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レメロン錠(ミルタザピン)の副作用や効果について!

   

うつ病やうつ状態に画期的な効果を持つレメロンをご存知ですか?

レメロン錠が日本で発売開始したのは2009年の事ですから、比較的新しいお薬かも知れません。

しかし、海外ではそれよりも前から使用されており、国内での認可に時間がかかってしまい最近になってようやく使われ始めたという経緯です。

 

レメロンをは抗うつ剤と呼ばれますが、一体どのような仕組みで効くのか、強い効果が得られるのならその副作用は大丈夫なのか、どのような副作用があるのかなど、色々と気になりますよね。

それでは、レメロン(ミルタザピン)の副作用や効果についての詳しいご説明を始めます。

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レメロン錠15mgについて

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レメロン錠は長径10mm、短径6mm、厚さ3.5mmの黄色い錠剤のお薬です。

主成分はミルタザピンで、15mg含有しています。

レメロン錠はこの15mgのみの規格となっています。

MSD株式会社から発売されている先発品で、このお薬にジェネリック医薬品はありません。

薬価は171.2円です。

 

用法は、レメロン錠を初めて服用する場合は一回1錠(15mg)からスタートするのが通常です。

一日一回就寝前に服用し、年齢や症状などに応じて一日3錠(45mg)まで許容されており、適宜増減されます。

用量を増やす場合、一週間以上の間隔を開けて1錠(15mg)ずつ行われます。

一日たったの1錠で、効果を得る可能性の高いのがレメロン錠の特徴です。

他のお薬もそうですが、必ず指示された用法を正しく守って服用しましょう。

 

レメロン(ミルタザピン)の作用と効果とは?

うつ病やうつ症状は、ノルアドレナリンセロトニンといった、神経伝達物質の不足によって起きると言われています。

ノルアドレナリンは別名怒りのホルモンと呼ばれ、なんだか物騒ですが決して悪いものではなく、集中力や覚醒を司っています。

そのため、分泌されないと無気力に繋がります。

 

セロトニンは精神を安定させる作用をするホルモンであり、また、ノルアドレナリンをコントロールします。

日中起きている時に分泌されますが、夜寝ているときのメラトニンの分泌はセロトニンの代謝が関係しているため、セロトニンの分泌は睡眠にも影響を及ぼします。

 

レメロン以外の抗うつ剤も、基本的にはノルアドレナリンやセロトニンを増やす事でうつを改善するのですが、レメロンはその増やし方に特徴があります。

それは、ノルアドレナリンやセロトニンの放出を促進するだけでなく、代謝を抑える事で、副作用を抑えその量を増加させるという方法です。

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セロトニンやノルアドレナリンを増やしつつ副作用を抑える仕組みとは?

セロトニンやノルアドレナリンなどは神経を伝達する物質で、分泌されて流れ、受容体に結合します。

ある神経伝達物質が増えると他の別の神経伝達物質が減るなど、脳内ホルモンはとても密接に影響しあっていることが分かっています。

そして、レメロンは結合先である受容体への結合を阻害することによってセロトニンやノルアドレナリンの量を増やしたり、結合先の受容体に選択的に作用し副作用を抑えます。

 

セロトニンの結合先には、5-HT受容体があるのですが、この5-HTには、1から3があります。

セロトニンは少なすぎても困りますが多すぎても弊害があります。

それは、5-HT2や5-HT3はその結合によって攻撃的になったり、消化器不良を起こしたりするからです。

レメロンは、セロトニンを5-HT1に優先的に結合させる事によってうつを改善します。

これが他の抗うつ剤とは異なる、レメロンの特徴です。

 

レメロンをはじめとした抗うつ剤には、ノルアドレナリンやセロトニンを増やす方法として、アデノシンの受容体であるa2受容体を遮断するという作用があります。

しかし増やすだけでは逆にイライラしたり眠れなくなったり、胃腸にトラブルを招いたりしてしまうので、改良を重ねたのが、NaSSAという第四世代に分類されているレメロンです。

 

レメロンの副作用とは?太るの!?

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レメロンの服用によって太る、というのはとても可能性の高い副作用です。

太る以外の主な副作用は、眠くなるというのがあります。

レメロンは就寝前の服用が一般的ですが、それは強い眠気を招くからです。

服用期間中ずっと強烈な眠気にさらされるというわけではなく、ある程度は慣れると言われています。

 

さて、若い女性などが特に気にかける、太るという副作用についてご説明しましょう。

レメロンはセロトニンやノルアドレナリンを増やすことを主な目的としており、ホルモンの受容体を遮断する作用を持っていますが、他の抗うつ剤同様、ヒスタミンの受容体も遮断してしまいます。

ヒスタミンは分泌されすぎるとアレルギー反応を引き起こす事で知られていますが、食欲を抑制する働きを持っています。

そのため、ヒスタミン受容体が遮断されてしまうと食行動が抑えられなくなってしまう訳です。

 

更に、眠気が強いまったりとした状態になりやすいため、何となくお菓子などを食べ続けてしまうといったことになりやすいのでしょう。

重要なのは、レメロンを服用することによって直接的に何もしなくても太る、という訳ではないことです。

レメロン=太る、脂肪を蓄積しやすくなってしまう!?という事ではありません。

レメロンを飲んだだけで太ってしまうのであれば、避けようもありませんが、お薬によって食行動が抑えにくくなっているという事を自覚しつつ、食べるものを選ぶ事が出来ると、副作用は最小限に抑えられるかも知れません。

 

お薬を止めるとどうなる!?レメロンの中断症候群ついて

一般的に離脱症状と呼ばれる、中断症候群は、強いお薬では多くみられます。

レメロンは比較的少ないと言われていますが、減薬は慎重に行われます。

耳鳴りがしたり、手足が痺れたりというのがよく言われていますが、他には目眩、震え、吐き気など様々です。

 

本来ヒトの体が自然にコントロールしている神経伝達や受容体への結合を、レメロンを服用することによって人工的にコントロールし、ホルモン分泌を調整していたのをストップするのですが、もしも急にお薬の血中濃度が下がったりしたら、何らかの症状が出るのは自然な事です。

長期に渡って服用していると、体はレメロンが入ってくるのが普通の事になり、それでバランスをとり始めます。

服用し始めに強い眠気に襲われる可能性が高い事と同様に、お薬の中断、終了にも注意が必要であると言えるでしょう。

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レメロンの半減期・効果を保つ時間とは?

レメロンの半減期は32時間です。

とても長いですね。

一日一回の服用で良いというのが分かります。

 

半減期というのはお薬を服用した後、その血中濃度が半分になるまでの時間です。

半分以下になると効き目が薄れ、離脱症状も出始めると言われています。

また、お薬は5~6回服用することによって、その血中濃度が一定になる考えられています。

レメロンの場合一日一回なので、少なくとも一週間は継続服用し、効果を確認する必要があるということになります。

副作用についても、始めの数回は体がお薬に慣れていないため、様子をみる必要があるのかも知れません。

 

まとめ

レメロンは抗うつ剤の第四世代に分類される、改良を重ねたお薬です。

副作用は抑えられ、比較的起こりにくいとされていますが、眠気や食欲の増大には注意が必要です。

うつの再発や悪化、中断症候群(離脱症状)を防ぐためにも、医師の指示、用量用法を守り、焦らずに治療することが大切です。

 

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