クラビット(レボフロキサシン)の副作用と効果とは!
「クラビット」と「タリビット」が同じお薬だと思っている方が多いようですが、実は「クラビット」は「タリビット」の改良版であり、「タリビット」をより強力で、効き目の強いものに改良したお薬なのだそうです。
今回は、そんなクラビット(レボフロキサシン)の副作用と効果について詳しく説明したいと思います。
クラビット(レボフロキサシン)とは
クラビット(成分:レボフロキサシン)は、「ニューキノロン系」の抗生物質です。
先述した「タリビット」との違いは、「タリビット」が「R-オフロキサシン」と「S-オフロキサシン」という成分の混合物であるのに対し、「クラビット」は「S-オフロキサシン」という成分だけを抽出したものだという点です。
「S-オフロキサシン」のほうが「R-オフロキサシン」よりも、よく効くし、副作用が少ないという特徴がありますので、「クラビット」は「タリビット」よりもよく効くし、副作用も少ないということになります。
つまり「クラビット」の成分である「レボフロキサシン」とは、「S-オフロキサシン」と同じものであると言えます。
「タリビット」から「クラビット」へと処方が移行し、国内でもっとも使用される抗菌薬の一つとなっているのには、このような理由があるのですね。
効果・効能
(適応症)
・「皮膚感染症」「リンパ管・リンパ節炎」「慢性膿皮症」「ざ瘡」
・「外傷および手術創等の二次感染」
・「肺炎」「慢性呼吸器病変の二次感染」「咽頭・喉頭炎」「扁桃炎」「急性気管支」
・「腎盂腎炎」「前立腺炎」「精巣上体炎」「尿道炎」「膀胱炎」
・「胆嚢炎」「胆管炎」「肛門周囲膿瘍」
・「感染性腸炎」「腸チフス」「パラチフス」「コレラ」
・「子宮内感染」「子宮付属器炎」「子宮頸管炎」「乳腺炎」「バルトリン腺炎」
・「涙のう炎」「麦粒腫」「瞼板腺炎」
・「副鼻腔炎」「外耳炎」「中耳炎」
・「化膿性唾液腺炎」「歯周組織炎」「歯冠周囲炎」「顎炎」
・「肺結核及びその他の結核症」「炭疽」「ブルセラ症」「ペスト」「野兎病」「Q熱」
①膀胱炎に対して
膀胱炎の原因菌である大腸菌に特に強力な効果があると言われており、膀胱炎の治療によく使用されています。
②風邪に対して
ウイルス性がほとんどである「風邪」には効果がありません。
しかし「細菌による重複感染」や「二時感染の予防」のために用いられることがあります。
③クラミジアに対して
「クラミジアトラコマティス」という細菌が原因で起こる性感染症であり、クラビットは治療に効果があるとされています。
また、ペニシリン系など一般的な抗生物質が効きにくい「肺炎クラミジア」に対しても有効性を示すとされています。
製品例
・レボフロキサシン錠100㎎
・クラビット細粒10%100㎎
・クラビット錠250㎎
・クラビット錠500㎎
用法・用量
【錠250mg、錠500mg、細粒10%に関して】
大人は1回500㎎(「錠500mg:1錠」「錠250mg:2錠」「細粒10%:5g」)を1日1回内服します。
なお、疾患・症状に応じて適宜減量されます。
「腸チフス」「パラチフス」に関しては、1回500mg(「錠500mg:1錠」「錠250mg:2錠」「細粒10%:5g」)を1日1回14日間内服します。
同じ成分のお薬に100㎎のものもありますが、使用において「500mg1日1回投与」は、「100mg1日3回投与」に比べると耐性菌の出現を抑制することが出来るので、錠250mg及び細粒10%を使用する際も分割投与はしないようにし、必ず1日量を1回で投与する事とされています。
「100mg1日3回投与」より、「500mg1日1回投与」の方が良いことが分かったのが割と最近のことなので、従来通りの処方を行っている医師はその情報を知らないのだという意見もあります。
