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胆嚢の摘出!手術後の後遺症はあるの? 

      2016/03/29

腹痛で一番痛いのが男性は胆石、女性は出産といわれます。

推定患者1千万人以上とも言われる胆石症は、食の欧米化により増えているとも言われ、無症状のケースも多々あります。

胆嚢の摘出手術をするとなった場合、手術のリスクと後遺症は気になりますよね。

今回は、胆嚢の摘出手術やその後遺症などについてご紹介させていただきます。

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胆石の手術について

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胆石の手術は基本的には全摘出です。

胆嚢摘出手術は胆石を除去し、痛みを取るための手術となることが多いです。

手術となるの症例では、胆石症、胆嚢癌胆嚢ポリープ等も摘出手術に該当する場合があります。

現在は腹腔鏡下胆嚢摘出術という、身体に負担の少ない手術が主流になりますが、、胆石の状況や患者さんの状態によって開腹手術を行う場合もあります。

また、どうして全摘出になるのかというと、

・炎症が起こっていて、機能していない

・癌を併発している場合もある

・胆石が再度形成される危険性がある

などの理由からです。

 

胆嚢は、胆汁を溜めて置き、必要に応じて十二指腸に送る働きがあります。

しかし、胆嚢自体が胆汁を作っているわけではないので、全摘出しても胆汁は十二指腸に送られます。

 

胆嚢摘出の合併症について

胆嚢摘出手術は、比較的後遺症や合併症のリスクが低い手術です。

日本消化器病学会のガイドラインでは年々胆石症の患者は緩やかな増加傾向にあり、それに伴い手術を受ける機会も増えているようです。

1990年から2005年までの254,205症例の内、合併症が発生したのは約5%ですが、手術を受ける方はこの数字は気になりますね。

 

手術中に起こる合併症というのは、

・脂肪が多かったり、炎症が強力だと患部の出血が起こったり、

・胆管の損傷、胆汁の流れが悪くなって黄疸や発熱症状が出る可能性、

・腹腔内に胆石が落ちて、膿が溜まったり

などが考えられます。

また、既往症がある場合や炎症の程度にもよりますが、他臓器への癒着が広範囲だと、腹腔鏡下手術から開腹手術に移行するケースもあります。

 

その他、手術に纏わる合併症としては、

・全身麻酔による呼吸器合併症

・腹腔鏡下手術の場合、炭酸ガスを腹腔内に充満させる方法が多く用いられていますが、そのガスが皮下に漏れて生じる皮下気腫胆汁瘻

・傷が化膿する創感染

などのリスクがあります。

 

しかし、前述したように胆嚢の摘出手術はリスクは低い手術といえます。合併症自体は全体の5%ですが、重大なものは0.01%以下です。

いずれにしても、早期発見・早期治療を心がけて、症状がひどくならないうちに医療機関で受診しましょう。

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手術後の後遺症について

胆嚢摘出後症候群

胆嚢を摘出した後でも、胆石症のような症状が出ます。原因は胆道の運動異常によるものです。

具体的な症状は、発熱、吐き気、上腹部の痛み、下痢や便秘、といったものです。

内服薬で治療が可能ですので、術後に上記の症状が出たら医師に相談しましょう。

 

腸閉塞

手術時に、一旦停止した腸管の運動が再開するのが遅れ、麻庫性腸閉塞になる可能性もあります。

また、手術の際に、腸管の癒着が起こって、腸閉塞の原因となることもあります。

 

予防として、手術の翌日から少しは歩くようにし、腸管の運動を促しましょう。

腸閉塞の症状は、吐き気、腹痛、腹部のはり、などです。

退院後、上記の症状があれば、医師に相談してください。

 

下痢

胆嚢を摘出した後は、脂っこい食事をとると下痢を起こしやすくなります。

これは、胆嚢が無くなったせいで、必要な量の胆汁を十二指腸にうまく供給できないことが原因です。

 

その他の後遺症

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他にも術後の後遺症としては、

・患部の出血

・胆汁が漏れ出る

・傷口からの感染症

・肩こりに似た肩の痛み

などが考えられそうです。

基本的に普通に生活していれば問題ありませんが、気になる症状がある場合は必ず医療機関を受診するようにしてくださいね。

 

手術後の症状についてのまとめ

胆嚢摘出後、ほとんどの方は問題なくいつも日常生活に戻ることが出来ますが、もし腹痛が出た場合には医療機関を受診してください。

胆嚢摘出したから、消化吸収が低下してしまうのではないかと心配する方も見えますが、そのようなことはありません。

但し、胆嚢を取り除くと便の水分が増加し下痢になるケースがあります。

また摘出前にはなかった腹部の症状が現れることもあるので気になる方は主治医に相談してくださいね。

 

食生活や生活上の注意点

胆嚢摘出後、比較的早く日常生活に戻ることが可能です。

しかし、手術ですので重たいものを持ったり、身体に負荷がかかり過ぎるような日常動作は避けてくださいね。

 

食生活については、一部下痢になりやすい方が見えるので、卵やバター、脂身の多い肉、天ぷらなど脂肪分やコレステロール値の高い食事には気を付けてください。

個人差がありますが、この下痢の症状は大体3ヶ月位で落ち着いてくるそうです。下痢が長引く場合は、主治医に相談してみましょう。

また、年末年始など、人の集まりが増える時期のアルコールの飲み過ぎも注意しましょう。

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胆石の再発防止に努める

胆石症で気を付けたいのは、やはり食生活です。

急激なダイエット高脂質の食事内容には気を付けてください。

ダイエットのように急激に体重が減ると、胆石形成のリスクが上昇するというデータがあり、炭水化物や糖質過多や動物性脂肪の過剰摂取などもハイリスクになります。

生活習慣病にも繋がりやすくなるので、気を付けたいポイントです。

胆石のリスクを下げる食品は、

・果物や野菜

・植物性たんぱく質や食物繊維

・青魚

・ナッツ類

などがお勧めです。ぜひ意識的に摂取するように心がけましょうね。

 

まとめ

臓器を摘出するとなれば不安になると思いますが、胆嚢の摘出手術や後遺症は低リスクなものです。

術後も比較的早めに日常生活に戻る事が出来ます。

 

胆石は痛みが特徴なのですが、全ての方に痛みが出るわけではなく、半数の位というデータもあります。

症状は、悪心や嘔吐、背中や肩の痛みなどが出るケースもあり一見胆石とは分からなさそうです。

大切なのは、重症化する前に早期に発見することです。

 

胆嚢摘出の後遺症については、手術を行った病院で相談しましょう。セカンドオピニオンをする場合は、消化器内科で受診してみましょう。

 

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