股関節の筋肉痛の原因は腸腰筋にあり!ストレッチや解消法について
「股関節」は、一般的な認知度も高く、誰しも耳にしたことがある関節ではないでしょうか。
また、日常生活においても、股関節はすべての動作に必要とされる、とても重要な関節の役割をしています。
その股関節が痛む場合、腸腰筋という筋肉の影響かもしれません。
今回は、股関節の筋肉痛の原因や解消法についてご紹介させていただきます。
目次
股関節はどんな関節?
股関節は、球関節という形状をしており、可動域もとても広く、様々な運動方向に稼働が可能で、複雑な下肢の動きに対応できる関節です。
一方で、球関節は、脱臼しやすく、外力に弱いという弱点も持ち合わせています。
そのため、股関節周囲は、多数の筋肉や靭帯で強靭に守られています。
また、主要な血管も通っており、上半身と下半身をつないでいる、身体のなかでも重要な役割を持つ関節です。
腸腰筋はどんな筋肉?
股関節の中で、もっとも主要な筋肉は、腸腰筋と呼ばれる筋肉です。
この筋肉は身体の中で、最も大きな形状で、発揮する筋肉の力も1番大きいとされています。
しかし、逆に筋肉痛になりやすいという特徴も持っています。
よく、運動不足だったり準備体操をせず運動した人が、筋肉痛になるのは、大抵が腸腰筋です。
腸腰筋は発揮する力も大きいですが、持続性には乏しく、また感疲労の影響も受けやすい特徴も持っています。
腸腰筋は前述にもあるように、大きな力を発揮する筋肉です。
腸腰筋を少し掘り下げてみてみると、筋肉のタイプは、白筋繊維に分類されます。
白筋の特徴としては、筋トレをすれば筋肉はつきやすいが、筋肉を使わなければすぐ落ちる、と言う特徴を持っています。
腸腰筋は筋トレして、筋肉がつきやすく落ちやすい特徴も持ち合わせているのです。
お尻の筋肉とも関係が
腸腰筋は、お腹側、大腿骨の前面に位置する大きな筋肉ですが、それに匹敵する重要な筋肉がお尻についてます。
それは、大臀筋や中臀筋と呼ばれるお尻全体を覆うようについている筋肉です。
この筋肉は、腸腰筋と釣り合うように、発揮する力も大きく、身体の姿勢保持や体重を支えるのに適している特徴があります。
また、この筋肉が腸腰筋と拮抗する動きを取ることで、スムーズな動作獲得がなされています。
さらに、腸腰筋の筋肉痛の原因の一つとして、大臀筋や中臀筋と言ったお尻周囲の筋肉の筋力低下であると、結びつけることもできます。
股関節の筋肉痛の原因
ここまで、股関節が筋肉痛になるメカニズムについてお話してきました。
ここで、具体的にどのような行動やきっかけが原因で、股関節の筋肉痛に繋がるのかをいくつかご紹介します。
急なダッシュなどの激しい動き
主にスポーツでの動き、急なダッシュやストップのように、急激に筋肉に負担がかかる動きは股関節の筋肉痛の原因となりやすいです。
サッカーやバスケットが特になりやすいですね。
普段あまり運動をしていない人はもちろんのこと、日常的に運動をしている人でも使う頻度が少ない筋肉に急激な負荷がかかると筋肉痛になる可能性はあります。
水泳
水泳、特に平泳ぎは股関節をよく使う上に普段はしない動きなので、股関節の筋肉痛になりやすいです。
プールや海で長距離を泳ぐ前と後は、しっかりとストレッチをして筋肉をほぐすようにしましょう。
老化による筋肉の衰え
年をとると、筋肉が徐々に衰えてきて筋肉痛になりやすくなります。
また、股関節の筋肉が衰えると、思い通りに足が上がらずちょっとした段差でつまづいてしまうことも増えてきます。
そして、つまづいたりよろけたりしたときに思わずグッと踏ん張ると、股関節の筋肉に急激な負担がかかって筋肉痛になってしまうことがあります。
妊娠
女性は、妊娠がきっかけで股関節が痛むことがあります。
なぜなら、妊娠をすると股関節周辺の筋肉を緩めてしまう女性ホルモンが分泌されるからなんです。
また、体重の増加に伴い股関節に負担がかかることで、痛みを感じることもあります。
股関節の機能低下は骨折の原因にも!?
