メチコバール(メコバラミン)錠500μgの副作用や効果について!
2016/04/29
手足のしびれが起こってしまったとき、まずはメチコバール錠500μgという薬を処方されることがほとんどです。
このメチコバール錠500μgという薬は、一体どんな成分でできていて、どんな効果があるのでしょうか。
今回は、メチコバール錠500μgの効果と副作用についてご紹介させていただきます。
目次
メチコバール錠500μgの成分
メチコバール錠500μgはいわゆるビタミン剤で、なんのビタミンが含まれているかというとビタミンB12です。
ちなみに、『メチコバール』というのは商品名で、成分の名前は『メコバラミン』といいます。
ビタミンB12の別名をコバラミンといい、メコバラミンはビタミンB12の一種としてその名が知られています。
したがって、メチコバール錠500μgはビタミンB12が不足することによって、体の異常が起こった際に処方される薬です。
ビタミンB12が欠乏するとどうなるの?
メチコバール錠500μgがビタミンB12が配合されたビタミン剤ということは、ビタミンB12が欠乏していると診断されたときに処方されるということになります。
では、ビタミンB12欠乏症になると、どのような症状があらわれるのでしょうか。
主な症状は、以下のようなものです。
・貧血
・蒼白
・疲労感
・息切れやめまい。
・手足のしびれや感覚の消失
・歩行困難
・認知症
上記のように、実に様々な症状を引き起こします。
ビタミンB12が不足しただけで、重度になると歩行困難などになってしまうとは驚きですね。
ビタミンB12欠乏症による悪性貧血
貧血といえば、まず鉄分不足を思い浮かべますよね。
しかし、鉄分を摂ってもなかなか治らない貧血があり、これを「悪性貧血」と呼びます。
この悪性貧血の原因は、胃粘膜の異常によるビタミンB12不足で以前は治療が困難な貧血でした。
近年、貧血の原因が鉄分不足ではなくビタミンB12の欠乏によるものだとわかってからは、治療がしやすくなったといわれています。
なぜビタミンB12が不足すると貧血になるかというと、ビタミンB12が不足すると、巨赤芽球性貧血(きょせきがきゅうせいひんけつ)といって、通常よりも大きく異常な赤血球ができてしまいます。
赤血球の働きは、酸素を取り入れて二酸化炭素を排出することです。
しかし巨赤芽球性ができると、この働きがほとんど機能しなくなることから、身体が酸欠状態になって疲れやすく貧血となります。
したがって、血液検査で巨赤芽球がみとめられると、ビタミンB12欠乏症による貧血と診断されます。
ビタミンB12欠乏症による末梢神経異常
ビタミンB12は神経細胞の遺伝子やたんぱく質などの合成を助け、神経伝達に支障が出ないように働いています。
これが欠乏してしまうため、神経伝達が滞り、神経が過敏になって手足のしびれが起こったり、感覚が消失しまうことになります。
ビタミンB12欠乏症にかかりやすい人とは?
ビタミンB12は動物由来の食品に含まれていて、タンパク質と結合しており、口から体内に入って胃でタンパク質の内因子と結合し、小腸から大腸につながる回腸というところで吸収されます。
しかし、内因子と結合しないビタミンB12は吸収されず、便とともに排出されてしまいます。
よって、
・動物性の食品を摂らない菜食主義者
・内因子が不足している方
・胃酸の分泌が低下している方
・腸の異常で吸収不良になっている方
がビタミンB12欠乏症にかかりやすくなります。
また、ビタミンB12は肝臓に蓄えられるので、肝臓に障害がある方もビタミンB12を蓄えられず欠乏症になります。
効果・効能
以上のことから、手足のしびれや悪性貧血の改善に、不足しているビタミンB12を補うためメチコバール錠500μgが処方されます。
メチコバール錠500μg=メコバラミンは、普通のビタミンB12よりも神経細胞への作用が高くなるように製造された薬です。
基本的には、メコバラミンとして1日1,500μgを3回に分けて経口服用しますので、メチコバール錠500μgを1回1錠、3回飲めば1,500μgとなります。
ただし、年齢や症状によって摂取する量は増減します。
メコバラミンによる神経症状の改善は、劇的によくなるというよりは、少しずつよくなるといった感じで、長い時間を必要とします。
そして、症状が長期間にわたって放置されていた場合、服用を開始しても完全によくはならず、神経の障害が残ることもあります。
また、当然ですが、手足のしびれの原因がビタミンB12欠乏症でない場合、たとえば頸椎椎間板ヘルニアなどでは症状が改善されませんので、飲み続けても効果があらわれない場合、しびれそのものの原因を探る必要があります。
ちなみに、メチコバール錠500μgは光が当たると含量が低下するので、暗い所で保管するのがよいでしょう。
副作用
副作用が起きる確率は1%以下とほとんどは心配ありません。
しかし、まれに起こる症状として、
・吐き気や下痢といった消化器官の異常
・食欲不振や発疹
・胃の不快感
を訴える人がいます。
上記のような副作用の症状を感じた時は、一旦薬の服用を中止し、医師に相談してみましょう。
他にも、妊娠中や授乳中の方、薬によるアレルギー経験がある方、他の薬も服用している方はメチコバールを処方される際に医師に相談しましょう。
また、メチコバール錠500μgは過剰摂取したとしても、水溶性ビタミンであるため、すぐに体外に排出されるので問題ありません。(とはいえ用法用量は守りましょう)
メチコバール錠500μgと同成分の市販薬
メチコバール錠500μgは処方薬なので病院でないと貰えません。
したがって、ビタミンB12を含んでおり、メチコバールに代用できる市販薬をいくつかご紹介します。
・ナボリンS(エーザイ)
・ナボリンEB錠(エーザイ)
・ロスミンS(米田薬品)
・ロスミンB12(米田薬品)
・アリナミンEXゴールド(武田薬品)
・アクテージSN錠(武田薬品)
・ユンケルB12(佐藤製薬)
これらを服用する際は、自身の症状を薬剤師に相談して、用法・用量の説明をよく聞いてから服用しましょう。
また、併せて食べ物からもビタミンB12の摂取を心がけ、症状の改善に努めましょう。
ビタミンB12は、食事で1日2.4μgを摂取することが推奨とされています。
ビタミンB12が多く含まれる食材は、
魚介類・・・しじみ、あさり、かき、いわし、さんま、のり、煮干し
肉類・・・レバー(牛豚鶏)、牛肉(小腸)、牛はつ
が主にあげられます。
まとめ
手足のしびれの原因がビタミンB12不足であった場合、メチコバール錠500μgはとても有効な薬であることがわかりました。
しかし、治療には時間がかかるので、根気よく服用を続けましょう。
もし、吐き気や胃の不快感、発疹といった症状が表れたら、処方を受けた医師に相談してみましょう。
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