副作用
クラビットによる副作用は稀だとされていますが、念のため注意が必要です。
以下に、考えられる副作用と症状を挙げていきます。
①ショック・アナフィラキシー
「紅斑」「悪寒」「呼吸困難」「冷汗」「顔面蒼白」「じんましん」「顔やのどの腫れ」「めまい」「血圧低下」
②中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群
「発熱」「紅斑」「水疱」「びらん」
③けいれん
けいれん性の病気のある方には慎重に投与します。
「めまい」「頭痛」「ふるえ」「手足のしびれ感」「意識低下」などが主な症状です。
④重い不整脈
「胸痛」「動悸」「息切れ」
⑤腎臓の重い症状
「発熱」「全身倦怠感」「尿量の減少」「むくみ」
⑥肝臓の重い症状
「嘔気・嘔吐」「食欲不振」「倦怠感」「かゆみ」「皮膚や白目が黄色くなる」「尿が茶褐色になる」
⑦重い血液の異常
「発熱」「のどの痛み」「出血傾向」「全身倦怠感」「口内炎」
⑧間質性肺炎
「発熱」「から咳」「息苦しさ」
⑨重篤な大腸炎
「腹痛」「頻回の下痢」「血液便」
⑩横紋筋融解症
横紋筋細胞が融解し筋細胞内の成分が血中に流出する病気です。
主な症状は「筋肉痛」「脱力感」「手足のしびれやけいれん」「赤褐色の尿」等です。
⑪低血糖
「冷汗」「動悸」「脱力感」「異常な言動」「けいれん」「昏睡」
⑫アキレス腱炎、腱断裂など
ステロイドを内服している方や60歳以上の方は発症しやすいという報告があります。
主な症状は「アキレス腱周辺の痛み」「浮腫」などです。
⑬幻覚・錯乱などの精神症状
車の運転などを含めた「危険をともなう機械の操作」「高いところでの作業」を行う場合には念のため注意が必要です。
⑭過敏性血管炎
「発熱」「腹痛」「関節痛」「青あざ」
⑮重症筋無力症の悪化
この病気のある方には慎重に投与します。
⑯光線過敏症
日光に当たった皮膚に発赤を生じたり、ひどい時には水ぶくれができたりしますので、皮膚の弱い人や長期間内服している人は、直射日光を避けるようにしましょう。
その他にも、下痢、軟便、眠気、頭痛といった副作用も報告されているようです。
気になる症状が現れた場合は、早めに医師に相談しましょう。
クラビットには、後発品(ジェネリック)がさまざまなメーカーより販売されています。 一部を記載します。 ・レボフロキサシン細粒10%DSEP100㎎ ・レボフロキサシン250㎎錠 ・レボフロキサシン500㎎錠 クラビットが乳汁中に移行するのは確かで、服用して5時間後が乳汁中の濃度がピークと言われており、65時間経っても濃度は低くなっていますが、検出はできるとのことです。 授乳による副作用の可能性を裏付けるような確たる症例報告はないようですので、絶対にだめというものではありませんが、クラビット服用中はやはり授乳を控えた方がいいという意見が多いようですね。 クラビット(成分:レボフロキサシン)は、「ニューキノロン系」の抗生物質です。 大腸菌やクラミジアにも有効なお薬となります。 現代は、いろいろなお薬がありますが、情報も日々変化しており常に新しい知識を吸収していかなければならないということを強く感じます。 今回の「クラビット」に関する情報では特にそれを感じさせられました。 もしかしたら、今日「正しい」と思われている使用方法が、明日からは「間違っている」と言われることもあるかもしれません。 あまり神経質になりすぎてもいけませんが、その可能性も考慮して、お薬を使用することも大切だと感じます。 関連記事としてはこちらをご参考下さい。ジェネリックについて
授乳中飲んでもいいの?
まとめ