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サワシリンカプセル250mgの副作用や効果について!

   

アステラス製薬という会社から出ているお薬に、サワシリンカプセル250mgというのがあります。

サワシリンカプセル250mgは、褐色と白色のツートンカラーのカプセルで、細菌が原因の感染症に効果があるお薬です。

今回はサワシリンの効果や副作用、飲み合わせなどについてご紹介させていただきます。

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サワシリンは風邪や溶連菌に効く?

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風邪をひいたときに多くの場合、病院で処方されるのが、抗生物質です。

抗生物質というのは、生物である細菌に効く薬で、ウイルスには効きません。

しかし、ウイルス性の風邪に対しても、二次的な細菌感染を防ぐために処方される事があります。

 

実は、熱が出たり喉が痛くなったり、咳が出たりする一般に言われる“風邪”の原因のほとんどはウイルスであると考えられています。

 

しかし、“風邪”のような症状であっても原因がウイルスではなく細菌である可能性があるため、抗生物質を用いて、まずは効くかどうか確認しようということになったりします。

「風邪のようにみえたけれど、実際は溶連菌感染症であった為、サワシリンが効いて治療できた」

というようなパターンがあるのです。

 

そして細菌性の風邪の場合、風邪の症状よりも細菌のいる場所に注目し、耳なら中耳炎であったり、喉なら扁桃炎などと呼ばれる事になります。

 

さて、その細菌の中でもサワシリンが効くのはグラム陽性菌と、一部のグラム陰性菌である、大腸菌インフルエンザ菌などです。

ちなみに、インフルエンザ菌というのはインフルエンザウイルスとは別物の細菌の事です。

 

グラム陽性菌というのは、グラム染色という方法で細菌を染色し、アルコールで脱色されずに青紫色に染まる菌がグラム陽性菌、脱色され赤く染まるのがグラム陰性菌です。

その違いは、細菌細胞の表面の構造の違いであり、細胞壁や細胞膜の構造の種類の分別に大変役立ちます。

 

効果・効能

サワシリンはペニシリン系という、一番原始的な抗生物質の一つで、細菌細胞の細胞壁を壊し死滅されるという方法で、細菌が繁殖出来ないようにする、殺菌的なお薬です。

主成分はアモキシシリン水和物で、腸で吸収されます。

 

現時点でサワシリンが効果的なのは、

・一部のブドウ球菌(黄色ブドウ球菌には効きません)

・溶連菌(化膿レンサ球菌)を含むレンサ菌属

・腸球菌属

・インフルエンザ菌

・肺炎球菌

・大腸菌

などの細菌です。

 

例えば、

・中耳炎にはインフルエンザ菌や肺炎球菌

・乳腺炎の原因は黄色ブドウ球菌やレンサ菌

・大腸菌、扁桃炎は溶連菌

など、複数の細菌が関わっていたり、原因も一種類ではなかったりします。

例に挙げた肺炎球菌は名前の通り肺炎の原因となる細菌ですが、肺炎以外の病気の原因にもなりうる細菌です。

 

上記の細菌が原因でサワシリンが用いられる病気には、

・溶連菌による感染症

・皮膚感染症

・リンパ炎

・怪我や手術後の感染防止

・咽頭・扁桃炎、急性気管支炎、肺炎

・膀胱炎、腎盂炎、前立腺炎

・子宮内感染症

・麦粒腫

・中耳炎

・歯周炎

などがあり、目や耳、歯の周りから胸部、排泄器官に至るまで体中のあらゆる病気に用いられるお薬です。

 

しかし、抗生物質というのは今まで効果を発揮していた細菌であっても、あるとき耐性が出来てしまい効かなくなってしまう危険性を持っています。

実際、インフルエンザ菌や肺炎球菌には耐性菌の出現が報告されています。

 

そうなってしまうと、また新たな抗生物質が必要となり、その新たな抗生物質に耐性を持つ細菌が出来るという悪循環が生じるため、サワシリンを含めた抗生物質の使用には注意が必要だと言われています。

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用法・用量

一般感染症(ヘリコバクター・ピロリ感染を除く)の場合

・成人は1回1カプセル250mg(力価)/kgを1日3~4回、服用するのが通常。

・小児は主成分として20~40mg(力価)/kgを一日3~4回に分けて服用するのが通常。

 (年齢、症状に応じて、増減するけど、1日量として最大90mg(力価)/kgを超えないこと。)

 

ヘリコバクター・ピロリ感染症、ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎の場合

・成人は1回3カプセル(750mg(力価)を《クラリスロマイシン、メトロニダゾール》のいずれかとプロトンポンプインヒビターと同時に1日2回、7日間服用します。

 

体内でのお薬の濃度を保つ事によって効果を得るため、特に飲み忘れがないようにしましょう。

飲み忘れてしまった場合はすぐに一回分服用し、次の服用時間が近い場合は一回飛ばしてその次からまた通常通り飲み始めましょう。

絶対に2回分を一気に飲むのは厳禁です。

 

副作用

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・下痢

・発疹

これらが主な副作用です。

比較的多くみられるのが下痢です。

扁桃腺が腫れた小児の溶連菌の除菌に用いられたような場合や、ピロリ菌の除菌のため他の薬との併用で長期服用した場合などに、腸内の細菌に作用し腸内バランスが崩れ、お腹が緩くなるのが理由です。

お腹が緩くなるだけではなく、それに伴って食欲不振になったり、吐き気を催す場合もあります。

 

発疹は肌にぶつぶつができるもので、こちらも少なからず報告されているとのことです。

服用してすぐではなく、一定の濃度が保たれてから発疹が出て、薬を中止してから完全に薬の成分が体内からなくなってようやく収まるということが多いようです。

発疹だけではなく、かゆみ発熱を伴う場合もあるとのことです。

 

まれにではありますが、

・アナフィラキシーショック

・黄疸

・急性腎不全

・中毒性表皮壊死融解症などの粘膜・皮膚障害

・血液異常

など、重篤な障害の初期症状として副作用が出る可能性もゼロではないため、上に挙げた下痢や発疹以外の症状であっても、気になる場合は医師に報告、相談しましょう。

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「飲み合わせなどの注意点」

サワシリンカプセル250mgは、飲み合わせに注意が必要です。

抗血栓症のお薬であるワルファリンとの併用はワルファリンの作用を強めます。

また、その反対で、避妊薬との併用は避妊薬の効果を妨げる可能性があります。

腸で吸収され効果を得るため、カプセルを開けて飲んだり、口の中で噛み砕いたりするのは避けましょう。

 

また、次のような事がある人は服用する前に医師に相談して服用するようにしましょう。

・持病やアレルギー症状が出たことがある人

・妊娠中または授乳中の人

・他の薬を服用中の人

 

確かな効果を得るため、また、耐性菌の出現を避けるためにも、独断で服用を中断したりせず、指示された量や回数、期間を守りましょう。

 

「まとめ」

サワシリンカプセル250mgは、体全体の様々なトラブルの原因となる細菌に効く抗生物質です。

 

細菌の細胞壁の合成を阻止し死滅させるのがその効果であるため、風邪のような症状に処方されたとしても、直接的に解熱や痛み止の作用がある訳ではなく、細菌が原因ではないトラブルの場合は効きません。

 

抗生物質のお薬であるため、一定期間一定量を服用する事で効果を発揮するため、決められた用法を守ることが特に大切です。

 

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