プール熱(咽頭結膜熱)!症状と治療などを詳しくご紹介!
プールって子供は大好きですよね。
でもプールに入って遊んだ後、高熱がでたり、目が充血したり、のどが痛くなったりしていませんか?
もしかしたらそれはプール熱っていう病気が原因かもしれません。
プール熱って何?っていう方に今回はそんなプール熱に関して詳しくご紹介させて頂きます。
プール熱(咽頭結膜熱)とは
プール熱の正式名称は「咽頭結膜熱(いんとうけつまくねつ)」と言います。
プールなどの水からうつることが多いことから「プール熱」と呼ばれることが多いです。
プール熱(咽頭結膜熱)は、急性ウイルス性感染症で、6月頃から8月頃までがピークで発症するため、夏風邪の1つとしても知られています。
感染者は10歳以下の子供が9割以上を占めていることから、子供の夏風邪の病気とも言われています。
症状
プール熱(咽頭結膜熱)の代表的な症状はこの3つです。
・高熱
⇒急に高熱が発症して、3~7日と長く続きます。熱は38℃~時には40℃と高いのが特徴で、熱が長く続くことで脱水症状を引き起こす可能性もあります。
・咽頭炎(のどの痛み、腫れ)
⇒のどが真っ赤に腫れて、痛みをもたらします。扁桃腺炎などの症状もでることがあります。
・結膜炎(目の充血、痛み、目ヤニ)
⇒目は痛みやかゆみで目の結膜(白い部分)が赤く充血し、目やにがでたり、まぶしさを感じ涙がとまらなくなったりもします。目の症状は片目からはじまり、残りの目に広がっていく場合が多いようです。
症状としては、38℃~40℃の突然の高熱に始まり、のどの症状(咽頭炎)、目の症状(結膜炎)が同時に起こります。
熱は3~7日と長く、次にのどの痛みは3~5日、目の症状は3~5日と続きます。
また、その他にも、一般的な風邪の症状である、咳、鼻水、頭痛、嘔吐、下痢などの症状や耳のリンパ節が腫れたり、食欲不振や倦怠感などの症状も見られます。
原因はアデノウイルス
プール熱(咽頭結膜熱)の原因はアデノウイルスというウイルスです。
アデノウイルスはDNA遺伝子をもち、大きさが直径が約80nmのカプシド(正20面体)構造体を持っている小さな球形粒子のウイルスになります。
アデノウイルスは、風邪症候群を引き起こす原因が比較的多く見られるウイルスの一つでもあり、種類は51種類で、それぞれ発症しやすい病気や症状からA~Fの6群に分類されております。
その中でもプール熱(咽頭結膜熱)を最も発症しやすいのは「3型」になるのですが、他の型でもプール熱を発症するケースも多く確認されてるようになってきてます。
アデノウイルスは、夏場のプールでの感染が多いことから、プール熱(咽頭炎結膜熱)の原因ウイルスとして認知されています。
プールでの感染が多いので、夏場に発生しやすいことが多いですが、アデノウイルスには季節性がないので、一年中感染する可能性があります。
感染経路
感染経路は飛沫感染と接触感染、糞口感染の3つになります。
飛沫感染・・咳やくしゃみなどによって感染すること
接触感染・・さわったり、触れたり、間接的な接触により感染すること
糞口感染・・排泄物によって感染
プールではどのように感染するのでしょうか?
