クラバモックス(アモキシシリン)の副作用や効果について!
「クラバモックス」は主に小児用に使用される抗生物質です。
以前はボトルで処方されており、量を計って服用する必要がありましたが、現在は分包されたもので処方されることが多いようですね。
そんな「クラバモックスの副作用や効果」について詳しく説明したいと思います。
クラバモックスとは?
合成ペニシリン系の抗生物質です。
主成分の抗生物質「アモキシシリン」は、細菌の細胞壁の合成を抑えることで菌を殺す働きをします。
別の配合薬「クラブラン酸カリウム」は、「アモキシシリン」の分解や無効化を防ぐ働きをします。
効果・効能
①錠剤
<適応菌種>
本剤に感性のブドウ球菌属、淋菌、大腸菌、クレブシエラ属、プロテウス属、インフルエンザ菌、バクテロイデス属、プレボテラ属(プレボテラ・ビビアを除く)
<適応症>
・在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、慢性膿皮症
・咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、慢性呼吸器病変の二次感染
・膀胱炎、腎盂腎炎、淋菌感染症
・子宮内感染、子宮付属器炎
・中耳炎
②小児用顆粒
<適応菌種>
本剤に感性のブドウ球菌属、大腸菌、クレブシエラ属、プロテウス属、インフルエンザ菌、バクテロイデス属、プレボテラ属(プレボテラ・ビビアを除く)
<適応症>
・表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、慢性膿皮症
・咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎
・膀胱炎、腎盂腎炎
・中耳炎
③クラバモックス小児用
<適応菌種>
本剤に感性の肺炎球菌、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、インフルエンザ菌、ブドウ球菌属、大腸菌、クレブシエラ属、プロテウス属、バクテロイデス属、プレボ テラ属(プレボテラ・ビビアを除く)
<適応症>
・表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、慢性膿皮症
・咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、
・膀胱炎、腎盂腎炎、
・中耳炎、副鼻腔炎
用法・用量
①錠剤
(錠125)大人は、1回2錠、1日3~4回服用します。(錠250)大人は、1回1錠、1日3~4回服用します。
②小児用顆粒
子供は、オーグメンチン(製品名の違う同じお薬)として1日量30~60mg/kg(本小児用顆粒として0.2~0.4g/kg)を3~4回に分けて服用します。
③クラバモックス小児用
子供は、クラバモックスとして1日量96.4mg/kgを2回に分けて食直前に服用します。
いずれの場合も状態により、医師の指示によって適宜増減します。
副作用
「過敏症状(発疹・発熱・かゆみなどのアレルギー症状)」や「下痢」「吐き気」「腹痛」「食欲不振」などの消化器症状を起こすことがあります。
まれではありますが「ショック症状」「血液障害(貧血など)」「腎臓障害」「口内炎」「偽膜性大腸炎」「肝機能障害」「黄疸」なども報告されています。
特に、お薬を飲んだ後、「口内の異常(口渇・痛み・ただれなど)」「めまい」「耳鳴り」「発疹」「頻繁な便意」「喘鳴」などの症状がおこったときは、ショック症状の前兆のこともあるので、すぐに薬を中止して、医師に相談してください。
頻度からみると、割と多いのは「下痢」です。
とくに小さい子供は、便がやわらかくなりやすいですが、これは、抗菌作用により、腸内細菌のバランスが乱れるためなので、少し軟らかくなるくらいでしたら、たいてい心配いりません。
しかし、ひどい下痢が続くときや血便がみられるときは、お薬を中止してすぐに受診してください。
ショックに至るような重いアレルギー症状(アナフィラキシー)を起こすことはまずないですが、同じペニシリン系の抗生物質や他のお薬でアレルギーを起こしたことのある人や、両親や兄弟に強いアレルギーの既往がある人は、起こる可能性が高くなります。
肝臓や腎臓に重い病気のある方、高齢の方、全身状態が悪い方、妊娠中の方なども、慎重な投与が必要になりますので、あらかじめ医師にきちんと伝えておくことが大切になりますね。
小児用の飲ませ方
錠剤をのむことが可能な子供の場合は、コップ1杯ほどの十分な水で飲んでください。
子供用の細粒(ドライシロップ)は、ふつう、粉のままで飲むとむせやすいので、1包を適量の水で溶いてから飲みます。
それでも嫌がる場合には、ジュースなどに混ぜて飲ませます。
飲みやすくなるものとしては、オレンジジュース、チョコレートアイス、ヨーグルトなどが特に良いとされており、次いでプリンやバニラアイスクリームなども適しているとされています。
逆に混ぜると飲みにくくなるものとしては、アップルジュース、ミルク、乳酸菌飲料などがあげられています。
嫌がるお子さんに飲ませることは大変だと思いますが、工夫をして、きちんと飲ませてあげてください。
食直前に服用する理由
先述したように「クラバモックス」の成分は「アモキシシリン」と「クラブラン酸カリウム」です。
「アモキシシリン」の吸収は食事の影響をほとんど受けませんが「クラブラン酸カリウム」の吸収が食後だと低下してしまうため食事の直前に飲むこととされています。
飲み忘れた場合は、飲まずにいるよりも食後でもかまわないので飲むべきだとされていますが、できるだけ指示されたとおりに内服しましょう。
まとめ
子供に使用することが多い薬なので、特に小さい子供の場合、まわりの大人が副作用などに注意して状態をよく観察し、きちんと飲めるように管理してあげてください。
飲ませる時間帯にもちゃんとした理由があるとお分かりいただけたと思います。
やはり、指示されたとおりにきちんと服用することが大事なのですね。
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