バナン(セフポドキシム)の副作用や効果について!
2016/06/30
「バナン」というお薬をご存知でしょうか?
病院によっては手術後の感染予防として、メインで処方される事もある身近なお薬になっているそうです。
今回は、そんな「バナン(セフポドキシム)の副作用や効果について」について説明したいと思います。
バナン錠100mgとは?
感染症の治療に使われるセフェム系の抗生物質です。
細菌の細胞壁を破壊して細菌を死滅させますが、人の細胞には作用しないので、副作用があまりなく、ショック症状をおこすことが少ないため、現在では抗生物質の生産量の多くが「バナン」をはじめとする「セフェム系」のお薬で占められています。
効果・効能
・黄色ぶどう球菌、表皮ぶどう球菌、溶血性連鎖球菌、大腸菌、クレブシエラ菌、淋菌、腸球菌
などの細菌によって引きおこされた感染症に対して効果があります。
具体的には、
肺炎、気管支炎、膀胱炎、腎盂腎炎、膿皮症、瘭疽、咽頭炎、扁桃炎、中耳炎、麦粒腫、胆嚢炎、リンパ節炎、細菌性心内膜炎、猩紅熱、敗血症、乳腺炎、副鼻腔炎、歯周組織炎
などの病気に対して使用されるお薬になります。
その中でも「バナン」の主成分「セフポドキシムプロキセチル」は歯周組織炎、歯冠周囲炎、顎炎などに効果が強いと言われています。
バナン錠100㎎の用法・用量
大人は1回1錠を1日2回食後に服用します。
治療を受ける疾患や年齢・症状によって、医師の指示により量を変更することがありますが、症状が重い場合や効果が現れにくい場合などには、1回2錠を1日2回食後の服用として増量されることがあります。
バナンドライシロップとは
子供用に作られた「バナン」であり、赤味のある橙色をしたドライシロップ剤で、はじめは甘みがあるが、後で苦みが出るのが特徴です。
水に混ぜると苦みが増すため要注意です。
混ぜると飲みやすいもの
・牛乳
・オレンジジュース
・リンゴジュース
などに混ぜると飲みやすいとされています。
市販されているゼリー状のオブラートなどを使用しても良いでしょう。
1歳前後の赤ちゃんから処方されることがありますので、粉ミルクに混ぜるのも一つの方法ではありますが、これがきっかけでミルクを飲まなくなってしまう事もあります。
少量の水でペースト状にして上あごなどにすりつけるなどして、舌に乗せないことで、苦みを緩和するなどの方法をとると良いようです。
バナンドライシロップの用法・用量
幼小児は1回0.06g/kgを1日2~3回服用します。
症状が重い場合や効果が現れにくい場合には、1回0.09g/kgを1日3回服用するように増量されることがあります。
使用上の注意
以下に記載した副作用を防ぐためにも、
・自分の持っている病気
・現在飲んでいるお薬
・これまで起こしたアレルギー症状
などについて医師に必ず報告しましょう。
また、どのお薬にも言えることではありますが、決められた飲み方を守り、勝手に量を増やしたり、減らしたり、中止したりすることがないようにしましょう。
病院によっては、外来で行えるような簡単な手術の際に、手術の後7日間内服することになっているそうです。
事前に患者さんの全身状態を把握したうえで、内服が困難な場合は、その理由に応じて、点滴や他のお薬に切り替えるなどの対応を行っているそうです。
看護婦さんの話では、飲み忘れたり、飲み間違いをしたりする患者さんは案外多く、特に高齢の方にその傾向が見られると聞きます。
処方する「バナン」の場合、「これを飲めば楽になる」というものではなく、「これを飲めば、今後おこる感染を予防することができる」というものなので、切羽詰まった気持ちになれなくて、つい忘れてしまうのでしょうね。
飲み忘れた人が必ず感染を起こすというわけではありませんが、手術に関するリスクは、なるべく最小限にしたいものですね。
副作用
過敏症状として「発疹」「じんましん」「かゆみ」「顔のむくみ」などのアレルギー症状をおこすことがあります。
「吐き気・嘔吐」「下痢」「腹痛」「食欲不振」「口内炎」「頭痛」「倦怠感」などが現れることもあります。
また、まれではありますが「ショック症状」を起こしたり、「黄疸」「肝機能障害」「腎障害」「肺炎」などを起こしたりすることもあります。
特にショック症状には注意が必要で、以前同じ種類の抗生物質で、アレルギー症状を起こした場合はもちろんですが、家族(両親や兄弟)に強いアレルギー症状がある場合は、自分にアレルギーの経験がなくても注意が必要です。
薬を飲んだ後に
・「口が異常に乾く」「顔面が蒼白になる」「呼吸困難」「冷や汗」「めまい」「耳鳴り」「頻繁な便意」「喘鳴(ぜんめい)(呼吸のたびにのどをゼイゼイ・ヒューヒューさせる症状)」
などが起こったときは、ショック症状の前兆のこともあるので、その後の内服を中止して、すぐに医師に診てもらうことが大切です。
まとめ
看護婦さんの話では、手術の数日後に一錠も飲まれていない「バナン」を持参して、「これはいつ飲んだらいいの?」と尋ねらる事もあるそうです。
「説明したつもり」で終えずに「わかるまで説明する」という姿勢が大事だとおっしゃっていました。
お薬の事でわからない事は必ずわかるまで、医師や看護婦さんに話を聞くのも大事ですね。
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