ダラシンTゲル(クリンダマイシン)の効果や副作用について!
ダラシンTゲルというお薬をご存知でしょうか。
主にニキビの治療に用いられるお薬なので、ニキビでお悩みの方にはなじみ深いお薬かもしれませんね。
しかし安易に使用し続けるとトラブルを招くこともありますし、副作用もまったくないわけではありませんので、注意が必要です。
今回は、そんな「ダラシンTゲル(クリンダマイシン)の副作用や効果」について詳しくお話したいと思います。
目次
ダラシンTゲルとは?
「リンコマイシン系」の抗生物質であり、無色澄明で粘性のある半固形、ゲル状の軟膏剤です。
主成分は「クリンダマイシンリン酸エステル」で、細菌の蛋白合成を阻害することによって、細菌を殺すお薬になります。
効果・効能
クリンダマイシンに感性の「ブドウ球菌」「アクネ菌」に効果があり、「化膿性炎症を伴うニキビ」の治療によく用いられます。
ただしニキビ跡には効果はありません。
それ以外にも「細菌感染でおこったおでき」「けがや火傷などの細菌感染の予防や感染がおこった場合の治療」などに用いられることがあります。
製品例
・ダラシンTゲル1%
後発品(ジェネリック)としては以下のようなものがあります。
・クリンダマイシンリン酸エステルゲル1%
・クリンダマイシンゲル1%
形態は違いますが「ダラシンTローション1%」という同じ成分のお薬もあります。
用法・用量
顔のニキビなどの場合は、1日2回、洗顔後に適量を患部に塗布して使用します。
しっかりと洗顔しないと効果が薄れますので注意しましょう。
また、おできや火傷などの傷の状態によっては、軟膏をガーゼに塗って、病変部に貼り付けて使用することもあります。
副作用
・「かゆみ」「発赤」「じんましん」「刺激感」「ヒリヒリ感」「つっぱり感」
などが主に報告されています。
このような症状に気づいたら、使用を中止して、早めに医師に相談しましょう。
飲み薬ではないので、重篤な副作用を招く可能性は低いと言えますが、まれに「腹痛」「下痢」「発熱」などが起こることがあり、「偽膜性大腸炎などの血便を伴う重篤な大腸炎」を起こす場合もあるので注意してください。
使用上の注意
眼科用の軟膏ではありませんので、目にいれないように注意して使用しましょう。
乳幼児、小児の手の届かないところで、直射日光や高温、湿気を避けられる場所に保管するようにしてください。
顔に塗る場合には、スキンケアを行った後に塗布すべきという意見と、スキンケアを行う前に塗布すべきという意見があります。
スキンケアを行った後にすべきという意見には、
・「先に塗布すると顔全体に塗りひろげることになってしまうので、よくない」
という理由があります。
スキンケアを行う前に塗布すべきという意見には、
・「化粧水や乳液の油分が薬の浸透を妨げるから薬が先」
という理由があります。
主治医に相談して、肌の状態をみて判断しましょう。
注意してほしい、ニキビに自己判断での使用法
市販薬ではありませんので、皮膚科の医師などに処方箋を記載してもらって、購入するお薬になります。
自己判断で、ネットで購入して安易に使用するようなことは、絶対に辞めましょう。
また、医師に処方されて使用している人であっても、
・「早く治そうと、1日2回以上使用している」
・「たくさんの量を塗ったり、予防のために広範囲に使用している」
・「治った後も使用し続けている」
・「以前に処方されたお薬を、新しくできたニキビに使用している」
などという方もいらっしゃるようですが、この使用法は誤りです。
なぜこのような使い方をしてはいけないのかを説明しますね。
【ダラシンTゲルを安易に使用し続けてはいけない理由】
もともと人間の肌にはたくさんの種類の菌が生息しています。
正常な肌とはこのうちの「善玉菌」とよばれる良い菌と「悪玉菌」とよばれる悪い菌が、バランスよく存在している状態です。
ニキビができるのは「悪玉菌」が優位になっている状態のときです。
「ダラシンTゲル」などの抗生物質を使用すると、「悪玉菌」を殺すと同時に「善玉菌」も殺してしまうため、確かに一時的な効果はありますが、お肌にとってけっして最善の方法であるとは言えません。
また、抗生物質は使い続けることにより、耐性菌ができてしまい、そのお薬が効かなくなってくるということが報告されています。
お薬自体の説明書にも4週間使用して効果のない場合は、中止することとの記載があります。
このような理由から総合的に判断して、安易に使用し続けることは避けるべきです。
さらにお薬自体には有効期限があり、刻印されている日時は開封しない状態での有効期限なので、開封後の期限は薬剤師などに確認するべきです。
古いお薬を使用するのはアレルギーなどを起こす危険を伴いますので、お勧めできません。
お薬を使わずにニキビを治す方法とは
ニキビは病気というより、ひとつの生理現象といえるかもしれませんね。
軽いものでしたら、洗顔を中心としたセルフケアで治ることが多いですが、大きく赤く腫れたニキビがたくさんできて、あばた状の跡を残してしまうような場合には医師に相談して、お薬を使うことも必要かもしれません。
ただし、その場合でもセルフケアは必要になります。
いくつかポイントをあげてみましょう。
【洗顔】
洗顔には「角質を除去して皮脂を洗い流す」という大切な意味がありますので、朝と入浴時の2回、洗顔石鹸を使用して丁寧に洗顔しましょう。
蒸しタオルを顔にあてて、毛穴を開いてから洗顔するのもよい方法ですね。
【刺激を与えない】
物理的な刺激や圧迫はニキビを悪化させますので、患部にむやみに触るのは辞めましょう。
髪が肌に刺激を与えている場合は、髪をまとめるとか髪形を変えるなどの対応をするとよいでしょう。
また、頬にニキビがある人は、頬づえをつくのはやめたほうがいいようです。
【メイクは控えめに】
お化粧はニキビを刺激しますし、皮脂を閉じこめてしまいますので、できるだけ控えるようにしましょう。
パウダータイプなど影響の少ないものを選ぶと良いかもしれませんね。
寝る前にはメイクや日焼け止めクリームをきちんと落とすことも大切です。
【規則正しい生活】
規則正しい生活を送ることが基本となります。
夜ふかしやストレスを避け、食生活に気を配り、便秘などにも注意しましょう。
まとめ
ダラシンTゲルは、リンコマイシン系の抗生物質であり、ゲル状の軟膏剤になります。
使用した際に副作用として、
・「かゆみ」「発赤」「じんましん」「刺激感」「ヒリヒリ感」「つっぱり感」
などの症状が現れたら、使用を中止して早めに医師に相談しましょう。
また、自己判断で安易に長期間使用し続けたり、多量に使用することは、肌に悪影響を与える場合もあるので、決められた用法・用量をしっかり守りましょう。
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