視力低下の原因は病気かも!?症状別に対処法もご紹介!
2016/07/18
眼科クリニックで看護師をしてる知人に聞いたのですが、視力低下を訴えて来院する患者さんがほとんどが、「眼鏡さえ変えれば見えるようになる」と思っているそうです。
しかし実は、重い目の病気があり、いくら眼鏡の度数を変えても見えないのだと理解していただくのに、長い時間を要することもまれではないそうです。
今回は、「視力低下の原因」について詳しく説明しましょう。
屈折異常
いわゆる「近視」「遠視」「乱視」の状態です。
・適切な眼鏡やコンタクトレンズを使用する
・レーシックの治療を行う
などの方法で対処すれば、きちんとみえるようになることがほとんどです。
「レーシック」とは、レーザーを角膜に照射して、屈折力を調整することで「近視」「遠視」「乱視」を矯正して、眼鏡やコンタクトレンズを使わずに見えるようにする手術のことです。
近年、安全性を疑問視する声もありましたが、きちんとした病院で適切な処置を受ければ、問題ないようです。
老視
いわゆる「老眼」のことです。
「老視」は屈折異常ではなく、調節力の衰えによる弊害です。
年配の方には耳の痛いお話ですが、若い頃は遠くにも近くにもピントをあわせられる調節力があったのに、年齢を重ねるに従ってそれが無くなってくるのが原因です。
「老視」の症状としては、近くが見えにくくなりますが、心理的に回避したいという思いが強く「私はまだ、近くが見えます」と無理して言い張る方が多いそうです。
ちなみに、近視の方は「老視」にならないのかという質問をよく受けますが「近視」の状態に隠れてわかりにくいだけであり、眼鏡や普通のコンタクトを使用して「近視」を矯正すれば、しっかりと「老視」の症状が現れることもあります。
いわゆる老眼鏡と呼ばれる眼鏡や、遠近両用の眼鏡などを使用する必要があります。
遠近両用のコンタクトレンズを使用するという選択肢もあります。
眼鏡やコンタクトで改善しない目の病気
視力低下の原因には、目が傷ついていたり感染症をおこしていたりと、治療を必要とする場合もあります。
放置すると失明する病気もありますので、あらかじめ知っておきましょう。
角膜の病気
眼の黒目の部分です。
特にコンタクトレンズの不適切な使用によって起こる「角膜潰瘍」が多くみられます。
他にも真菌(水虫の菌)による「角膜真菌症」や「角膜ヘルペス」などの角膜感染症、「ドライアイ」や、遺伝性のある「角膜ジストロフィ」、「角膜変性」などの病気があります。
透明度が保てなくなったり、表面がでこぼこになったりして、視力低下を起こします。
点眼薬などによって治療を行いますが、重症の場合は「角膜移植」などの手術が必要になる場合もあります。
白内障
眼科ではもっとも多い病気だと言えるかもしれません。
眼の中にある「水晶体」というレンズが曇ってしまうことにより「視力低下」を引き起こします。
白内障の原因として最も多いのは加齢によるもので、早い人は40歳くらいから発症するそうです。
年配の方に多い病気ですが、アトピーや怪我によって若い方にも起こる場合があります。
一度発症してしまうと、薬では治りませんので、手術が最善の治療となります。
緑内障
目の中を循環している「房水」という液体の流れのバランスが崩れたために、目の中の圧力が上がってしまうことによって起こる病気です。
「視力低下」も起こりますが、
・見える範囲が狭くなる
という症状の方が特徴的です。
この病気になった方の中には視力は1.2あるのだけれども、顔を動かして見える範囲を探さないと見えないという方もいらっしゃいます。
点眼薬、手術などの治療方法がありますが、なかには急性の発作を起こす人もいますので、注意が必要です。
網膜の病気
眼の一番後ろ側にある「網膜」という部分の病気です。
「視力低下」に加えて、
・ものが歪んで見える
・中心に暗点があり、見たいところが見えない
などの症状が出ることがあります。
特に「糖尿病」の持病がある方は注意すべきでしょう。
また、意外と健康な方にも起こりやすいのは「網膜剥離」です。
特に原因もなく網膜に穴が開いたり、剥がれてきたりする病気で、放置しておくと、かなりの確率で失明を招きます。
緊急手術などを行い、早急に対処すれば失明を防ぐことができますので
・急に見えにくくなった
・一部が見えにくくなった
などの症状に気づいたら、そのうちになどと考えず、すぐに眼科を受診しましょう。
実際にこの病気で、来院される患者さんは、気軽な気持ちで来院し、急に入院して手術だと言われ、「明日はどうしても仕事に行かないといけないので、後日にしてほしい」と懇願されたりします。
看護師として対応が困難な眼の病気でもあります。
その他・放置してはいけない「視力低下」
上記した以外でも緊急性があるのは「脳梗塞」や「脳動脈瘤」「脳出血」などの頭蓋内病変で、見え方に異常が現れているケースです。
症状はさまざまですので、一概には言えませんが、
・ものが二重にみえる
・まぶたが下がってくる
・一部が見えない
などの症状を訴えて来院されることがあります。
患者さんはまさか脳の病気だと思わないため、眼科を受診されることが多いようです。
その場合、早急に脳神経外科に紹介状を記載することになります。
また、視力発達の途中(8歳くらいまで)において、何らかの原因で、ものをきちんとみることができないと、視力の発達が遅れて「弱視」という状態になることがあります。
原因としては「白内障」「屈折異常」「斜視」などが考えられますが、「弱視」になってしまうと、例えこれらの原因を取り除いても、ものがはっきり見えない状態になってしまいます。
3歳児検診で行う視力検査が発見のきっかけとなることが多いようですが、早めに治療を行えば、視力を回復できますので、ご家族の方が速やかに対応してあげてください。
まとめ
視力低下の考えられる原因を挙げてみましたが、実際にはいくつかの原因が混在しているケースが多いようです。
きちんと診察を受けて、適切な対応をとることが重要だと言えますね。
特に、急に見えにくくなったように感じた時は、そのうちと思わず早急に眼科を受診しましょう。
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