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弱視の原因と治療について!子供は早期の対処が重要!?

   

「弱視」だと言われたお子さんを持つ保護者の方は、強いショックを受けて、まわりの方の助言に右往左往し、間違った治療方法を自己判断で勧めてしまう方も多いようです。

弱視についてはどんな対応が求められるのでしょうか?

今回は、弱視の原因と治療について詳しく説明したいと思います。

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「弱視」って何?

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社会的・教育的な意味では「矯正視力0.04以上、0.3未満」の状態をさします。

「矯正視力が」と言う点がポイントであり、眼鏡をかけない状態での視力が0.04であっても、眼鏡をかけると1.5見えるのなら「弱視」とは言いません。

 

一方、医学的な意味では、「一眼、または両眼に、斜視や屈折異常(近視・遠視など)があったり、形態覚の遮断(眼瞼下垂や先天性白内障など)が原因で生じたりする視機能の低下」だとされています。

医学的な意味から考えると、例え眼鏡をかければ0.8見える状態であっても、なんらかの原因で視機能が低下しており、本来の矯正視力が1.2なのならば「弱視」であることになります。

 

「弱視」は遺伝するの?

病的な弱視(目の病気などによるもの)は遺伝する場合もありますが、屈折異常によるものは、遺伝が原因である可能性は低いと言われています。

 

視力の発達に必要なこととは?

まずは、眼球そのものにや、眼の神経に異常がないことが第一条件です。

さらに網膜の「中心窩」という重要な部位に、きちんと像を結ぶことのできる状況が必要になります。

生まれたばかりの時には、視力の発達は不十分であり、子どもの時にこの状況が確保できないと、視機能が正常に発達しなくなります。

視機能が発達する期間を「感受性期」と呼び、最大でも10歳ごろまでだと言われています。

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「弱視」の原因とは?

①不同視弱視

もっとも多いタイプの「弱視」であり、左右の目の屈折に差があり、屈折異常の強い方の目の中心窩に焦点が合わないため、「弱視」になります。

「遠視性」のものが多いとされており、片眼の視力が良好な場合が多いようです。

治療に対する反応はよいようです。

 

②屈折異常弱視

両眼に中等度から高度の屈折異常があり、両目の中心窩に正常な像を結べないまま成長するため、両眼の視力が未発達な状態である「弱視」です。

「遠視性」のものは程度が軽い傾向がありますが、「強度近視」の場合は、治療に対して反応が悪い傾向があります。

 

③斜視弱視

斜視があり、片眼のみでものを見るようになってしまった場合、斜視眼では中心窩でものを見なくなってしまうために生じる「弱視」です。

早期の発見治療が必要で、治療しても、両眼視機能(両眼で同時にものを見る能力)の異常は残存することが多いとされています。

 

④微小斜視弱視

ごく小さな斜視角の斜視があり、片眼の「弱視」を引き起こすものです。

軽度のことが多いですが、立体視の機能がやや劣ると言われています。

 

⑤形態覚遮断弱視

「眼瞼下垂」「先天白内障」「角膜混濁」「硝子体混濁」などが原因で、目をふさいだ状態になっていることにより、網膜そのものに像が結ばないことが原因で起こる「弱視」です。

治療は原因疾患の除去が優先になります。早期の対処が必要だとされています。

 

⑥経線弱視

強い乱視があるために起こる「弱視」です。頻度はあまり多くありません。

 

弱視の治療・予防・対策とは?

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①眼鏡処方

原因が「屈折異常」の場合には、適切な眼鏡を作成します。

 

②完全遮蔽

視力が良い方の目を遮蔽して、悪い方の目だけでものを見る時間を作る治療法です。

これにより、発達が遅れているほうの目の視力の発達を促します。

片眼だけ視力の伸びが悪かったり、斜視でずれやすい方の目の視力発達が遅れている場合などに行います。

アイパッチ」と呼ばれる専用のシールを貼って行います。

視力の向上を得るためには、1日3時間以上の「アイパッチ」が必要であると言われていますが、たまに行っても効果はなく、少しずつでも毎日継続的に行う方が効果的です。

 

③不完全遮蔽

視力が良い方の目に「アトロピン」という目薬を点眼したり、眼鏡に半透明の遮閉膜を貼って、良い方の目を遮蔽します。

完全遮蔽すると眼振(眼球が痙攣したように動いたり揺れたりすること)という症状が出てしまう場合や、嫌がってアイパッチを使用できないケースなどに適応されます。

完全遮蔽より効果はやや弱くなりますが、まったく行わないことに比べれば有効な方法だと言えます。

「アトロピン」は瞳孔を開かせて、見えにくくするため「不完全遮蔽」を可能にするお薬ですが、顔面紅潮や発熱などの副作用の報告があり、非常にまぶしかったり、近くが見えにくかったりするため、保護者が的確な対処をすることが必要になります。

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弱視の治療の上での注意点

「眼鏡をかけたり、目をふさいだり、目薬で見えにくくするなんてかわいそう」などとおっしゃる保護者の方も多いですし、子供さん自身にとってもストレスの多い治療です。

実際、眼科クリニックでこの治療を行っていると、クリニックで説明を聞いたお母さんは納得し帰宅されるのですが、自宅で、おじいちゃんやおばあちゃん、お父さんにあれこれ言われて、やめてしまったりする方もいらっしゃるようです。

 

このままの状態を放置すれば、将来目の見えない大人になってしまい、日常生活や仕事などにおいて、数々の支障が出てくること、それを阻止できるのは、保護者の方だけだということをしっかりと認識していただきたいと思います。

 

そして、なにより弱視の治療にはタイムリミットがあります

人の視覚の「感受性期」である時期超えてしまうと治療が困難になり、反応しやすい年齢は8歳ぐらいまでだと言われています。

その後いくら努力しても見え方は改善しません。

しかも、できるだけ早く治療を開始したほうがよいとされています。

もし他の家族に納得してもらえないようなら、眼科クリニックなどでもう一度説明してもらえますので、相談してみましょう。

 

まとめ

弱視と診断されたら、まずは原因と状況をしっかり理解するようにしましょう。

なにより「弱視」の治療は、嫌がる子供さんを納得させることが、最大の難関であるとも言えます。

ちょっと古い話になりますが、ある子供さんが眼鏡をかけるのを嫌がってかけてくれないので、当時はやっていた「芸能人にそっくりで、かっこいいよ」と言ったところ、喜んでずっとかけてくれるようになりました。

お母さんにもずいぶんと感謝され、その後視力も改善した成功例の一つです。

眼鏡をおしゃれで可愛らしいものにしたり、場合によっては学校の担任の先生に相談してクラスで指導してもらったりすることも有効かもしれませんね。

 

弱視の診察や治療は、眼科でよく相談しましょう。

 

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