クラリス錠(クラリスロマイシン)200mgの副作用や効果は!
クラリス錠200mgとは、どのようなお薬かご存知ですか?
クラリスとクラリシッドという名前で発売されているクラリスロマイシンは、マクロライド系の抗生物質の中の代表的なお薬であり、抗生物質全体の中でもよく使用されています。
今回は、クラリス錠200mgやクラリスのドライシロップの副作用や効果についてご説明します。
クラリス錠200とは?
クラリス錠200(成分:クラリスロマイシン)は、マクロライド系の抗生物質になります。
クラリス錠200は先発品で、大正富山医薬品株式会社から製造販売されています。
一粒が200mgとなっている、直径8.6mm、厚さ5.4mmの白色の錠剤です。
通常、成人は一日400mgを二回に分けて服用します。
上面にはクラリス200と印され、一回1錠なので、分かりやすいでしょう。
非結核性抗酸菌症に用いられる場合は上記の二倍、一日800mgを二回に分けての服用となります。
クラリスが効くとされている適応菌種は、
・ブドウ球菌属の一部
・レンサ球菌属
・肺炎球菌
・モラクセラ・カタラーレス
・インフルエンザ菌
・レジオネラ属
・カンピロバクター属
・ペプトスコレクトコッカス属
・クラミジア属
・マイコプラズマ属
など数多くあります。
難しい名前の菌もたくさんありますが、日本で一番多い性病であるクラミジアや、肺炎の原因となるマイコプラズマなどは耳にした事のある方も多いのではないでしょうか?
クラミジアでクラリスロマイシンを用いる場合、2週間ほどの長期服用となるのが通常です。
クラミジアにはマクロライド系の別の抗生物質、ジスロマックが用いられるのが通常ですが、クラリスロマイシンは、クラミジアの他にカンジダや肺炎等を併発している場合に選択される可能性が高いと言えるでしょう。
クラリスは上に挙げた細菌が関係する、あらゆる一般感染症、非結核性抗酸菌症、またピロリ菌の除去に他のお薬と併せて用いられる、国内では子供から大人まで使用できる、とてもポピュラーな抗生物質です。
クラリス錠200の併用禁忌
クラリス錠200を服用する際の注意点としては
・クラリスロマイシンでアレルギーを起こしたことのある方
・ピモジド、エルゴタミン含有製剤、タダラフィル、アスナプレビル、バニプレビル、スボレキサント、上記6種類のお薬との併用
・肝臓や腎臓の障害を患い、コルヒチンを服用中の方
これらの場合はクラリスを飲むことは出来ません。
比較的アレルギーが出にくく、作用効果も穏やかであるとされるクラリスですが、上に挙げたパターンやお薬との併用は、それらのお薬の副作用を強めるため、大変危険です。
また、上に挙げたお薬以外にも、クラリスとの併用によって、そのお薬の血中濃度を著しく上昇させたり、逆にそのお薬の効き目をなくしてしまうものもあります。
クラリスを処方された場合は、問題がない可能性が高くても、現在服用中のお薬がある時は必ず医師に申告することが、重篤な副作用を防ぐ上で、とても大切です。
また、妊娠中や妊娠の可能性がある方、授乳中の方が使用する場合は必ずその旨を伝え、医師や薬剤師の指示に従うようにしましょう。
抗生物質とは?
抗生物質という言葉を耳にした事がない人はあまりいないかも知れません。
しかし、どのようなお薬なのか、何に使われるのか、どのようにして病気を治すのかについてはいかがでしょうか?
