オルメテック錠(オルメサルタン)20mgの副作用と効果について!
血圧を下げる薬に、オルメテックという降圧剤があります。
オルメテック錠20mgは、高血圧によって動脈硬化が進み、その結果脳や心臓の血管を詰まらせたり、肝臓の機能が悪化するのを予防する為に使用されます。
今回はオルメテック錠(オルメサルタン)20mgの副作用と効果についてご説明させていただきます。
オルメテック錠とは
オルメテック錠は高血圧症の治療に用いられる薬で、アンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)に分類される降圧剤です。
『アンジオテンシン』とは、ナトリウム(塩分)を体内に貯めて血液量を増やし、血管平滑筋を収縮させて血圧をあげる代表的な昇圧系ホルモンで、高血圧や動脈硬化の原因となる物質です。
このアンジオテンシンにはI~IVの4種類があり、このうち、アンジオテンシンII〜IVは心臓の収縮力を高め、細動脈を収縮させることで血圧を上昇させるのですが、特にアンジオテンシンII がもっとも強い活性をもっています。
アンジオテンシンII は副腎皮質にある受容体に結合して、副腎皮質から出るナトリウムの再吸収を促すアルドステロンというホルモンの合成・分泌を促進します。
このアルドステロンの働きによって、体液量が増加するため、血圧が上昇します。
また、脳下垂体後葉から分泌されるバソプレッシン(ADH)という抗利尿作用(利尿作用を妨げる)があるホルモンの分泌を促進し、これも血圧を上昇させる要因となります。
血圧を下げるためには、このアンジオテンシンIIが出ないようにするか、作用しないようにすることが必要となり、オルメテック錠は、このアンジオテンシンIIタイプ1受容体と結合してそのはたらきを阻害し、血圧を下げる働きをします。
そして、オルメテック錠は、ニューロタンやブロプレスといった従来からあるARBと比べると、臓器を保護する作用とAT1受容体の結合力が高くなっています。
用法・用量
オルメテック錠は製品名で、一般名(成分)をオルメサルタン メドキソミルといいます。
白色の錠剤で、5mg・10mg・20mg・40mgの種類があります。
持続性があるので、通常、成人では、10~20mgを1日1回の服用で済み、1日の最大服用量は40mgまでとされています。
急激に血圧を下げてしまうのも身体に負担がかかりますので、最初は少ない量(5mg)から始め、ゆっくり血圧を下げていくことが多く、効果があらわれるまでに1~2週間かかる場合もあります。
また、利尿薬を同時に服用することも多く、効果的と考えられていますが、服用する際は、必ず医師に相談するようにしましょう。
飲み忘れてしまった場合は、気がついた時に早めに飲むようにし、飲み忘れたからと言って、2回分を一度にまとめて飲み事は絶対にしてはいけません。
もし、誤って多く摂取してしまった場合は、医師に相談するようにしましょう。
副作用
頭痛、めまい、不眠、低血圧、低血糖、だるさ、むくみ、筋肉痛、吐き気・嘔吐(おうと)、腹痛、下痢、便秘、肝・腎機能障害、冷感、立ちくらみ、息切れ、寒気、手足の冷え、しびれ、食欲不振
などがあります。
薬が効きすぎて血圧が下がり過ぎてしまい、強いめまいや立ちくらみを起こすこともあります。
特に飲み初めにめまいや立ちくらみを起こしやすいので、乗り物の運転や、高所で作業する場合は特に注意しましょう。
徐々に慣れてくることが多く、あまり心配いりませんが、ひどいときは医師に相談してください。
服用中の飲酒は、めまいや立ちくらみが出やすくなるため、控えたほうがよいでしょう。
それ以外にも、
・アナフィラキシー様症状
・血管浮腫
・腎不全
・喉頭の腫れ
・肝炎
・横紋筋融解症
・血液障害
・意識喪失
・失神
・高カリウム血症
・間質性肺炎
・呼吸困難
などの重い症状の副作用が出た時は服用をすぐに止め、すぐ医師に相談するようにしましょう。
利尿薬などと併用する場合、血圧が下がり過ぎたり、夏場など水分不足で脱水症状にならないように注意してください。
また、まれに肝臓に障害が起こる可能性がありますので、肝機能の検査を定期的に受けたほうがよいでしょう。
鎮痛薬との併用によって、オルメテック錠の効果が弱まる可能性があります。
そのほか、他の降圧薬やカリウム補給薬など、飲み合わせに注意する薬がありますので、市販薬を含め、併用する場合は必ず医師に相談してください。
また、類似薬(ACE阻害薬)に多くみられた咳の副作用はほとんどみられません。
上記以外にも気になる症状が出た場合には、服用や止めて、医師または薬剤師に相談するようにしましょう。
注意しなければならない方
虚血性の腎臓病や高カリウム血症がある方は、服用を始めると一時的に腎機能が悪化することがあり、場合によっては服用できないことがあります。
服用する場合は、定期的に血液検査を受けて経過を観察してください。
糖尿病の方で、アリスキレンを服用している方は、原則的には服用を控えましょう。
透析を受けている方、利尿薬を服用している方は、注意して服用するようにしてください。
また、次のような事がある人は服用する前に医師に相談しましょう。
・持病やアレルギーなどがある人
・妊娠中または授乳中の人
・妊娠している可能性がある人
・服用中の薬がある人
ジェネリック(後発品)
オルメテック錠には、日本ではまだジェネリックは発売されていません。
海外では、すでに特許が切れている国がありますので、ジェネリックが発売されている国もありますが、日本では2017年まで特許期間がありますので、国内でジェネリックが発売されるのはあと1年ほどかかることになります。
まとめ
オルメテック錠は、血圧を下げるのに高い効果が期待できる薬です。
他の薬との飲み合わせや、血圧降下の速度に注意しながら、上手に服用して血圧を適切に保ち、脳卒中や心筋梗塞などを防いでいきましょう。