、なるべく触らないようにしましょう。
水ぶくれを潰さないことが、やけどの最良の治療方法です。
最近では、湿潤療法という治療法がいいとされています。
これは、傷口に潤いを与えて、自然治癒力を高めるという方法です。
湿潤療法用に使用する絆創膏は、ジョンソン・エンド・ジョンソン社製のキズパワーパッドがおすすめです。厚手の素材で、傷口をしっかりと塞げますので、剥がれにくく、患部への衝撃もかなり軽減できます。
まとめ
やけどの水ぶくれは、真皮にまで、やけどのダメージが及んでいる証です。
水ぶくれを潰してしまったり、すぐに冷やさずに放置してしまうと、皮膚が黒ずんで跡が残ってしまいます。
やけどに水ぶくれはつきもの、というわけでもありません。
水ぶくれができるほどのやけどは、場合によっては病院へ緊急搬送されるほどの重症なのです。
決して軽んじることなく、皮膚科を受診するなど適切な処置を行ないましょう。
やけどに関してはこちらの記事もご参考下さい。