ホスピタルランド~病気の症状から考える早期発見ブログ~

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遠視の原因や治療ついて!子供は特に要注意!

   

「遠視」は「屈折異常」という状態の一つで、さまざまな理由により、本来は、目の中の網膜にある「黄斑部」というところに合うはずの焦点が、目の後ろの方によってしまうために、ものが見えにくくなっている状態を指します。

「近視」の仲間ではありますが、実は「近視」以上に対応がやっかいな状態でもあります。

今回は、遠視の原因や治療について詳しく説明していきましょう。

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目の構造はどうなっているの?

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http://www.civillink.net/fsozai/eye.html

眼球の構造として、一番前の表面にあるのが「角膜」で、その後ろに「水晶体」という虫メガネのレンズみたいな凸レンズがあります。

この「水晶体」を支えているのが「毛様体」という組織で、この組織には「水晶体」の厚みを変化させる調節機能があります。

 

その後ろには「硝子体」という透明な組織があり、これが眼球の大部分を占めており、一番後ろに「網膜」という膜があります。

「網膜」において、明るいところで視力や色を認識するための細胞が最も集まっている部分を「黄斑部」と呼び、視力を保つうえでもっとも大切な部分とされています。

 

遠視が起こる理由とは?

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http://www.civillink.net/fsozai/eye.html

冒頭で、「黄斑部」に合うはずの焦点が、後ろの方によってしまうため、見えにくくなると説明しましたが、こうなる理由は二つあります。

 

一つは「目の長さが短すぎる場合(軸性遠視)

これは、簡単に言うと生まれつき眼球が小さいことによるものです。

 

二つ目は「角膜や水晶体の屈折力が弱すぎる場合(屈折性遠視)

こちらは、生まれつき眼球の調整力が弱いことでおこります。

 

遠視の理由としては「軸性近視」がほとんどであると言われています。

 

両者に共通して言えるのは、どちらも生まれつきだということです。

遠視には、大人になってからなるという後天的なものはありません。

大人になってから遠視になったと思うときは、加齢によって遠視の症状が進んだせいで遠視に気づいただけです。

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遠視がやっかいだと言われる理由とは?

遠視がやっかいなのは、遠くの物だけでなく、近くの物も見えにくいという点です。

「私は遠視だけど、遠くはよく見える」という方もいらっしゃるかもしれませんが、それはたぶん遠視が弱い度数のせいでしょう。

 

例え弱い度数でも、遠視の人の目は、遠くを見るときには水晶体を膨らませる努力をして見ていますし、近くを見るときにはさらに強い努力をして見ています。

この努力のせいで、「眼が疲れる」「年齢を重ねるごとに見えにくくなってきた」などの症状が起こるのです。

 

特に、近くを見るときにはかなり努力をしているため、遠視の人は早めに「老眼」の症状が出てきます。

 

また、遠視が強く調節に伴った輻輳(両眼を鼻側によせる動き)のために、「内斜視」という病気を起こすことがあります。

内斜視になると、見た目でいえばいわゆる寄り目になってしまいます。

 

深刻な子供の遠視について

さらに深刻なのは、子供の「強い遠視」における弊害です。

子供の頃に「近くも遠くもはっきり見えない」という状態が続くと、脳へきちんとした映像が送られずに、映像を分析する脳の働きが育たないため、「弱視」という状態になる可能性があります。

こうなると例え眼鏡やコンタクトを使用しても、見えるようにはなりません。

早めに眼鏡を作って、脳に刺激を与えないと取り返しのつかないことになります。

 

ただし、ほとんどの子供の目は軽い遠視状態であるため、成長に従って目の長さが伸びるに従い改善されますので、軽度であれば問題ありません。

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遠視の治療・予防・対策などについて

*≪視力回復トレーニング≫

あまり効果がないと言う眼科医の意見が多いようです。

特に弱視の可能性がある子供の強い遠視に対しては、早急な対応が必要になりますので、まずは眼科で相談するべきでしょう。

 

*≪眼科において行われる治療・対策≫

・眼鏡やコンタクトを使用する(治療というよりは対策になりますね)

「遠視」の方が眼鏡をかけたがらないのは、遠視用のレンズの特徴として、「目が大きく見える」という特徴があるからです。

自然に大きく見えるのなら問題ないのですが、強い遠視の場合は、まるで虫眼鏡をかけたみたいに、不自然に拡大されてしまいます。

おしゃれに敏感な人たちにとっては、遠視の矯正はコンタクトが主流であると言えます。

 

・レーシック

目の表面の角膜にエキシマレーザーを照射して、視力を矯正する手術です。

「近視」の場合は、角膜の表面を削り取る処置を行いますが、「遠視」の場合は角膜のまわりを深めに削ることにより、角膜の中心部を盛り上げて屈折力を高くすることにより強制を行います。

「遠視」による適応は「近視」ほど数が多くないため、「近視」ほど精度が高くないという意見もあります。

 

・オルソケラトロジー

夜、オルソレンズと呼ばれる特殊なコンタクトレンズを装用して眠ることにより、角膜の形を変えて、視力を改善する方法です。

一般的には「近視」に対して使用されており、「遠視」への適応は多くありません。

なぜなら「近視」を治療するのには、角膜を平らにすることで効果が得られるのですが、「遠視」を治療するためには丸みを強くしなければならないからです。

丸みを強くする方がはるかに難しく、あまり丸みを強くするとレンズと角膜の間に空気が入り込んでしまうと言う問題点もあるためです。

 

・眼内レンズの挿入

すでに白内障などの病気が進行している場合、白内障の手術を行う際に目の中に入れる「眼内レンズ」の種類を選択することにより、「遠視」を改善できる場合があります。

 

・フェイキックIOL

眼内レンズを挿入することで視力回復させる方法です。

ただし、白内障の場合と違い「水晶体」を残したまま、レンズを挿入します。

 

まとめ

遠視は、大人になってからなることはなく、先天的な体質や遺伝によるもです。

 

遠視の主な特徴としては、

・遠くだけでなく近くも見にくい

・目が疲れやすく、頭痛も起こりやすい

・内斜視(寄り目)になる可能性がある

があげられます。

 

子供に対しては、特に注意してあげましょう。

もし、弱視になってしまったら勉強もスポーツもかなりの支障を伴ってしまうので、早めの対処が大切です。

 

遠視かな?と思ったら、眼科を受診しましょう。

 

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