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空腹時の胃痛の原因となる3つの病気と治療法をご紹介!

   

空腹時に胃が痛むということは、胃の中に消化するものがない状況で、胃液が胃を刺激することにより、痛みを感じていると推測できます。

では、どのような病気が原因として考えられるのでしょうか。

今回は、空腹時の胃痛の原因となる病気と治療法についてご紹介いたします。

中には放置しておくとよくない病気もありますので、代表的な病気をあげて詳しく説明したいと思います。

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慢性胃炎

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(発生の原因)

原因のほとんどがピロリ菌感染であることが明らかになってきています。

 

(症状)

空腹時に「上腹部の不快感」「膨満感」「食欲不振」などの症状が現れ、炎症症状が強い時には「吐き気」や「上腹部通」などが起こることもありますが、人によって症状がさまざまであることが多いようです。

そのため症状だけでは「慢性胃炎」だと診断することはできず、内視鏡検査を行って胃粘膜の萎縮所見を診ることにより、この病気だと診断されます。

 

(治療方法)

あまり心配する必要のない病気ですので、症状があれば治療を受けるという対処法でよいと言えます。

ただ他の病気(胃がんなど)に進展する場合も考慮して、定期的な検診は必要です。

症状が強い場合は、ピロリ菌の除去も治療の選択肢の一つになります。

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胃酸過多症

(発生の原因)

「胃酸」は胃の粘膜に存在する壁細胞から胃の中に分泌される塩酸なのですが、この塩酸が過剰に分泌されることにより、胃内酸度が異常に高い状態になった状態が「胃酸過多」です。

「胃潰瘍の一部」「十二指腸潰瘍」などの疾患が原因となりこの病気を招くこともありますが、特に注目されているのは

・「自律神経が原因のストレスによるもの」

・「高ガストリン血症によるもの」

です。

ちなみに「ガストリン」とは胃の幽門前庭部の細胞から分泌される体内ホルモンで、胃酸の分泌を促す働きがあります。

 

(症状)

食後2~3時間後に「胃部の不快感」「胃痛」を感じたり、空腹時に多量に分泌される胃酸が起こす「みぞおちの痛み」「胃痛」「胸焼け」などを感じたりすることがあります。

 

(治療方法)

疾患が原因となっているのであれば、疾患の治療を優先します。

ストレスを軽減させることも重要ですね。

 

症状を抑えるために「プロトンポンプ阻害薬」「H2受容体拮抗薬」などの胃酸分泌抑制薬を使用することもあります。

「胸やけ」や「呑酸(胃液が胃から口へこみあげること)」がみられれば、空腹時や症状が出現した時に牛乳を飲むなどの対策が有効となります。

日常生活においては、香辛料、コーヒー、アルコールなどの、胃酸の分泌を促す食品を控えるようにします。

 

胃潰瘍・十二指腸潰瘍(消化性潰瘍)

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※「胃潰瘍」と「十二指腸潰瘍」をあわせて「消化性潰瘍」と呼びます。

(発生の原因)

胃や十二指腸の粘膜は、強い酸性の胃酸や消化酵素(ペプシン)を含む胃液にさらされており、胃液によって粘膜が傷つかないようにできています。

しかし、この機能が傷害されてしまうと、粘膜が傷つき胃液の攻撃にさらされることで、胃や十二指腸の粘膜や組織の一部がなくなってしまうことが原因となります。

機能を傷害する原因としては「ピロリ菌」や「「非ステロイド系抗炎症薬」などが挙げられます。

 

(症状)

自覚症状で最も多くみられるのは上腹部痛であり、「十二指腸潰瘍」では空腹時痛(特に夜間)がよくみられ、「胃潰瘍」では、食後30分から1時間たったあとの上腹部痛がよくみられます。

ひどくなると「吐血」や「下血(便に血が混じること)」を生じます。

潰瘍が深くなって「穿孔(粘膜に穴が開いた状態)」を起こすと、胃の内容物や胃液などがお腹の中にもれ出てしまい、「腹膜炎」が起こるケースもあります。

 

逆に再発と治癒を繰り返すことによって、潰瘍部分が変形して「狭窄」を起こし、食物や胃液などの胃の内容物が腸へ流れていかなくなり、胃の中にたまって嘔吐を繰り返すこともあります。

「狭窄」は特に「十二指腸球部」呼ばれる部分の潰瘍で起こりやすい症状であると言えます。

 

(消化性潰瘍になりやすい人とは?)

「胃潰瘍」は中高年者、「十二指腸潰瘍」は青壮年者に多く発生する傾向がありますが、小中学生にも「十二指腸潰瘍」は増えているようです。

男女別では男性に多く、アルコールやたばこを多量に摂取する人や、生真面目な人、不規則な生活をおくる人、ストレスが多い人などがなりやすい傾向があります。

 

(消化性潰瘍の経過)

急速に生じる傾向があります。

しかし、食事療法や薬物療法で、速やかに治る病気でもありますし、自然治癒することもあります。

一方、再発もしやすいため、治っても「抗潰瘍薬」と呼ばれるお薬を使用し続ける必要があります。

再発と治癒を繰り返すことにより、危険な合併症をひきおこす可能性が高くなりますので、この点でも注意が必要です。

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(治療方法)

①安静療法・・・ストレスが誘因となることも多いため、生活スタイルをのんびりとしたものに変えるだけでも治ることがあります。

 

②薬物療法・・・以下のようなお薬が症状に応じて処方されます。

・制酸剤、抗ペプシン薬(胃酸やペプシンの消化力を抑えるため)

・抗コリン薬、抗ガストリン剤、粘膜麻酔薬、ムスカリン受容体拮抗薬、ヒスタミン受容体拮抗薬(H2ブロッカー)、プロトンポンプ阻害薬(胃酸やペプシンの分泌を抑えるため)

・粘膜保護薬(胃酸やペプシンから粘膜を防御し、潰瘍の治癒をはかるため)

・粘膜防御因子増強薬(粘膜防御機構を増強させるため)

・精神安定剤(ストレスを軽減させるため)

・ヘリコバクター・ピロリを除菌する抗生物質。

 

③食事療法・・・バランスの良い食事を定期的に摂取する、酒や煙草を辞める、刺激の強いものは控えるなどの内容が基本となります。

 

④手術・・・これらの治療を行っても改善されない場合や「穿孔」を起こした場合、大量出血で止血ができない場合などには、手術を行います。

 

まとめ

空腹時に感じる胃痛の原因には、

・慢性胃炎

・胃酸過多症

・胃潰瘍・十二指腸潰瘍(消化性潰瘍)

の3つが主に考えられます。

 

日々のストレスや、不規則な生活がこれらを引き起こすこともありますので、まずは生活を整えることを意識しましょう。

怖い他の病気(胃がんなど)に進展する可能性も考慮して、定期的な検診は必要ですね。

 

空腹時に胃痛を感じるときは、内科消化器内科を受診しましょう。

 

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