股関節の骨折で、大腿骨頸部骨折は聞いた方がある方もいるのではないでしょうか。
この骨折は、高齢者の四大骨折の中の一つであり、股関節の機能低下が大きな引き金になっているとされています。
大腿骨頸部は、股関節の球関節部分が骨折してしまう病態であり、股関節の筋力低下、とくに腸腰筋の機能的が関与しています。
腸腰筋の機能低下が起こると、足の重みを十分に持ち上げたりカバーすることで難しく、つまずいたり、転倒したりして受傷します。
なので、日頃から、股関節周囲の機能は維持または、向上に努めないとならないのです。
股関節の筋肉痛の解消法について
ではここで、股関節の筋肉痛を感じる際に解消させる方法をいくつかご紹介します。
股関節の痛みにお悩みの方は、ぜひ参考にしてみて下さい。
ストレッチ
腸腰筋や中臀筋、大臀筋が筋肉痛にならないように、まずは筋疲労をさせないことが望ましいでしょう。
そのためには、激しい運動だったり、長時間の動作になる場合には、運動前後のストレッチがオススメです。
ストレッチは筋の柔軟性を向上させ、血流を良くし、発揮する筋力を高めてくれる効果があります。
ストレッチのやり方は、こちらのサイトをご参考ください。
⇒今日から脚が軽くなる腸腰筋ストレッチ5選+α
もみほぐして、温めて、タンパク質を摂る
さらに、筋肉になってしまった場合、よくもみほぐすことや温めること、さらに鶏肉等のタンパク質を摂取することもオススメします。
筋肉痛は、疲労物質である乳酸菌が、筋繊維に蓄積することを指すので、それをもみほぐすことで分散させ、さらに温めることで柔軟性や血流を良くし、食事からタンパク質を摂ることで、筋繊維の修復要素になります。
具体的な方法としては半身浴がおススメです。
股関節の筋肉痛を感じる時は、お風呂にゆっくりと浸かって、痛む箇所をゆっくりさするようにするのが効果的です。
運動をして筋肉を鍛える
運動不足や老化で筋肉が衰えてきている場合は、運動をして筋肉を鍛えることで筋肉痛の予防対策にもなります。
ウォーキングや体操などの、軽い運動から始めてみてはいかがでしょうか?
整体や鍼灸、病院を受診してみる
自身でのセルフケアでなかなか解消しない場合は、整骨院や鍼灸院でプロの施術を受けてみるのもいいでしょう。
骨盤のゆがみなど、自分では気づきにくい根本的な原因の解消につながるかもしれません。
また、あまりにも痛みが強かったり長く続く場合は、ただの筋肉痛ではない可能性もあります。
その際は病気の可能性もあるので、整形外科を受診してみましょう。
まとめ
股関節の筋肉痛について、股関節の解剖学的なお話から、筋肉痛を起こしやすいとされる腸腰筋に着眼してお話ししました。
股関節の筋肉痛に対しては、事前にストレッチをして予防すること、そして、事後では筋肉痛を起こした筋肉に対して、しっかりケアすることが大切です。
筋肉と一言で言っても、形状や役割、筋肉の付いている部位や運動方向等、様々な角度から見る事ができます。
今回は股関節の筋肉痛に特化した内容でしたが、前述した筋肉以外にも、主要な筋肉が沢山あります。
そのため、股関節の筋肉痛で頭を抱えている人の、一つの突破口になれば幸いです。
股関節の筋肉痛が辛い時は、整形外科を受診しましょう。