ものもらい(めばちこ)の時にコンタクトしてもいいの?
2016/07/01
「ものもらい」は「めばちこ」とも呼ばれるまぶたの細菌感染による急性化膿性炎症で、まぶたが腫れて赤くなったり痛みが出たりする病気です。
原因となる細菌には「黄色ブドウ球菌」や「表皮ブドウ球菌」などの常在菌がほとんどだと言われています。
普段コンタクトレンズを使っている人は「ものもらい」にかかったとき、どうすればいいのか迷いますよね。
コンタクトをはずしたくても、はずすと生活できないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、ものもらい(めばちこ)の時にコンタクトしてもいいのか?
とるべき対処方法とその理由について、眼科クリニックの看護師の方に聞いたお話を交えて、わかりやすく説明したいと思います。
目次
コンタクトレンズについて
コンタクトレンズには「ソフトコンタクトレンズ」と「ハードコンタクトレンズ」があります。
(ソフトコンタクトレンズの特徴)
やわらかい素材でできており、眼に入れた時の違和感が少ないレンズです。
以前は煮沸消毒などが必要で、取り扱いが面倒でしたが、最近は薬液による消毒が主流となっており、取り扱いも比較的簡単になりました。
近年、使い捨てタイプのレンズが主流となっており「1日タイプ」「2週間タイプ」「1カ月タイプ」などがあります。
1日タイプのレンズですと消毒が不要となり便利ですが、その分お値段は高めになります。
(ハードコンタクトレンズの特徴)
硬い素材でできており、ソフトレンズにくらべると違和感が強いレンズです。
しかし消毒が不要で、ケアが簡単でありソフトコンタクトレンズにくらべると、感染などのトラブルが少ないレンズであると言えます。
使い捨てタイプのレンズはありませんが、丁寧にケアすれば長い間使用することができるので、経済的にはお得なレンズです。
ものもらいの時のコンタクトレンズは?
できれば、コンタクトは外してほしいですね。
特に「ソフトコンタクトレンズ」は水分を含んだやわらかいレンズですので、細菌がさらに繁殖しやすくなる事態を招きかねません。
症状が悪化する可能性がある上に、レンズ自体が汚れる原因にもなります。
やはりコンタクトレンズは目にとっては「異物」なのですから、感染を起こして弱っている状態に負担を強いるという点からも好ましくないと言えます。
症状が落ち着くまでは眼鏡を使用していただくようお勧めします。
こんな事態に備えて、持っておきたい「眼鏡」
「ものもらい」に限らず眼の病気にかかった場合、医師から「コンタクトを使用せずに眼鏡を使用してください」と言われることがよくあります。
こんな時「眼鏡なんて持っていない」と返答する方が実に多いですね。
日中「コンタクト」を使用して、外すのは寝るときだけだから支障がないと判断されているようですが、眼の病気になった場合、本当に困ります。
しかもこのような方々は、コンタクトレンズの装用時間が長すぎる傾向があり、眼のためによくない環境を自ら作り上げているように思えます。
病気になった時に眼鏡を作ればいいと思う方もいるようですが、一般的に病気になった状態では正確な視力検査をすることが不可能で、きちんとした眼鏡を作ることができません。
眼鏡を持っていない方は、ぜひこの機会に眼鏡を作りましょう。
どうしてもコンタクトレンズを使いたい場合
「眼鏡を持っていない」「コンタクトレンズなしでは、運転すらできない」という方は、とりあえず眼科の医師に相談してみましょう。
症状によっては、「ハードコンタクトなら短い時間はかまわない」などと言ってもらえるケースもあるようです。
ハードコンタクトには水分が含まれていないので、感染を起こしにくいことが理由ですが、その場合でも使用後にはレンズをきれいに洗って、清潔を保つことが必要になります。
ソフトコンタクトレンズは使用しないように指示されるケースが多いようですが、症状が軽ければ装着が可能な場合もあります。
その場合は、レンズの消毒をきちんと行うことや、できれば1日タイプのレンズにすること、装用時間を短くする工夫をすることなどが対策として挙げられます。
コンタクトを入れた場合の目薬のさし方
眼科では「抗生物質」や「消炎剤」の目薬が処方されますが、基本的にはコンタクトをしたまま目薬を入れてはいけません。
ほとんどの目薬には防腐剤が含まれており、この防腐剤がコンタクトと眼球の間にたまって、眼を傷つけることがあると言われているためです。
一般的には、目薬をさしたあと、5分から15分くらい経てば吸収されてしまうので、このくらいの時間をおいてからコンタクトを装用すれば問題ないと言えます。
また、目薬の中には「コンタクトを入れたままさしてもかまわない」というタイプのものもありますので、医師や薬剤師に確認してみましょう。
まとめ
結論から言いますと、コンタクトレンズの使用は控えたほうがいいでしょう。
細菌が繁殖したりと目の負担になってしまうからです。
どうしても使用したいときは、眼科の医師に相談してみましょう。
症状によっては、可能であることもあるようです。
とりあえず眼鏡を持っていない方は、あらかじめ眼鏡を作っておくようにしましょう。
病気になってからでは、正確な視力検査をすることが難しいので、普段から備えておくことが大切ですね。
関連記事としてはこちらもご参考下さい。