ジスロマック錠(アジスロマイシン)の副作用や効果について!
ジスロマックとはいわゆる抗生剤(抗生物質)といわれる薬で、アジスロマイシン水和物を主成分とする細菌感染症などに処方されるマクロライド系の抗生剤です。
今回は、ジスロマック(アジスロマイシン)の副作用や効果について、ご紹介します。
抗生剤が効くのはどっち!? ウイルスと細菌の違いについて
風邪をひいたとき、抗生剤を処方されたことがある方が多くいらっしゃると思いますが、風邪の多くがウイルスによることが多く、実は抗生剤はウイルスには効果がありません。
では、なぜ風邪で抗生剤が処方されるのかというと、原因が溶連菌などの細菌による症状の場合に効果があるからです。
ウイルスと細菌の違いは、まず大きさです。どちらも肉眼で見ることはできませんが、細菌は㎛(マイクロメートル)という単位を用い、光学顕微鏡で見ることが可能です。
ウイルスは細菌よりも更に小さく、㎛の1/1000の㎚(ナノメートル)という単位を用い、見るには電子顕微鏡が必要になります。
そして、細菌は自身で細胞をもっており、単体で増えることができますが、ウイルスは人や動物が持っている細胞に入り込み増殖します。
風邪の症状がウイルスによるものか、細菌によるものなのか、判断はとても難しく、喉の状態やレントゲン、採血をして判断することもあります。
効果・効能
ジスロマックは蛋白合成阻害薬に分類され、タンパク質の合成を妨げ、細菌が増えるのを阻止します。
ジスロマックは胃酸の影響を受けにくいため、体内に入ってからも高濃度で作用を維持できます。
ジスロマックは体内で好中球という白血球の一種に取り込まれます。
好中球は白血球の中でも、菌がいるところに積極的に移動し、菌を食べる性質(ファゴザイトデリバリー)があり、菌がいるところ=薬が効いてほしいところなので、ジスロマックが効果的に作用します。
ジスロマックの適用菌種は
・連鎖球菌属
・淋菌
・クラミジア属
・マイコプラズマ属
などで、適応症は
・リンパ管
・咽頭
・扁桃炎
・急性気管支炎
・肺炎
・子宮頸管炎
・クラミジア
・尿道炎
・歯周病
などです。
用量・用法
ジスロマックはアジスロマイシンの含有量により、250mg・500mg・1000mgと種類があり、そのほか、注射剤(点滴)やドライシロップ、小児用の顆粒やカプセルなどがあります。
一般的には、500mgを1日1回、3日間続けて飲むと、7日間ほど効果が持続します。
歯周病の治療は、歯磨き・プラークコントロールが基本ですが、ひどい歯周病の場合、歯周病菌を抑えるために、ジスロマックが処方されることもあります。
クラミジアや尿道炎、子宮頸管炎には、1000mgを1回飲むことで、7日間の効果が期待できます。
ただし、胃腸が弱い方は一気に1000mgを服用すると、下痢をする場合があるので、500mgを3日に分けて飲むほうがよいでしょう。
骨盤内炎症性疾患の場合は、注射剤500mgを点滴静注したあと、250mgを1日1回服用します。
ドライシロップは2gを60mlの水を混ぜて即時飲み切りましょう。
小児用は、顆粒・カプセルともに、体重1㎏に対して10mgを1日1回、3日間服用します。
抗生剤は、症状が軽減されても、処方されたすべての薬を飲み切る必要があります。
中途半端に服用を中止すると、菌の耐性が強くなってしまい、薬が効かなくなりますので、用法・用量を守り、処方された分は必ず飲み切るようにしてください。
また、繰り返し服用すると、これもまた菌の耐性が強くなってしまうため、「ひどくなったらジスロマックを飲めばいい」という安易な考えはやめ、病気に対する根本的な治療を心がけてください。
副作用
ジスロマックは、副作用の少ない安全性の高い薬です。
しかし、腸が活発に動くようになるため、服用して数時間後、下痢をしてしまうおそれがあります。
また、ALT(GPT)・AST(GOT)が増加したり、白血球が減少する場合があります。
そのほか、どんな薬でもありえることですが、アレルギー体質の方はアナフィラキシーショックなどに注意しましょう。
他の薬との飲み合わせは、一部の胃腸薬と併用すると、ジスロマックの吸収が悪くなる場合があります。
また、抗血栓薬のワーファリンや免疫抑制薬のシクロスポリンなどと併用すると、これらの作用が強く出ることがあります。
ジェネリック(後発薬)
ジスロマックには、アジスロマイシン錠としてそれぞれの含有量の後発薬がいくつか発売されています。
・アジスロマイシン錠250mg「KN」(小林化工)
・アジスロマイシン錠250mg「DSEP」(全星薬品)
・アジスロマイシン錠250mg「NP」(ニプロ)
・アジスロマイシン錠250mg「サンド」(サンド)
・アジスロマイシン錠250mg「トーワ」(東和薬品)
またアジーやアジシンといった名前の後発薬もあります。
・アジー250mg(シプラ社)
・アジシン250mg(GPO)
まとめ
ジスロマックは、効果が長く持続し、副作用も少ないため、耳鼻科や歯科など広く使われている新しい抗生剤です。
そのうえ、飲む回数が少なく、薬の飲み忘れの心配が軽減され、いち早い効果が期待できますね。
同じアジスロマイシンを主成分とした、ジスロマックより安価な後発薬も多数発売されています。
関連記事としてはこちらもご参考下さい。
⇒クラリシッド錠(クラリスロマイシン)200mgの副作用や効果は?
⇒ルリッド錠(ロキシスロマイシン)はニキビに効く抗生物質!?