ホスピタルランド~病気の症状から考える早期発見ブログ~

病気の症状とは・・。症状から見て考えられる病気についてわかりやすく説明していきます。病気は私たちの身近な存在です。少しでも多くの人達がこのブログを見て早めの治療、早めの予防対策をして頂けたらと思います。                    

ものもらいはうつるの?人にうつる目の病気とは!

   

眼科クリニックで働いているスタッフがもっとも敏感に反応する病気は「他の人にうつる目の病気」です。

この病気たちの感染力はかなり強力でなので、スタッフにうつってしまえば仕事を休まなくてはなりませんし、入院中の患者さんにうつってしまえば強制退院をお願いしなければならない場合もあります。

まさにクリニックを大混乱に陥れる病気と言っても過言ではありません。

 

今回は、そんな恐ろしい「うつる目の病気」にはいったいどのようなものがあるのでしょう。

また、よく質問される「ものもらいはうつるのか?」という内容にお答えしたいと思います。

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ものもらいとは?

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関東では「ものもらい」と呼ばれますが、関西では「めばちこ」と呼ばれるそうなので、違う病気だと思わないでくださいね。

正式名称は「麦粒腫」といい、まぶたの細菌感染による「急性化膿性炎症」です。

原因となる細菌は「黄色ブドウ球菌」や「表皮ブドウ球菌」といったまぶたの常在菌(多くの人の体内に共通して存在し、普段は病気を起こさない微生物)がほとんどです。

 

ものもらいはうつるの?

結論から言うと「ものもらい」はうつる心配はありません

その理由としては

①ものもらいは「ウイルス」ではなく「細菌」が原因であること。

②細菌の中でも、多くの人の体内に共通して存在する「常在菌」が原因であることが多いこと。

の二つが挙げられます。

つまり、もともと体内に存在する菌が原因なので、うつることはないというのが理由なのですね。

 

けれども、裏を返せば「誰でもかかり得る病気である」とも言えます。

うつりやすい病気のように対策に神経質になる必要はありませんが、自分自身の免疫力が落ちていたりすると、同じ病気になりやすいとも言えます。

そのような場合にはタオルなどは別のものにしたほうがいいかもしれませんね。

 

ちなみに「うつる病気」だと勘違いされているのは、「ものもらい」という病名が「ものをもらう」と解釈されたため誤解されて広まったことや、夏にかかりやすい人が多く、流行していると思い込んでしまうためだと考えられています。

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うつる眼の病気とは?

うつる目の病気は「ウイルス性結膜炎」と言われており、以下の3つの種類があります。

 

はやり目(流行性角結膜炎)

<原因>

アデノウイルス8型、19型、37型、54型など

<症状>

充血、目やに、耳の前のリンパ節の腫れ、痛み、涙が出る(かなり激しい症状であることが多い病気です)片目の症状から始まり、両目へと広がっていく傾向が強いです。

炎症が激しいと、角膜の表面に点状の濁りが残って、病気が治っても「まぶしい」「見えにくい」などの症状が残ったりするので、途中で治療を辞めずに眼科で経過をみてもらうことが大切になります。

<経過>

潜伏期間は約1週間~10日、発症後5~8日ごろに症状がもっとも強くなり、その後徐々に軽快していきます。

<出席停止期間>

医師により感染のおそれがないと認められるまでになります。

はやり目(流行性角結膜炎)についてはこちらもご参考下さい。

はやり目(流行性角結膜炎)!症状や潜伏期間、完治するのはいつ?

 

プール熱(咽頭結膜熱)

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<原因>

アデノウイルス3型、7型、11型など

<症状>

充血や目やになどがみられます。

眼の症状は「はやり目」」よりは軽い傾向がありますが「咽頭炎」「発熱」などを伴い「はやり目」との厳密な区別が難しい場合もあります。

両目に起こることが多いようです。

<経過>

潜伏期間は約1週間で、発症後1週間程度で軽快します。

<出席停止期間>

主要症状が消退した後2日を経過するまで。ただし学校医その他の医師により感染のおそれがないと認められたときは、この限りではない。

プール熱(咽頭結膜熱)についてはこちらもご参考下さい。

プール熱(咽頭結膜熱)!症状と治療などを詳しくご紹介!

 

急性出血性結膜炎

<原因>

エンテロウイルス70型、コクサッキーウイルスAなど

<症状>

感染力が非常に強く、急激に症状が現れ、充血、目やに、結膜浮腫、まぶたの腫脹などがあらわれます。

白目の部分に点状の出血を起こすことから、この名前がついています。

両目に起こることが多いようです。

<経過>

潜伏期間は24時間と非常に短く、発症から約1週間で軽快します。

<出席停止期間>

医師により感染のおそれがないと認められるまでになります。

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うつる眼の病気に対する予防対策とは?

①できるだけ、眼のまわりを触らないようにしましょう。

眼を触った手で、触れた部分を他の人が触って、眼をこすったりすると簡単に感染します。

ちなみにこの病気にかかった患者さんは、眼科クリニックでは別の待合室に案内され、触った部分や座ったいすなどをすべて消毒されます。

トイレに行った場合も、蛇口やドアノブなどを消毒されるので、不愉快な思いをされる方もいらっしゃるかもしれませんが、それだけ感染しやすい恐ろしい病気であるということを自覚していただきたいと思います。

 

②手を石鹸と流水でしっかり洗いましょう。

アルコール消毒は実はあまり効果がないと言われています。

塩素系消毒薬を使用するのが望ましいのですが、皮膚や器具を痛める可能性もあり、あまり積極的に使用することはできません。

現実的な方法としては手洗いをしっかりすることがもっとも有効であると言えます。

 

③体力を落とさないようにしましょう。

ウイルスへの抵抗力が落ちていると簡単に感染してしまいます。

休養や睡眠をきちんととり、規則正しい生活を心がけましょう。

 

④学校や幼稚園は、医師の許可が出るまではお休みしましょう。

プールや温泉にはいるのも辞めましょう。

幼稚園の子供さんが感染した場合、働いているお母さんがなんとか許可してほしいと医師に懇願するケースがよく見受けられます。

お気持ちはわかりますが、他の人にうつすと多大な迷惑をかけることになります。

必ず指示されたことは守りましょう。

 

⑤タオルなどを別にして、お風呂は最後に入りましょう。

紙タオルを使用するのもよい方法であると言えます。

家庭内での予防ができないと、最悪の場合、家族全員が次々に感染して、病院を訪れることもあります。

感染した人の目薬を使用して、うつってしまったという笑えないケースもありますので、絶対に目薬を共有することはやめてください。

他の家族にも病気について周知しておくことが大切ですね。

 

まとめ

ものもらいは他人に感染する心配はありません。

 

うつる目の病気には、

・はやり目(流行性角結膜炎)

・プール熱(咽頭結膜熱)

・急性出血性結膜炎

が挙げられます。

上記の病気にかかってしまったら、あまり目のまわりを触らずに清潔に保つようにし、タオルの共有を避けるなど周りへの感染にも気を付けましょう。

お子さんの場合、学校や幼稚園は、医師の許可が出るまではお休みしたほうがいいでしょう。

 

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