ルリッド錠(ロキシスロマイシン)はニキビに効く抗生物質!?
ニキビの治療に用いられる抗生物質の一つに、ルリッド錠(ロキシスロマイシン)があります。
抗生物質というと、風邪などが引き金となって熱が出たり咳や鼻水などが酷い時などに処方されるイメージかも知れませんね。
抗生物質は細菌を死滅させたり、その活動を抑えたりする、細菌の繁殖や活動を阻害するお薬です。
そしてにきびは、肌にいるアクネ菌が大きな原因の一つであり、増えすぎる事によってバランスを崩し起きていると考えられているため、アクネ菌に効く抗生物質であるルリッド錠(ロキシスロマイシン)が用いられる事があるのです。
今回は、ルリッド錠(ロキシスロマイシン)の副作用や効果などについてご説明いたしましょう。
ルリッド錠150について
主成分はロキシスロマイシンというマクロライド系の抗生物質です。
直径9.1mmの白色の錠剤で、商品名の150は、ロキシスロマイシンが150mg分という意味です。
薬価69円で、サノフィ株式会社から発売されている先発品です。
このルリッド錠150と同じ成分、効果を持つとされているジェネリック医薬品には、ロキシスロマイシン錠150mgという名前で、沢井製薬株式会社などその他様々な会社のものがあります。
ジェネリック医薬品が数多く存在するというのは、そのお薬が広く使用されているか、効果が認められているかという一つの目安となり得ます。
そのような意味で、ルリッド錠は効果の確認されているお薬であると言えるでしょう。
用法・注意
成人は通常、一回150mgを一日二回服用します。
飲み忘れた場合なるべく早く飲み、次に飲む時間が近い場合は一回とばし、次から通常通りに飲みましょう。
一度に二回分飲むことは決してしてはなりません。
以前にルリッド錠によってアレルギー反応を起こした人、妊娠中や授乳中の人、また、他のお薬を服用中の人は注意が必要です。
場合によってはルリッド錠以外のお薬を選択されることもあるため、必ず医師に報告しましょう。
ルリッド錠が効く菌、病気について
ルリッド錠の成分であるロキシスロマイシンが効くとされている適応菌種は、
・ブドウ球菌属の一部
・レンサ球菌属
・肺炎球菌
・モラクセラ・カタラーリス
・アクネ菌
・肺炎マイコプラズマ
です。
上記の細菌が原因で起きると考えられ、ロキシスロマイシンが使われる適応症には、
・表在性皮膚感染症
・深在性皮膚感染症
・リンパ管・リンパ節炎
・慢性膿皮症
・ざ瘡
・咽頭・喉頭炎
・扁桃炎
・急性気管支炎
・肺炎
・中耳炎
・副鼻腔炎
・歯周組織炎
・歯冠周囲炎
・顎炎
があります。
確かに、アクネ菌や、ざ瘡(にきび)に適応している抗生物質ということです。
そして、にきびに使われるお薬が肺炎や急性気管支炎にも使われるというのも、様々な菌に適応している為であるということが分かります。
にきびの内服薬として、ルリッド錠以外では、ミノマイシンやクラリスという抗生物質が処方されることもあります。
しかし、ルリッド錠(ロキシスロマイシン)は他とは異なり、アクネ菌に適応しているというのが特徴です。
副作用
軽い胃腸障害が、一番多い副作用として報告されています。吐き気や下痢、胃痛などです。
重い症状であったり、次第に悪化する場合は、医師や薬剤師に相談しましょう。
その他、大変まれに不整脈や肝臓の障害、大腸、皮膚の障害が表れることがあります。
いずれも尿や便、発熱や息苦しさなど、分かりやすい症状として表れるのが通常です。
注意すべき副作用として、ごくまれにですが、ショック症状が起きる場合があります。
ショック症状の前兆として、服用後に、
・異常に口が渇く、口が痛い、めまいがする、耳鳴りがする、便意を異常に感じる、呼吸をするたびに、ヒューヒュー・ゼーゼー鳴る
等、このような症状がみられた場合は至急医師に相談してください。
ルリッド錠を飲んだ事によって、いつもと違う体の異変を感じたら放置せず、直ちに報告、受診しましょう。
にきび治療にルリッド錠を用いることについて
にきびが出来るのは細菌だけが原因ではなく、皮脂の増加やそれによる毛穴の詰まりという要素も関係しています。
ルリッド錠(ロキシスロマイシン)が適応しているアクネ菌は、健康な人の肌には普通に存在している常在菌であるため、お薬で排除してしまう事によって皮膚のバランスを崩したり、お薬を止めた後、再び大量に増殖してしまう可能性を孕んでいます。
また、ロキシスロマイシンはにきびに関係のあるアクネ菌だけでなく他の細菌にも作用するため、長期に渡って使用をすると副作用にあげた通り、胃腸の障害に繋がる可能性も少なくありません。
そして一番問題なのが、耐性菌です。
耐性菌というのは、抗生物質を使い続けたり頻繁に使用した場合に、最初は効いていた種類の細菌が変化を遂げ、その抗生物質が効かない構造になってしまうという現象です。
一度そうなってしまうと、もうその抗生物質はその菌には使えません。
その場合、別の種類の抗生物質を使用することも考えられますが、同じように使っていくうちに、細菌はその新しい抗生物質にも効かないような新たな変化をし、どんどん使える抗生物質が減ってしまうという事が起きます。
にきびは数年に渡って発生するのが通常ですから、お薬の使用も長期であったり頻繁になってしまいやすいため、注意が必要です。
まとめ
ルリッド錠はにきびをはじめとした、細菌が原因の様々な感染症にの治療に用いられる抗生物質です。
にきびには、炎症が酷い場合や症状を早急に抑える必要がある場合など必要に応じて使用し、皮膚を清潔に保ったり皮脂の分泌を抑える方法を試すなど、細菌以外の原因を取り除いていくことが大変重要です。
吐き気や下痢などの軽い胃腸障害として副作用が出る可能性がありますが、重い場合やその他異常が感じられる場合は、早めに受診しましょう。
確かな効果を得るため、耐性菌の防止のためにも用量用法を正しく守って使用することが大切です。
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