抗生物質というのは、病原菌となる細菌を排除し病気を治したり防いだりするお薬です。
お薬の中には病気による症状、例えば頭痛や腹痛を和らげるもの、起きている炎症を抑えるものなども数多く存在しますが、抗生物質はその病気を起こしている原因であるであろう細菌に直接働きかけるお薬です。
こう言った意味では、抗生物質は病気を治すお薬の最たるものであると言えます。
そして、抗生物質にはいくつかの種類があります。
前述したように、クラリスはクラリスロマイシンという成分の抗生物質で、マクロライド系の抗生物質です。
マクロライド系の抗生物質は、細菌がタンパク質の合成をするのを妨げることでその繁殖を阻止する、静菌的なお薬です。
細菌細胞にリボゾームという器官があり、タンパク質はそこで合成されます。
クラリスはそのリボゾームに働きかけ、タンパク質合成を阻害することで細菌の活動繁殖を抑制します。
ヒトの体の細胞もリボゾームを持ちますが、細菌のリボゾームとは構造が異なるため、クラリスは私たちの体の機能を害することなく細菌にのみ作用し、病気を治療します。
抗生物質についてはこちらの記事もご参考下さい。
⇒抗生物質とお酒の飲み合わせは厳禁!アルコールの危険性とは?
クラリスドライシロップについて
クラリスドライシロップ10%という商品名で発売されているクラリスのドライシロップは、薄いピンク色の粉状のお薬で、少量の水で溶いて服用するのが通常です。
一般感染症の場合、体重1kg辺り0.1~0.15mgを一日2~3回に分けて服用、レジオネラ肺炎の場合は0.15mgを一日2~3回に分けて服用します。
小児の一日分の服用の上限は4g(含まれるクラリスロマイシンは400mg)とされています。
飲み忘れてしまっても、二回分まとめて飲むことはせず、次回から通常どおりの量の服用を再開しましょう。
クラリスドライシロップは国内で小児用に用いられる代表的な抗生物質の一つで、プリンや練乳、ココアやアイスクリームなどに混ぜて服用することも可能です。
粉状のドライシロップに主成分として10%含まれるクラリスロマイシンは、原剤ではとても苦いためピンク色のコーティングがされています。
このコーティングは酸性によって損なわれてしまうため、小児に飲ませる時、果汁ジュースやヨーグルトなど酸性の食べ物とは合わせないようにしましょう。
クラリスロマイシンのお薬として、クラリスの他にクラリシッドがあり、クラリシッドにもドライシロップがあります。
薬の効能、成分ともにほとんど違いがないと言われていますが、クラリスドライシロップは比較的美味しく、クラリシッドは苦味が出てしまっていると言われています。
そのため、クラリスの場合は水で溶いてそのままで服用できても、クラリシッドの方はお子さんの好きな(酸性ではない)食べ物に混ぜる方が良いかも知れません。
副作用
クラリスによる副作用で最も多いのは、下痢です。
また、好酸球という白血球の一種が血液中で上昇することも確認されています。
好酸球の上昇は咳が出たり、アレルギーの発現に関係していると言われていますが、軽度の場合は自覚できないかも知れません。
これらは軽い副作用とされますが、次第に重くなる場合などは医師に相談しましょう。
大変まれにではありますが、重い副作用の初期症状として、体がだるく感じたり、息が上がったり、皮膚に痒みを生じたり、その他様々な異常が起きることもあります。
これらの症状が現れた場合、アナフィラキシーショックを起こす可能性がありますのですぐに病院へ行きましょう。
初期症状は見過ごしがちではありますが、明らかにクラリスを服用してから起きたこと、変化などがある場合は躊躇せず受診することが大切です。
抗生物質は細菌に効くという意味ではとても良いものですが、治験を経ていても、細菌という生物を除去出来るということは、その分副作用が生じる可能性は否めません。
また、お薬の効き目は、個人個人によって違いがあります。
起こりうる違和感も人それぞれであるため、説明書に書かれていない副作用であっても、ご自分の体調を見過ごさないようにしましょう。
まとめ
クラリス錠200mgは、マクロライド系の抗生物質で、細菌が原因である可能性のある様々な病気に使われているお薬です。
クラリスのドライシロップ、クラリスドライシロップ10%も、小児用のお薬として大変有名です。
しかし、どんなお薬にも副作用やショック症状を起こす可能性はあります。
持病や、現在服用している薬がある場合は事前にその旨を伝え、医師や薬剤師の指示、使用上の注意をよく守り、正しく使用しましょう。
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