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トレドミン(ミルナシプラン)の副作用や効果について!

   

トレドミン錠というは、気分が落ち込んだり、やる気がでないといった、うつ状態の時に処方される薬です。

このトレドミン錠の副作用や効果などについて、ご紹介します。

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トレドミン錠とは?

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トレドミン錠とは、ミルナシプラン塩酸塩という成分の薬の製品名で、抗うつ剤に分類される薬です。

 

『セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(Serotonin-NorAdrenalin Reuptake Inhibitors)』というタイプの抗うつ薬の一つ(頭文字を取ってSNRIと略されます)で、セロトニンとノルアドレナリンの再取り込みを阻害して増やすことで、うつ状態を改善し、抗うつ効果を発揮するものです。

2000年にSNRIとして国内で最初に認可されました。

 

セロトニンとノルアドレナリン

なぜセロトニンとノルアドレナリンを増やすことで、うつ状態が改善されるかというと、このふたつの物質の働きに関係があります。

 

セロトニンは、気分が落ち込んで悲観的になったり、不安になる症状を改善する脳内の神経伝達物質で、セロトニンの不足(減少)がうつ病の原因の一つとして疑われています。

 

セロトニンは脳の前頭前野という部分で情報伝達の役割を担っているため、セロトニンの量が減少すると、前頭前野のはたらきが悪くなります。

前頭前野は『思考・創造・行動』など複雑なことを考えたり、理性をはたらかせる部分なので、はたらきが悪くなると、意欲の低下や不安を招いてしまいます。

こうしてセロトニンの不足(減少)がうつ状態を引き起こすと考えられています。

 

また、ノルアドレナリンはやる気や意欲を改善させるといわれています。

ノルアドレナリンが分泌されることで、意識が覚醒したり、集中力や学習能力の高まりや、ストレスへの耐性を強めるのに役立っています。

 

アドレナリンとノルアドレナリンの違い

よく耳にする“アドレナリン”とは似たような働きをするものですが、おおまかな両者の違いは、アドレナリンは肉体で、ノルアドレナリンは脳で作用するということです。

 

アドレナリンは、主に副腎髄質で分泌され、中枢系ではわずかしか分泌されず、血管や筋肉などの末梢神経(肉体)への作用が強力となります。

一方ノルアドレナリンは、主に脳の中枢系で働き、イライラややる気などの感情などに影響を与えます。

そして、脳のストレスによりノルアドレナリンが分泌されるとアドレナリンも分泌されるため、言い換えればアドレナリンが分泌されるにはノルアドレナリンが必要ということになります。

 

ノルアドレナリンが不足(減少)すると、仕事などの作業効率や判断力が低下し、集中力が散漫になる原因となります。

(逆に多く分泌されすぎると、神経が昂り、イライラして、攻撃的になる場合があります)

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効果・効能

セロトニンやノルアドレナリンは、役割を終えると回収されます。

これを再取り込みというのですが、トレドミン錠はこの再取り込みを阻害します。

すると、回収されずに残ったセロトニンとノルアドレナリンが脳内で作用し続けることになるので、結果的に量が増え、うつ症状を改善することになるのです。

 

トレドミン錠はセロトニンとノルアドレナリンの両方に作用するため、効果が強いと思われがちですが、実際は抗うつ効果は弱めです。

その代り、副作用も軽めで、肝臓への負担が他の抗うつ剤より少ないことが特徴として挙げられます。

 

効果が弱めなので、うつ症状の程度があまり重くない方、または、効果が強めの抗うつ薬で治療していて、あともうひといき改善がみられるといい、などというとき向けといえます。

 

また、何らかの痛みを発症しているのに原因がわからないとき、うつ病に伴う疼痛の可能性もあり、トレドミン錠が効く可能性があります。

 

副作用

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トレドミン錠は前述の通り、副作用が少なくなっています。

ただし、まったくないわけではなく、主な副作用としては

口が乾く・吐き気・便秘

眠気、頭痛、目のかすみ

立ちくらみ、めまい

手のふるえ

性機能障害

味覚症状

血圧上昇

といった症状が出る場合があります。

肝臓に影響しないため、肝機能に問題のある方でも服用可能です。

ただし、腎臓には影響するため、前立腺疾患があったり尿が出にくい人は、尿閉の副作用が起きやすいので注意しましょう。

 

また、イライラして攻撃性が強くなったり、落ち着かない気分になることがありますが、ほとんどが一時的なもので、経過を観察しますが、あまりに攻撃性が強くなったり、自傷行為に走ってしまう場合には服用を中止します。

 

パーキンソン病の治療に用いるセレギリンと併用すると、作用がだぶってしまい、セロトニン症候群という重い副作用を引き起こす可能性が高くなります。

トリプタン系の頭痛薬や、セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズー・ワート)というハーブでも、同様にセロトニン症候群になる危険性がありますので、併用は避けてください。

 

そのほか、服用している薬がある場合は、必ず医師に相談のうえ、トレドミン錠の服用を開始してください。

 

用法・用量

1日25mgを初期用量として、1日最大100mgまで服用が可能(高齢者は60mg)ですが、2~3回に分けて服用することが推奨されています。

 

増量する場合は1週間以上の間隔をあけて25mgずつ増やします。

また腎臓に疾患があって服用する場合は、75mg程度にとどめるほうがよいでしょう。

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離脱症状

離脱症状とは、服用している薬を急激に中断したり、減量した際に起こる可能性のある症状のことで、めまい興奮、頭痛、不安感などがあります。

 

SNRIやSSRIに分類される抗うつ剤は離脱症状が多く認められますが、トレドミン錠はもともとの効果が弱いため、離脱症状は少ない部類といえます。

しかし、急激に断薬したり減量すると、離脱症状があらわれる可能性が高くなりますので、個人の判断で薬の量を調整したりせず、必ず医師と相談してください。

 

ジェネリック薬品(後発薬)

ミルナシプランという言葉は、トレドミン錠の一般名(成分)として使われていましたが、現在では、ミルナシプランというと、トレドミン錠のジェネリックを指していることがほとんどになりました。

各社からミルナシプラン塩酸塩錠として、ジェネリックが発売されています。

 

まとめ

トレドミン錠はセロトニンとノルアドレナリンの両方に作用し、落ち込んだ気分を改善し、やる気をよみがえらせる効果があることがわかりました。

副作用も比較的少ないため、服用しやすい薬といえます。

 

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