みぞおちのしこりが痛い原因!剣状突起?まさかガン!?
「みぞおち」とは人間のお腹の上方中央にあるくぼんだ部分のことで、ちょうど胃があるあたりになります。
人間の「急所」であるとも言われており、この部分にできた「しこり」が痛いという症状は、気になりますよね。
今回は、みぞおちのしこりが痛い原因や対処法について詳しく説明しましょう。
ほとんど心配のないケース
みぞおちのしこりが必ずしも危険な病気だとはかぎりません。
まずは、心配のないケースからご紹介します。
剣状突起
「しこりがあって、押してみるとちょっと痛い」という場合、そのしこりは「剣状突起」である可能性が高いと思われます。
骸骨の模型などをみるとよくわかるのですが、肋骨が胸の前であわさっている部分に「胸骨」という縦に長い骨があり、その下にくっついているのが「剣状突起」です。
誰にでもあるものなので、心配はいりません。
「今まではなかったはずなのに急にあらわれた」などと心配する方もいらっしゃるようですが、人によって目立つ人もいれば、目立ちにくい人もおり、状況によっても変化してきます。
例えば、痩せて皮下脂肪が減った場合には埋もれていた剣状突起が目立つようになってきますし、年齢を重ねることより、もともとは軟骨である「剣状突起」の骨化が始まって、硬く触れるようになることもあります。
このようなケースはまず、心配は要りません。
ちなみに、この「剣状突起」は案外もろく、強い力で押すと折れてしまう事もあります。
あまり気にしすぎて、触りすぎないように注意しましょう。
漏斗胸
もう一つ考えられる原因は、「漏斗胸(ろうときょう)」という前胸部がへこんでしまう病気です。
全体の7割くらいは子供の頃に発症するといわれており、へこみの状態は人によってそれぞれ違います。
・「風邪をひくと咳などの症状が長引く」
・「食が細い」
・「運動をするとすぐバテてしまう」
などの症状もあり、状況に応じては手術が必要になる場合もあります。
心臓や肺の機能に影響がないのであれば、あまり深刻な事態でないと言えますが、一度専門の医師の診察を受けてみるといいかもしれません。
注意して対処すべきケース
もともと「みぞおち」の部分にしこりがあっても、なかなか自分でみつけることはむつかしいようで、「健康診断」などで医師によって発見されることが一般的です。
「しこり」がみられる場合には、次のような病気の可能性があります。
肝臓がん
悪性度の高い癌ですが、早期発見により生存率は著しく向上します。
初期段階では、ほとんど自覚症状がないため、症状があらわれた時にはかなり進行しているケースが多いようです。
(肝臓がんの症状)
右上腹部のみぞおち付近を触るとコリコリとした「しこり」に触れることがあります。
他には、
・倦怠感、出血しやすい、腹水、黄疸、吐血や下血、貧血、意識障害
などの症状がみられます。
すい臓がん
進行が早いのとは対照的に、症状が乏しく、発見がむつかしい癌です。
比較的早期にすい臓がんが発見された患者さんのうち2割はまったく自覚症状がなかったという調査報告もあります。
(すい臓がんの症状)
「膵頭部がん」の場合は大きくなった胆嚢を右上腹部に無痛性のしこりとして触れるようになります。
「膵体尾部がん」の場合は、「みぞおち」や「左上腹部」にかたいしこりを触れますが、押さえた時の痛みはあまりひどくありません。
他には、
・腹痛、黄疸、背部痛、食欲不振、体重減少、全身倦怠感
などの症状がみられます。
胃がん
日本人に特に多い悪性腫瘍です。
50~60歳代の男性が患者の6割を占めており、「過食」「早食い」「喫煙」「飲酒」「塩分のとりすぎ」などによって、この癌にかかる危険度が高くなると言われています。
(胃がんの症状)
胃に「しこり」があるといっても一概に癌であるとはいえません。
肥満体型の人だと脂肪腫の可能性もあります。
仰向けになった時に感じる胃のしこりは、剣状突起が飛び出たように感じるだけだという場合もあります。
また腫瘍がある場合でも、小さなしこりなら、良性の腫瘍であることが多いと言われています。
ただし,
・「しこりの痛みがある」
・「しこりの大きさが5cm以上で大きい」
などの場合には悪性の可能性が高いと言えます。
胃がんが原因である「しこり」はよほど大きくならないと外部からはわからないと言われていますので、自覚できるようになった時点では、かなり進行が進んでいるとも言えるのです。
「しこり」以外の症状としては、
・胃が重い、食欲がない、体重減少、貧血、倦怠感
などの症状がみられます。
どちらにせよ、素人判断で正確な診断をすることは不可能ですので、一度病院を受診した方がよいでしょう。
まとめ
ほとんど心配ないケースと注意すべき病気に分けて説明しました。
心配ないケースだと思っても、自分できちんと区別できないこともありますので、他の症状があったり気になることがある場合には、やはり医師の診察を受けるべきでしょう。
もしも、
・短期間にしこりの形や大きさが変化した
・いつまでも消えない
という場合は注意が必要です。
万が一、がんだった場合は早期の発見が非常に大切です。
みぞおちのしこりが気になる時は、内科か消化器科を受診しましょう。
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