アデホスコーワ顆粒10の副作用や効果について
薬の服用で気になるのは、その副作用や効果、飲み合わせではないでしょうか。
薬には短期間で一気に効果を得るものと、長期に渡って使用することで症状の改善に役立てるものがあります。
めまいや耳鳴りに処方される薬、アデホスコーワ顆粒10をご存知ですか?
アデホスコーワ顆粒10は、長期的に使用することによって体の調子を良くし、間接的にめまいを解消する薬です。
即効性はないため、すぐにはその効果が実感出来ないかも知れません。
しかし、効果が分かりにくいからといって、効いていないという事ではありません。
アデホスコーワ顆粒10について、具体的な作用や効果を理解した上で使用する事が治療の為に重要であると言えます。
今回は、アデホスコーワ顆粒10の副作用や効果についてご説明させて頂きます。
アデホスコーワ顆粒10とは
アデホスコーワが何に用いられる薬かと言いますと、
・頭部外傷後遺症の改善
・消化官機能低下による慢性の胃炎
・心不全や調節性眼精疲労における調節機能の安定化
・メニエール病や内耳障害に基づくめまいの改善
などです。
脳や内耳、胃、心臓などの様々な臓器の血流を増やし、エネルギー代謝を活発にする事で、臓器の機能を改善させるお薬です。
代謝賦活剤、抗めまい剤という分類であり、めまいだけの薬ではありません。
アデノシン三リン酸というのは主成分で、アデノシン三リン酸二ナトリウム水和物というのもです。
名前にある10というのは、アデノシン三リン酸5二ナトリウム水和物という成分が、1g中に100mg含まれているという、10%という意味です。
アデホスコーワ顆粒10はその名のとおり、白い顆粒の薬です。
1g中100mgアデノシン三リン酸ナトリウムが入っている顆粒のものと、60mgしか入っていない腸溶錠があり、めまいに効くと認められているのは、顆粒だけなので注意が必要です。
腸で溶けて吸収される事でその効き目を得るため、擦り砕いたりせず顆粒のまま服用する事が重要です。
用法・用量
メニエール病及び内耳障害に基づくめまいの場合
アデノシン三リン酸二ナトリウム水和物として、1回100mgを1日3回服用します。
その他の場合
アデノシン三リン酸二ナトリウム水和物として、1回40~60mgを1日3回服用します。
いずれの場合も使用量は、症状や年齢によって増減されます。
服用時は必ず医師の指示、もしくは指定された服用法をきちんと守るようにしましょう。
うっかり飲み忘れてしまった場合は、気がついた時に早めに1回分を飲むようにしましょう。
もし次に飲む時間が近い場合は、飲み忘れた分は飛ばして下さい。
飲み忘れたからと言って、2回分まとめて服用するのは危険なので絶対にしてはいけません。
効果・効能
アデホスコーワ顆粒10の主成分、アデノシン三リン酸ナトリウム水和物は、ATP=生体のエネルギー通貨と呼ばれています。
ATP(エネルギー通貨)は、ヒトに限らず生物の体全体、脳の活動にも、足の先を動かす筋肉にも、また呼吸や消化にも必要な物質で、食べたものを吸収し分解して、このATP(エネルギー通貨)が作り出されます。
体内、細胞内で作られ、体全体にある物質なので、体にとても馴染みのあるものなのですが、外部から取り入れられたATPは、頸動脈をはじめとした体全体の血管を拡張させる働きがあります。
血管が広がるということは、その分それぞれの臓器へ血液たくさん流れ込み、臓器が活動的になり、元気になります。
頸動脈は耳の近くでもある、脳へと繋がる首の部分に通っている太い動脈です。
めまいの主な原因はそのすぐ側である耳で起きる不調であるため、耳の中の血流を良くすることが、イコールめまいの改善ということになるのです。
耳鳴りにも効く?
さて、アデホスコーワはめまいがなくても耳鳴りの治療に処方される事があります。
音に過敏になったり、逆に難聴であったり、耳に閉塞感を改善する時にも使われる場合があります。
めまいの感じ方は人それぞれで、内耳障害があってもめまいを感じず、耳鳴りだけが気になったり、また、より不快感の強い症状のみが自覚されたり、様々です。
アデホスコーワの作用は臓器の血流を良くすることなので、メニエール病や内耳障害が原因の耳鳴りには、効くと言えるでしょう。
耳鳴りの原因に多いのは耳そのもののトラブルですが、全身の筋骨格系の緊張や、心的ストレスによるものが原因の場合もあります。
それらの場合には別の対策が必要になってくるでしょう。
副作用
吐き気、嘔吐、下痢、便秘等による腹部の不快感が主であり、胃腸障害による食欲不振、発疹や掻痒感、口内炎なども報告されています。
脱力感、全身拍動感など、ぐったりとして疲れる感じや、全身が落ち着かない感じなど、逆の症状が副作用として共に報告されています。
また、次のような事がある人は服用する前に医師に相談しましょう。
・持病やアレルギーなどがある人
・妊娠中または授乳中の人
・妊娠している可能性がある人。
・高齢者の人
・小児等
人によって合う合わない、効きすぎるなど様々なパターンが考えられるため、薬の服用によって異常を感じた際はすぐに医師に相談しましょう。
飲み合わせについて
アデホスコーワ顆粒10は、併用禁忌として、ジピリダモール(ペルサンチン)という、血管に血栓が出来ないようにしたり、血管を拡張させる薬との飲み合わせについて、注意が必要です。
ATP分解物であるジピリダモールを併用することによって、血液中のATPの濃度が上昇し、心臓に対する負担が心配されるためです。
まとめ
アデホスコーワ顆粒10は長期的に服用し、体全体の調子を良くし、間接的に主な症状であるめまいの改善に役立てるというタイプの薬です。
即効性は感じられないかも知れませんが、副作用などの問題がなければ、焦らず確実に服用する事で効果につながります。
服用によって問題が生じた場合は、症状を医師に相談し、別の方法をとることが必要です。
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