ガチフロ(ガチフロキサシン)の副作用や効果について!
私自身は、目薬として使用したことがありますが「ガチフロ」というネーミングにインパクトがあるお薬ですよね。
実は「ガチフロ」の錠剤は、2008年9月末にて販売中止になっています。
このことから、お薬の副作用に対して、改めて考えさせられるきっかけとなるお薬でもあります。
今回は、ガチフロ(ガチフロキサシン)の副作用や効果について詳しく説明しましょう。
ガチフロとは
ガチフロ(成分:ガチフロキサシン)はニューキノロン系の抗生剤です。
主に、結膜炎や麦粒腫など、眼の感染症に対して点眼薬として処方されています。
また、ガチフロは「ニューキノロン」と呼ばれる抗菌薬として、2002年に内服薬が発売されましたが、その後、「低血糖や高血糖による重篤な副作用が発生する」ことにより、日本においては2008年9月末にて販売中止となりました。
ガチフロには点眼薬もありますが、今回の販売中止は内服薬のみであり、点眼薬については言及されていません。
その理由について、製薬会社では、「全身移行量が経口剤に比べて低く、血糖値異常が現れる可能性は極めて低いと考えられため」だとしています。
また、点眼薬では治験時において血糖値異常は報告されておらず、米国においても「血糖値異常の報告がないため、現行どおり製造販売されている」とのことです。
これらの理由により、ここでは点眼薬についてのみ説明したいと思います。
効果・効能
いろいろな細菌に効果を発揮し「眼組織内への移行」や「房水(眼球をみたす体液)への移行」も良好だとされています。
【適応症】
①眼瞼炎
まぶたに起こる炎症で、主に睫毛の根元付近に起こるものを「眼瞼縁炎」、主にまぶたの皮膚に起こるものを「眼瞼皮膚炎」と呼んで区別します。
②涙のう炎
目頭と鼻の付け根の中間あたりに「涙のう」という部分があるのですが、そこに細菌が感染して炎症を起こした状態を言います。
眼から涙や目やに、膿などが出たり、「涙のう」のあたりが赤くなったり、腫れたりして、強く痛むことがあります。
③麦粒腫
まぶたにある「脂腺」や「汗腺」の急性化膿性炎症です。まぶたの一部が赤くはれ、痛みを伴います。
④結膜炎
「白目(しろめ)」と「まぶたの裏側を覆っている半透明な膜(結膜)」が、赤く充血して炎症を起す病気です。
⑤瞼板腺炎
「瞼板腺」は別名「マイボーム腺」とも呼ばれており、まぶたの縁にある特殊な皮脂腺の一つです。
この部分に炎症が起きる症状です。
⑥角膜炎(角膜潰瘍を含む)
「角膜炎」は黒目の表面の角膜で炎症が起こった状態の総称であり、「角膜潰瘍」は角膜の表面だけでなく、その奥の実質にもにごったり、薄くなったりといった影響が出てしまう状態です。
「角膜潰瘍」は重症であり、治ったあとも視力障害が残ることが多く、場合によっては、角膜に孔(あな)があいてしまうことがあり、失明に至ることもあります。
⑦眼科周術期の無菌化療法
このように書くとわかりにくいかもしれませんが、要するに眼科の手術をする際に、眼の中の常在菌をできるだけ取り除いたうえで、手術を行うことで、手術の後に眼内炎などの病気を起こさないようにするための処置ということです。
製品例
ガチフロ点眼薬0.3%
用法・用量
「眼瞼炎」「涙のう炎」「麦粒腫」「結膜炎」「瞼板腺炎」「角膜炎(角膜潰瘍を含む)」などに対しては、通常、1回1滴を1日3回点眼します。
なお、症状により適宜増減して使用します。
「眼科周術期の無菌化療法」に対しては、通常、手術前は1回1滴、1日5回、手術後は1回1滴、1日3回点眼します。
ガチフロ点眼薬0.3%の使用方法について
・点眼薬を何種類かさす時には、間を5分程度あけて入れましょう。
すぐに入れると、お薬の効果が弱くなってしまいます。
・点眼薬の容器に記載されている使用期限は、開封前の期限になります。
開封したら、使用期限は1カ月を目安に考えましょう。1カ月たたなくても、変質などのおそれがある場合には使用を中止するべきです。
・誤って使用しないためや、品質を保持するために、他の容器に入れかえることはしないようにしましょう。
・直射日光をさけて、なるべく涼しい場所に保管しましょう。
特に夏場の車の中などに放置すると変質の原因になりますので、気を付けましょう。
・救急箱などに保管をする際は、救急箱に入っている湿布薬などの芳香成分が吸着する恐れがありますので、注意が必要です。
また、幼児が誤って飲むと危険なこともありますので、手の届かない場所に保管しましょう。
・点眼薬は、きちんと目に入れば1滴以上入れてもこぼれてしまい無駄になるとされています。
5mlの点眼薬の場合、1日3回両眼に点眼すれば、約2週間くらいもつ計算になりますので、参考にしてみてください。
・点眼薬を入れる際には、事前に手をよく洗い、容器の先をまぶたや睫毛に当てないよう気を付けましょう。
手の汚れは目薬を汚染させる原因にもなります。
副作用
副作用はほとんどありませんが、まれに
・「しみる」「刺激感」「過敏症状(まぶたの腫れ・充血・かゆみ)」
などがあるようです。
症状が起こった場合は、中止して、眼科医に相談しましょう。
まとめ
ガチフロはニューキノロン系の抗生剤で、結膜炎や麦粒腫などの眼の感染症に対して点眼薬として処方されています。
以前は内服薬も販売されて今いたが、現在は点眼薬のみとなっています。
このお薬のようなケースもありますので、どのお薬を使用する場合も、絶対に大丈夫ということはないと考えて使用するべきだと思います。
点眼薬において、血糖値異常の報告はないとのことですが、やはり知識としては知っておくべきでしょう。
病院に勤務していると、お薬の新情報は製薬会社の方が報告してくれるケースがほとんどですが、特に医療従事者は、このような情報に対して敏感であるべきですね。
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