ホスミシン(ホスホマイシン)の副作用や効果について!
看護師の方にとってはなじみ深いお薬だそうです。
内服薬としてよりは、静脈注射として使用することが多く、溶かすと一時的に熱を発するため温かくなるので、新人の時なんかはちょっとドキドキするそうです。
ちなみに説明書には、熱を発しても品質上心配はないと明記されています。
今回は、そんなホスミシン(ホスホマイシン)の副作用や効果についてお話したいと思います。
ホスミシンとは?
「ホスホマイシン系」に分類されている抗生物質です。
細菌の細胞壁を破壊して細菌を殺す作用があり、いろいろな菌に効果があるお薬です。
特にサルモネラ菌などの腸内細菌に効果を発揮し、ほかの抗生物質が効かない感染症に用いられ、副作用がほとんどないという長所があります。
しかし、長期間使用すると薬の効果が低下するという報告もあります。
効果・効能
【効果のある細菌】
多剤耐性のぶどう球菌、大腸菌、サルモネラ菌、赤痢菌
などに効果があります。
特に他の抗生物質が効きにくいグラム陰性桿菌の緑膿菌や変形菌(プロテウス)やセラチアに有効です。
【効果のある疾患】
「腸炎」「細菌性赤痢」「膀胱炎」「腎盂腎炎」「中耳炎」「副鼻腔炎」「せつ(おできのことです)」「眼瞼炎」「麦粒腫」「瞼板腺炎」「涙嚢炎」
などに使用されています。
飲み薬は呼吸器感染症の適応を持たないこともあり、あまり処方される機会は多くないようです。
細菌による食中毒や病原大腸菌O-157の治療に使用されることもあります。
製品例
・ホスミシン錠250 250mg
・ホスミシン錠500 500mg
・ホスマイカプセル250㎎
・ホスマイカプセル500㎎
・ホスミシンドライシロップ200 200mg
・ホスミシンドライシロップ400 400mg
価格差のあるジェネリック医薬品は存在しません。
用法・用量
・大人は1日ホスホマイシンとして2~3g
・小児は1日ホスホマイシンとして40~120mg/kg
を、それぞれ3~4回に分けて服用しますが、年齢や症状に応じて医師の指示により、適宜増減されます。
副作用
副作用は少ない方だとされていますが、注意は必要です。
過敏症状(発疹、じんましん、かゆみなど)を起こすことがあるので、症状がおこったら服用を中止し、すぐ医師に相談しましょう。
まれにですが「吐き気」「嘔吐」「腹痛」「下痢」「軟便」「食欲不振」「胃部不快感」「消化不良」「胃もたれ」「胸やけ」「腹部膨満感」などが現れることがあります。
軽ければ心配いりませんが、症状が続くときには「大腸炎」などの重い副作用の可能性もあるので、早めに受診しましょう。
他にも「AST・ALT(肝機能の検査値)の上昇」「好酸球増多」「血小板減少」「頭痛」「耳鳴り」「めまい」「むくみ」「ほてり」「発赤」「発熱」「心悸亢進」「倦怠感」「口内炎」などが報告されています。
使用上の注意
食後の服用が基本となりますので、食後に十分な水と一緒に飲むようにしましょう。
どのお薬にも言えることではありますが、医師に指示された1日あるいは1回の服用量、服用時間をきちんと守って、自己判断で中止や減量、増量などをしないようにしましょう。
また、副作用を防ぐためにも、あらかじめ医師に「アレルギーの既往」「持病」「他に内服しているお薬」などについてきちんと伝えるようにしてください。
特にこのお薬は、肝臓の悪い人に対しては慎重に使用することとされています。
肝臓の病気を持っている場合には、必ず報告するようにしましょう。
最近はお薬の作用などに関してもネットで簡単に調べることができ、症状がなかなかよくならないと、医師の診断に対して疑心暗鬼になり、自己判断で医師の意に反した行動をする方が多いように感じます。
もちろん参考程度に閲覧する上では問題ありませんが、せっかく医師が病気を治そうとプランをたてて行動しているのに、当の患者さんが実行してくださらず、病気の回復を遅らせてしまう事態は残念でなりません。
疑問を感じたら、医師に直接聞いてみて、その上で納得できなければ、他の病院を探すなどの対応をとればいいのではないかと感じます。
ホスミシンは風邪にも効果ある?
風邪の原因のほとんどは「ウイルス」であるのに対し、ホスミシンは「細菌」を殺すお薬ですので、風邪そのものに対する効果はあまりないと考えられます。
近年、耐性菌(抗生物質が効かない菌)を増やさないためにも、二次感染や合併症を起こさない限りは、風邪に対してむやみに抗生物質を処方しない傾向が強くなっています。
ただ、下痢が続いている場合には抗生剤を処方するケースも多く、特にホスミシンは細菌が原因の食中毒などに用いられるお薬でもあるため、この用途のために処方されることがあるようです。
医師の見解や病状によっても変わってきますので、処方した医師に確認するべきですね。
まとめ
ホスミシンは、ホスホマイシン系の抗生物質です。
細菌による食中毒や、病原大腸菌O-157の治療に使用されることが多くあります。
副作用を起こすことが少なく、比較的安全な抗生物質だと言えます。
しかし、ホスミシンは肝臓が悪い人に対しては慎重に使用することとされていますので、肝臓に持病がある人は、事前に医師に伝えるのを忘れないようにしましょう。
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