ニキビの治療薬、クリンダマイシンゲルの副作用や効果について!
「クリンダマイシンゲル」は主にニキビに対して使用されるお薬です。
「塗り薬」は「飲み薬」に比べて、副作用などが少なく、安易に使用されやすい傾向がありますが、やはり注意すべき点はいくつかあるようです。
今回は、クリンダマイシンゲルの副作用や効果について詳しく、説明しましょう。
目次
クリンダマイシンゲルとは
細菌の蛋白合成阻害によって殺菌作用を示す「リンコマイシン系」の抗生物質です。
主成分は「クリンダマイシンリン酸エステル」で、「ダラシンTゲル」とは同じ成分のお薬になります。
効果・効能
にきび患部の細菌を殺すと同時に、炎症を抑える働きがあり、通常、「化膿性炎症を伴うざ瘡(にきび)」の治療に使用されます。
製品例
・クリンダマイシンゲル1%
・クリンダマイシンリン酸エステルゲル1%
・ダラシンTゲル1%
先発品は「ダラシンTゲル1%」であり、「クリンダマイシンゲル1%」「クリンダマイシンリン酸エステルゲル1%」は後発品(ジェネリック)になります。
用法・用量
・適量を1日2回、洗顔後、患部に塗布します。
・薬を塗る部位は患部に限定し、広範囲に塗り拡げないようにしましょう。
・眼に入れないよう気をつけましょう。誤って眼に入った場合は水道水で十分洗い流し、念のため眼科でみてもらいましょう。
・必ず指示された使用方法を守り、勝手に使用量を増やしたり、中止したりしないようにしましょう。
基本的には、炎症がひき赤みや腫れがとれたら中止するようにします。
長期に続けることは好ましくありません。
4週間使用して効果のない場合は、中止することとされています。
使用に際し、何か異常を感じたら、医師または薬剤師に相談しましょう。
副作用
・「かゆみ」「発赤」「じんましん」「刺激感」「ヒリヒリ感」「かぶれ」「胃腸の調子が悪い」
などの副作用が報告されています。
症状がひどいようであれば、医師に相談してみましょう。
めったにはありませんが、「腹痛」「下痢(粘液便)」「発熱 」「血液便」「下血」などのひどい症状が続く場合には「腹痛偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎」の可能性もあります。
早急に受診しましょう。
ニキビとの関係
どのようなニキビに効くの?効果がある理由とは?
ニキビは、「アクネ菌」を初めとする細菌が、毛穴に詰まった皮脂を栄養素として繁殖します。
アクネ菌は、「遊離脂肪酸」と呼ばれる角質層の代謝を過剰に促す物質を生成します。
それが原因で毛穴がふさがれ、軽度であったニキビに炎症が起こり悪化し、「黄ニキビ」と呼ばれるアクネ菌が過剰繁殖した化膿したニキビができるのです。
「クリンダマイシンゲル」は、この「黄ニキビ」に対して、殺菌を行うことで治療効果を発揮します。
そのため、色素沈着などのニキビ跡の治療には効果は期待できません。
広範囲に塗ってはいけない理由とは?
ニキビの原因となる「アクネ菌」は、通常は肌に常在して、肌を中性に保ち、皮膚の保湿を促す役割を果たしています。
患部に限定せずに広範囲に塗ってしまうと、この「アクネ菌」の数を不必要に減らしてしまいます。
このことにより、かえって肌の状態を悪化させることになる場合もあるのです。
ローションタイプのものもあるの?
「クリンダマイシンゲル」には、同じ成分でローションタイプのもの(ダラシンTローション1%)もあります。
薄めのコットンパフに適量(5~10滴)滴下して、ニキビに軽く押すようにして塗布して使用します。
背中のニキビや夏場のニキビ治療には、ローションの方が使いやすいかもしれませんね。
お薬を使わずにニキビを治す方法とは
副作用や耐性菌の点から考慮すると、抗生物質のお薬での治療は最小限にするべきであると言えます。
では、他にどのようなことに気をつければよいのでしょうか?
いくつかご紹介します。
・洗顔には「角質を除去して皮脂を洗い流す」という大切な意味があります。
朝と入浴時の2回、洗顔石鹸を使用して丁寧に洗顔しましょう。
できれば蒸しタオルを顔にあてて、毛穴を開いてから洗顔すると効果的です。
・物理的な刺激や圧迫はニキビを悪化させますので、患部にむやみに触るのはやめましょう。
髪が肌に刺激を与えている場合は、髪をまとめたり、髪形を変えたりするなどの工夫をしましょう。
また、頬にニキビがある人は、頬づえをつくのはやめたほうがいいようですね。
・お化粧はニキビを刺激しますし、皮脂を閉じこめてしまいますので、できるだけ控えるようにしましょう。
パウダータイプなど影響の少ないものを選び、寝る前にはメイクや日焼け止めクリームをきちんと落とすことも大切です。
・規則正しい生活を送ることが基本となりますので「夜ふかし」「ストレス」「便秘」などを避け、食生活にも気を配りましょう。
まとめ
クリンダマイシンゲルとは、リンコマイシン系の抗生物質です。
主にニキビの治療に使用されています。
塗り薬で、できてしまったニキビを治すことも一つの治療方法ではあります。
しかし、本当の意味でニキビを治すとは、生活習慣などを見直して、根本から原因を絶ち、ニキビのできにくい肌にすることだと思います。
くれぐれも、ずっと塗り薬を塗り続けるようなことはしないでくださいね。
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⇒ダラシンTゲル(クリンダマイシン)の効果や副作用について!