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強度近視(病的近視)は危険!病気や失明の原因にも!

   

「近視」の中で、特に近視の度合いが強いものを「強度近視」と呼びます。

強度近視は単に見えにくいだけでなく、さまざまな病気を合併する可能性があるため、注意が必要になります。

 

今回は、強度近視(病的近視)についてご紹介させていただきます。

ご自身の目が「強度近視」に当てはまるのかを確認し、当てはまるとすればどんなことに気をつければいいのか、詳しくみてみましょう。

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目の構造はどうなっているの?

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一番前にあるのが「角膜」で、その後ろに「水晶体」という虫メガネのレンズみたいな凸レンズがあります。

この「水晶体」を支えているのが「毛様体」という組織で、この組織には「水晶体」の厚みを変化させる調節機能があります。

 

その後ろには「硝子体」という透明な組織があり、これが眼球の大部分を占めており、一番後ろに「網膜」という膜があります。

「網膜」において、明るいところで視力や色を認識するための細胞が最も集まっている部分を「黄斑部」と呼び、視力を保つうえでもっとも大切な部分とされています。

そのすぐそばには「視神経乳頭」という部分があり、ここから「視神経」がのびて脳へ刺激が伝わるしくみになっています。

 

「近視」ってそもそも何?

「近視」は「屈折異常」という状態の一つで、本来は、目の中の網膜にある「黄斑部」というところにあうはずの焦点が、前の方によってしまうために、ものが見えにくくなっている状態を指します。

こうなる理由は二つあり、

一つは「目の長さが長すぎる場合(軸性近視)

二つ目は「角膜や水晶体の屈折力が強すぎる場合(屈折性近視)

だとされています。

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「強度近視」ってどういう状態なの?

「強度近視」とは、屈折度数の単位D(ジオプター)が-6D以上ある重度の近視状態を指します。

「ジオプター」自体耳慣れない言葉かもしれませんが、例えば-6Dの近視であるなら、眼科の視力検査において-6Dのレンズを入れると最大の視力が出るということになります。

コンタクトを使用している方は、表示されている値が目安になりますので、わかりやすいかもしれませんね。

 

参考値ではありますが、裸眼でものを見たとき、近くははっきり見えるが遠くはぼやけるのが通常の近視なのですが、目から15センチほど離すだけでぼやけるなら、強度の近視である可能性があります。

 

また、この原因はほぼ「目の長さが長すぎる場合(軸性近視)」であり、「強度近視」とは、目の長さが極端に伸びた状態であるとも言えます。

 

「強度近視」は危険?病的近視とその病気とは?

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「強度近視」は網膜などに非常に負担がかかりやすい状態です。

その負担が原因で、目にいろいろな異常をきたす場合を「病的近視」と呼びます。

目の長さが長いと、目の次のような病気を引き起こす可能性があります。

 

①網膜剥離

目の長さが長いために、「網膜」という部分が引き伸ばされて薄くなり、穴が開いて、そこから剥がれていく病気です。

放置しておくと失明に至る可能性が高い恐ろしい病気です。

 

②後部ぶどう腫

目の長さが長いために、眼球後部の一部が伸展して拡張する病気です。

「網膜」や「視神経」が後方に引っ張られて、眼底にさまざまな異常をきたします。

 

③網脈絡膜萎縮

目の長さが長いために、網膜の変性萎縮を伴い、視力の大幅な低下を招く病気です。

 

④黄斑円孔・中心窩分離症

眼球の壁の変形に網膜がついていけなくなった状態です。

次第に「網膜剥離」が起こったり(中心窩分離症)、それが発展すると、眼の網膜の中心部にある「黄斑部」に穴があいたり(黄斑円孔)します。

 

⑤脈絡膜新生血管

薄くなった眼球の壁の一部に断裂が生じ、そこに異常な血管が形成されるものだとされています。

 

⑥緑内障

緑内障は、だんだんと視野が狭くなっていき、最悪の場合は失明することもある病気です。

発病するリスクが高い傾向があります。「視神経」の構造が弱いためだとされています。

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強度近視の回復方法・対策とは?

①対策として、メガネやコンタクトを利用して、みえるようにするという方法が一般的です。

 

②「近視」に対して行われる「視力回復トレーニング」は、「強度近視」が「軸性近視」であるという理由から、あまり効果がないとされています。

「強度近視」にならないように、子どものころから近視を予防することが、最善の策であるとも言えます。

 

③レーシック手術・・・目の表面の角膜にエキシマレーザーを照射して、視力を矯正する手術です。しかし、強度近視の場合は、角膜をたくさん削らなくてはならないため、レーシックが行えない場合もあります。

 

④オルソケラトロジー・・・夜、オルソレンズと呼ばれる特殊なコンタクトレンズを装用して眠ることにより、角膜の形を変えて、翌日の視力を回復させ、装用し続けることで近視進行を予防する効果が期待できます。

 

⑤フェイキックIOL・・・眼内レンズを挿入することで視力回復させる方法です。ただし、白内障の場合と違い「水晶体」を残したまま、レンズを挿入します。

 

⑥白内障手術における眼内レンズの挿入

すでに白内障などの病気が進行している場合、白内障の手術を行う際に目の中に入れる「眼内レンズ」の種類を選択することにより、近視を改善できる場合があります。

この場合、白内障にかかっている「水晶体」の一部を取り除いてから、「眼内レンズ」を挿入します。

 

まとめ

強度近視は、失明にもつながる病気の原因ともなりえるものです。

そうなる前に、なるべく早めに対処したほうがいいでしょう。

 

しかし、強度近視の場合は、近視が強いと、角膜をたくさん削らなくてはならないため、レーシックが行えないケースもあります。

オルソケラトロジーに関しては、強度近視の適応は少ないとされており、フェイキックIOLは、値段が高額であるという欠点があります。

 

どの治療方法にもメリットとデメリットがあり、目の状態にもよることから、眼科を受診して相談してみる必要があります。

「強度近視」の方は、例え積極的な治療を受ける意思が無くても、定期的に眼科で検診を受けたほうがよいでしょう。

 

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