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ペントシリン(ピペラシリン)の副作用や効果について!

   

ペントシリンは、一般的な患者さんが自分で服用するお薬ではありません。

ペントシリンは、病院でピペラシリン入りの注射をしたり、点滴を受けたりするという形で投与されるのが通常です。

今回は、ペントシリン(ピペラシリン)の副作用や効果についてご紹介させていただきます。

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ペントシリンとは

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ペントシリン(成分:ピペラシリン)は、ペニシリン系の抗菌薬です。

ペニシリン系の抗菌薬の特徴は、ヒトの細胞にはなく、細菌の細胞に存在する壁の合成を阻害することで、人体への影響を抑え、細菌を死滅させます。

ペントシリンというのはお薬という商品としての名前であり、ピペラシリンは成分の名前です。

ペントシリンは、浸透するという意味を持つpenetrate(ペネトレイト)とペニシリンのシリンを合わせた名前です。

 

効果・効能

ペントシリンは、他のペニシリン系の抗菌薬と同様に、一定の血中濃度を保つことによって効果を得ます。

ペントシリンは唯一、他のペニシリン抗菌薬が効かない緑膿菌に効くという特徴を持っています。

 

緑膿菌の他にも、腸球菌や連鎖球菌にも効果を持ちます。

緑膿菌は効く薬を選ぶグラム陰性菌の中でも特に、薬剤に強い菌です。

病原性自体はとても低く、地球上のあらゆるところに存在している菌であり、健康な人はほとんどその影響を受けません。

緑膿菌に感染してしまうのは、他の病気で免疫力が落ちていたり、小さな子どもや高齢者であったりします。

 

感染するのは弱っている人で、効く薬が限られているという、やっかいな緑膿菌に効く薬として、ペントシリンはとても重宝されています。

 

ペントシリンが効果を持つ菌種は下記になります。

・肺炎球菌・大腸菌・肺炎桿菌・腸球菌属・緑膿菌

・ブドウ球菌属の一部・レンサ球菌属・シトロバクター属

・エンテロバクター属・プロテウス属・セラチア属

・モクガネ・ラモルガニー・プロビデンシア属

・インフルエンザ菌・バクテロイデスモクガネ・ラモルガニー・プロビデンシア属属

・プレボテラ属(プレボテラ・ビビアを除く)

 

ペントシリンが効能を持つとされる症状や病気は下記になります。

・「肺炎」「肺膿瘍」「急性気管支炎」「敗血症」

・「敗血症」「慢性呼吸器病変の二次感染」

・「膀胱炎」「胆嚢炎」「胆管炎」「腎盂腎炎」「バルトリン腺炎」

・「子宮内感染」「子宮付属器炎」「子宮旁結合織炎」

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製品例は

ペントシリンは注射液や静注用(点適用)があります。

いずれも大正富山製薬株式会社から出ています。

製品名はペントシリンで、

・ペントシリン注射用1g、ペントシリン注射用2g

・ペントシリン静注用1gバッグ、ペントシリン静注用2gバッグ

があります。

 

ペントシリンは1980年より発売開始し、代表的な注射用のペニシリン系抗生剤として、呼吸器系から婦人科系まで幅広い感染症に用いられ、世界中で高い評価を得ている薬剤です。

注射用は通常は静脈に注射しますが、筋肉注射も可能との事。

 

ペントシリンは、病院での点滴や注射で使われるお薬のようです。

一般の患者さんが薬局で処方されて自分で服用するというお薬ではないということですね。

 

用法・用量

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成人の場合は通常、ペントシリンの成分であるピペラシリンナトリウム一日あたり2~4gを2~4回に分けて投与します。

この場合、静脈内に注射しますが、筋肉内に注射することも出来ます。

重症感染症など特別の場合は症状に応じて、4gを一日4回まで増やして静脈内に投与します。

 

小児の場合は、体重1kgあたりにつき一日に50~125mgを2~4回に分けて静脈内に投与します。

重症感染症など特別の場合には症状に応じて、体重1kgにつき一日300mgまで増やして、3回に分けて静脈内に投与します。

この時一回投与量は、成人の投与量である4gを上限とします。

 

注射用、静注用バッグいずれも、ピペラシリンナトリウムとして上記の量で使用します。

静注用は点滴用なので生理食塩水に含まれるピペラシリンナトリウムの量を示します。

 

注意すべきなのは、筋肉内に注射することが出来るのは注射用ペントシリン1gと注射用ペントシリン2gの、成人に対する通常の一日2~4gを2~4回に分けて投与する用法に限られているという点です。

 

使用上の注意

禁忌、慎重投与、併用注意があげられます。

このペントシリンによってショック症状を起こした事のある人、伝染性単核球症を患っている人には使用できません。

また、ペニシリン系の抗生剤で過敏症を起こした事のある人には原則的には使用不可ですが、どうしても使用しなければならない場合は、厳重な注意が必要です。

 

以下の場合投与出来ないわけではありませんが、注意が必要です。

・セフィム系抗生剤に過敏症を起こした事のある人

・本人又は両親兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹などのアレルギー反応を起こしやすい人がいる場合

・高度の腎障害のある人

・全身状態のよくない人や口からの食事が摂れずビタミンKが不足している可能性のある人

・出血しやすい人

・肝障害のある人

上に挙げた人に使用する場合はペントシリンナトリウムによってそれぞれ障害を起こす可能性があるため、注意が必要です。

 

また、静注用バッグの場合、生理食塩液に注意が必要なのが、

・心臓、循環器系障害のある人

・腎障害のある人

です。

 

また、以下のお薬との併用はその効能を増強させるため注意が必要です。

・メトトレキサート

・抗凝血薬ワルファリン等

 

ペントシリンを投与する際、

・ショック、アナフィラキシー症状などは予期できないため、抗生剤などを含めたお薬にアレルギー歴がないかの確認

・投与中にショック症状が起きた際に対処できる救急処置の準備

・安静な状態での投与

・投与中、特に投与直後の患者の状態の観察

以上の事が重要な基本的注意としてあります。

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副作用

主なものとして、発疹、ASTの上昇、ALTの上昇、発熱、白血球の現象があります。

用量の多い重症感染症の場合には、下痢、肝機能異常なども報告されています。

 

重大な副作用として、全体の0.1%未満ですが、ショック、アナフィラキシーとして呼吸困難やそう痒等、無顆粒球症、血小板減少、肝機能障害、黄疸が報告されています。

 

まとめ

ペントシリン(成分:ピペラシリン)は、ペニシリン系の抗菌薬です。

 

ペニシリン系のお薬は他の抗生剤と比べて効き目が分かりやすい反面、副作用が出やすいとされています。

患者さんの症状から原因となる細菌を推測したり、検査によって特定し、抗生剤の種類は選択されますが、体質や患っている病気によっては注意が必要であるため、気になる点は質問し、ご自身の体質やお薬のアレルギー歴がある場合などは必ず報告しましょう。

また、副作用は客観的に分かりやすいものだけとは限らないため、投与中や投与後に気になる点、不快感などがあった際は担当の医師に報告、相談することが大切です。

 

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