低温やけど!症状から適切な治療法をご紹介!
2016/03/24
低温やけどについて、皆さんはどのくらいご存知ですか?
低温やけどは、身近に潜むケガです。
普段、使っている暖房器具や防寒アイテムで、知らず知らずのうちに、やけどを負ってしまうことがあります。
低温やけどの原因を知って、低温やけどにならないよう、注意しておきましょう。
また、もしも低温やけどになってしまった時のために、低温やけどの治療法も知っておきましょう。
今回は、低温やけどの症状と治療法についてご紹介させていただきます。
低温やけどが起こる原因は?
低温やけどと普通のやけどは何が違うのでしょうか?
通常のやけどの場合、皮膚の表面が非常に熱いものに触れた時に生じます。
しかし、低温やけどは人間が心地よいと感じる45度くらいの熱さでも、やけどを起こしてしまいます。
なお、普通のやけどとの大きな違いは、外傷が見当たらないという点です。水ぶくれができることもありますが、多くの場合が皮膚が少し赤くなって、じわじわとした痛みを感じる程度です。
低温やけどは、皮膚の内部にある細胞がダメージを受けてしまいます。
皮膚の深部が炎症を起こし、皮膚の組織が壊れてしまうこともあります。
最悪の場合、皮膚の移植手術を受けなければいけないこともある重篤なケガです。
低温やけどが起こる温度と時間
どの程度の熱さに、どのくらいの時間触れていたら、低温やけどが起きてしまうのでしょうか?
低温やけどが発症してしまう温度と時間は、以下のとおりです。
・44℃の場合・・・約3時間
・46℃の場合・・・30分から1時間
・50℃の場合・・・約3分
このように、意外と早い時間で、低温やけどが起こってしまうことがわかります。
続いて、日常生活で低温やけどになりやすいアイテムや電化製品を見ていきましょう。
低温やけどの原因になりやすい暖房器具
低温やけどは多くの場合、暖房器具によって引き起こされます。
一見、やけどとは無縁のように見えるホットカーペットや電気毛布、カイロなども、長時間、同じ部位に触れさせていると、低温ヤケドの原因となってしまうのです。
また、最も多いのが湯たんぽや電気毛布による睡眠中の低温やけどです。
電気毛布や湯たんぽによる低温やけどを予防するためには、寝る時にこれらの防寒アイテムを使わないのが一番良いでしょう。布団を温める程度にしておいてください。
外出時には、カイロが低温やけどの原因になります。特に貼るカイロは。体の一部分を温め続けるため、低温やけどが起こりやすいアイテムです。
カイロの温度は、平均しても50℃以上になります。近頃のカイロは熱が冷めにくく、20時間以上に渡って、40℃以上の温度を保ち続けるものも少なくありません。
肌に直接、貼るカイロを貼りつける行為は絶対に避けましょう。
なお、服や布で包んだ状態で使用していても、カイロを上から押さえつけていたら、肌に熱が伝わりやすくなり、低温やけどを引き起こす原因になってしまいます。
低温やけどの症状
低温やけどの症状を段階ごとに分けて説明します。
Ⅰ度・・表面が赤くなりヒリヒリする
Ⅱ度・・(浅達)やや強めの痛みを感じ、24時間以内に水ぶくれが出る
(深達)水ぶくれの後、皮膚が白くなる
Ⅲ度・・皮膚細胞が壊死していまい、感覚がなくなる。
感染症を起こすと膿が出る
低温やけどは、高温のやけどのように自覚が出にくく、知らずのうちに進行してしまうことが多いです。
痛い、という感覚がなくなるのが怖いですね。
低温やけどの際は、見た目や感覚の状態にかかわらず、早期に皮膚科を受診することが大切です。
低温やけどになった時の治療法
低温やけどの治療法は、痛みから推測していきましょう。
Ⅰ度と思われる、皮膚がヒリヒリする程度なら、アイスノンや水で患部を冷やすだけでじゅうぶんです。
Ⅱ度の、水ぶくれができている場合は、皮膚の奥深くが炎症を起こしています。この状態になると、自宅で治療を行なうのは困難です。
炎症を鎮める薬を塗ると同時に、化膿を防ぐ治療が必要となります。皮膚科を受診してみましょう。なお、完治には1週間程度の時間を要します。
Ⅲ度となってしまい、皮膚の表面が白くなって細胞が壊死してしまった場合は、ダメージが深刻な低温やけどです。
この状態の低温やけどは痛みを感じないのが特徴で、かなりの時間が経過してから違和感を感じる人が多くいらっしゃいます。
症状によっては、皮膚移植も必要となる状態ですので、必ず病院で治療を受けましょう。
応急処置の方法
低温やけどを起こしている時は、早急に病院へ行くのが大切ですが、まずは家庭で出来る応急処置についてご説明します。
1、まずは流水で冷やすこと・・・冷やす事は低温やけどにはそれほど有効ではありませんが、高温やけどとの判断が難しい場合もあると思いますので、まずは冷やしましょう。
2、ワセリン軟膏を塗り、厚めのガーゼで覆う・・・皮膚の乾燥を防ぎ適度な潤いを保つようにします。
まとめ
低温やけどは知らない間に皮膚にダメージを負ってしまうだけでなく、やけどしたと気づかずに、放置してしまうことが多い症状です。
皮膚がヒリヒリすると感じた時は、低温やけどを疑って、冷やすなどの処置を行ないましょう。
なお、糖尿病の人は皮膚の感覚が鈍くなっているため、低温やけどが重症化しやすい傾向があります。
暖房器具を使う時は、じゅうぶんに距離を離して、使用時間に注意しておきましょう。
低温やけどの時は、皮膚科を受診しましょう。
やけどに関してはこちらの記事もご参考下さい。