プール熱を持った子供が一緒にプールに入ると、ウイルスが水を介して広がり、ウイルスを含んだプールの水が目や口などの粘膜から体内に入り込みことによって感染します。
また、糞口感染もしますので、感染している子供がトイレに行った際、キレイにおしりをふかなかったり、手を洗わなかったりすると、そこからウイルスが水を介して広がっていきます。
そして感染するのは、プールだけではありません。
感染している子供が使ったおもちゃなどの貸し借りやタオルの共有などでも接触感染します。
また、飛沫感染するので咳やくしゃみなどによって直接触れなくてもウイルスは空気中にあり感染することもあります。
また、赤ちゃんのおむつ交換をする際に、糞口感染で感染することもあります。
治療
プール熱(咽頭結膜熱)には予防ワクチンや特効薬などはありません。
また、抗生物質も効かないので、発熱、のどの痛みといった出ている症状に合わせて緩和する治療しかありません。
38,5℃以上の熱がありぐったりしている時は解熱剤を使用し、のどの痛みや頭痛などにはうがい薬や鎮痛剤を使用します。
眼のかゆみなど結膜炎の場合は抗ヒスタミン薬や目薬を使用したり、目やにがひどい時にはガーゼを少し濡らし優しく拭き取ったりしましょう。
特に気をつけてほしいのは脱水症状です。
高熱が長く続く場合があるので体力を消耗し脱水症状を引き起こす可能性があります。
水分補給には十分注意して、こまめに水分を飲ませるようにしましょう。
のどの痛みがある場合は、少し冷たい飲み物の方が、ノドごしが良く飲みやすいかもしれません。
十分な睡眠と水分、栄養をとれるようにし、安静にしておくことが大切です。
高熱が続き不安になるかと思いますが、通常であれば1~2週間程度で完治する病気です。
しかし、水分をとれなかったり、高熱が下がらなく病状が悪化した時は、急いで病院へ連れていった方がいいでしょう。
予防
①シャワーをしっかり浴びる!
プール入る前や終わった後にはしっかりとシャワーを浴び、プールの水をキレイに落とすようにしましょう。
眼もしっかりと洗い流しましょう。
②タオルの共有はダメ!
タオルの共有は接触感染の原因となりますので、他人のタオルは使わないようにしましょう。
家庭でも一人一人違うタオルを使用するようにしましょう。
③うがい手洗い!
うがい手洗いは徹底的に行いましょう。
石鹸をつけて30秒ほどしっかり洗うようにしましょう。
最低でも帰ってきた際や、食事前、トイレの後には必ず手を洗うようにして下さい。
④おむつ替えには注意!
おむつ替えなどの排泄物の処理の時は注意が必要です。
感染中の場合には排泄物の中にウイルスがある為、ウイルスが飛び散らないように処理しなければなりません。
おむつ交換が終わりましたら、必ず手を石鹸で洗うようにしましょう。
⑤掃除は徹底的に!
家族みんながふれる所(ドアノブ、イス、トイレの便座など)にはこまめに消毒をするようにしましょう。
接触感染を防ぐ為です。
子供が使うおもちゃなども消毒するようにしましょう。
⑥マスクの着用!
咳やくしゃみにより飛沫感染しますので、看病する時はマスクを着用するようにしましょう。
感染している子供でも、マスクの着用ができるのであれば着用し、感染を防ぐようにしましょう。
登園について
プール熱(咽頭炎結膜熱)は、学校保健安全法の第二種に指定されている伝染病です。
規定では、
「熱が下がり、咽頭痛や結膜炎がなくなった後、2日経過したら登校しても良い」
ことになっています。プール熱に感染したら、学校や園に届け出るようにしましょう。
登校の許可に関しては医師の指導に従うようにし、家で安静に過ごすようにして下さい。
症状は個人差がありますので、無理に学校や保育園などに通わせるのはやめて、周りの子への影響も考えて十分に治ってから通わせるようにして下さい。
また、プールに入るのは症状が消えて、約1ヶ月程たってからにして下さい。
症状がなくなっても、約1ヶ月はウイルスが便の中にいます。
プールは子供は大好きで入りたいと思いますが、感染を防ぐためですので仕方ないですよね。
まとめ
いかがでしたか?
プール熱のことでわかったことをまとめました。
・主な症状は①高熱、②咽頭炎、③結膜炎の3つである。
・アデノウイルスというウイルスが原因。
・感染経路は飛沫感染と接触感染、糞口感染の3つ
・予防ワクチンや特効薬がないので症状に合わせて緩和する治療のみ
・予防はシャワーをしっかりあびるなどの6つの予防を徹底すること。
・プール熱は、学校保健安全法の第二種に指定されている伝染病になっている。
などがわかりましたね。
プール熱に感染したら、かかりつけの小児科や眼科を受診するようにしましょう。
感染力が強いですので、看病している大人も注意して感染しないよう、予防はしっかりして下さいね。
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