フロモックス(セフカペン ピボキシル)の副作用や効果について!
フロモックスは一般的によく処方されている抗生物質であり、たくさんの製薬会社から販売されています。
いろんな病気に効くというイメージがありますが、実はあまり効果がないケースもあるのです。
今回は、そんなフロモックス(セフカペン ピボキシル)の副作用や効果について詳しくお話したいと思います。
フロモックスとは
フロモックスはセフェム系の抗生物質です。
セフェム系のお薬はいくつかの世代に分類されますが、フロモックスは「塩酸セフカペンピボキシル」を主成分とした「第三世代」の「セファロスポリン系」のお薬になります。
効果・効能
「外傷・熱傷・手術創などの二次感染」「急性気管支」「肺炎」「腎盂腎炎」「尿道炎」「胆のう炎」「乳腺炎」「子宮内感染」「涙のう炎」「麦粒腫」「咽頭・喉頭炎」「扁桃炎」「中耳炎」「副鼻腔炎」「歯周組織炎」
などの疾患に対して使用されています。
①風邪
風邪の原因のほとんどは「ウイルス」であるため、細菌を殺すお薬であるフロモックスは、風邪に対して効果がないことが多いと言えます。
二次感染や合併症を起こした場合には必要なこともありますが、予防として処方することは耐性菌(抗生物質が効かない菌)を増やす原因となるため、近年、処方しない傾向が強くなっています。
②膀胱炎
膀胱炎の原因が細菌でない場合は、効果がありません。
細菌が原因の場合は「ニューキノロン系」「セフェム系」「ペニシリン系」などのお薬を使用しますが、一般的には 「ニューキノロン系」がまず選択されることが多いようです。
「ニューキノロン系」を使用しても効果がない、アレルギーを起こすなどという場合に、「セフェム系」のお薬である「フロモックス」を使用してみて、効果がなければ、また別のお薬を使用するという風に使われます。
③ニキビ
ニキビに対して皮膚科で処方されることが多いようです。
ニキビの原因菌である「アクネ菌」を殺すため、効果があるとされていますが、根本的な解決策にはならず、あくまでも一時的なものとの意見も多いようです。
「結婚式までにはなおしたい!」などという即効性を期待する状況での使用に対しては、役に立つこともありますが、上記した「耐性菌」の問題から考慮しても、長期間の服用は避けるべきでしょう。
④クラミジア
クラミジアに効果的なお薬は「マクロライド系」「テトラサイクリン系」「ニューキノロン系」などの抗生物質であり、逆にあまり効かないお薬として「ペニシリン系」「セフェム系」が挙げられています。
フロモックスは「セフェム系」のお薬ですので、あまり効果がないと言えるでしょう。
製品例は?
・フロモックス100mg
・フロモックス75㎎
・フロモックス小児用細粒100mg
先発薬は塩野義製薬から上記のものが発売されています。
ジェネリック
・セフカペンピボキシル塩酸塩錠100mg
・セフカペンピボキシル塩酸塩錠75mg
・セフカペンピボキシル塩酸塩細粒10%小児用100mg
同じお薬がいくつもの製薬会社から販売されています。
用法・用量
【フロモックス100㎎・75㎎】
大人は1回100mgを1日3回食後に服用します。
症状が重い場合は1回150mgを1日3回に増量します。
【フロモックス小児用細粒100mg】
子供は1回3mg/kgを1日3回食後に服用します。
大人(錠剤が使用できない場合)は錠剤と同量を服用します。
【注意点】
それぞれ、体重や症状に応じて医師の指示により増減を行います。
錠剤には㎎の違う2種類の錠剤があるため注意が必要です。
副作用
「発疹」「じんましん」「かゆみ」「赤み」「腫れ」「発熱」「関節痛」「下痢」「胃痛」「吐き気」「血液の異常」「肺炎」「肝機能障害」
などが報告されています。
「ショック、アナフィラキシー様症状」の初期症状として「気分が悪い」「眼や口唇のまわりの腫れ」「めまい」などの症状が出ることがあります。
「中毒性表皮壊死融解症」「皮膚粘膜眼症候群」「紅皮症(剥脱性皮膚炎)」の初期症状として「水ぶくれ」「眼や口など粘膜のただれ」「全身の発赤」などが現れることがあります。
授乳中に飲んでも大丈夫?
添付文書において授乳婦への投与について特別な記載がありませんし、フロモックスは乳汁移行量も少なく影響は非常に少ないと思われます。
ただし危険性を完全に否定することができないため、医師によっても見解の違いがあるようです。
乳汁移行が一番濃くなるのは、だいた2時間~4時間後であるため「お薬服用前に」「服用後ほとんどすぐ」「服用後5時間以降」に授乳するなどの対策を提案する場合もあるようです。
主治医に確認してみましょう。
飲み合わせ
フロモックスとの併用によって、薬の効果を過剰に働かせる成分としては
・セフィキシム(抗生物質)
・セフジニル(抗生物質)
・ワルファリンカリウム(血栓症予防の薬)
などが挙げられます。
まずは現在飲んでいるお薬を医師に必ず伝えることが重要になります。
アルコールは飲んでもいいの?
肝臓にアルコールが入ると最初にアルコールの脱水素酵素などの働きによって「アセトアルデヒド」という物質に変化します。
「アセトアルデヒド」が体の中を一巡りすると肝臓に再び戻り、水と酢酸に分解され、アルコールが抜けた状態になるのですが「セフェム系抗生物質」の中には、このアセトアルデヒドの代謝を抑える働きを持ったものがあり、薬と一緒にお酒を飲むと、普段は平気なお酒の量でも「吐き気」や「顔面紅潮」などの症状がでます。
場合によっては「頻脈」「低血圧」「呼吸困難」「腹部のけいれん」などの症状が起こることもあります。
お菓子や奈良漬けなどアルコールの入った食べ物でも起こることがあるので、注意が必要です。
もともと抗生物質を飲まなければならないような「病気」の状態でもありますので、お酒は控えるべきですね。
まとめ
フロモックス(成分名:)は、病原菌の増殖を抑え殺菌に有効なセフェム系の抗生物質です。
服用する際は今回記載したように、セフィキシム(抗生物質)、セフジニル(抗生物質)、ワルファリンカリウム(血栓症予防の薬)との飲み合わせに注意しましょう。
抗生物質のお薬であるため、一定期間一定量を服用する事で効果を発揮するため、決められた用法を守ることが特に大切です。
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