耳鳴りとめまいがする原因と病気との関係は?
三半規管(さんはんきかん)という言葉を聞いたことはありますか?
耳のなかにある器官で、体の平衡感覚を司る部分です。
耳は音を聞きとるだけでなく、体のバランスをとる機能も持っているのです。
耳鳴りやめまいがしたときに行くのは、まずは耳鼻科です。
それは、耳鳴りやめまいの直接的な原因は、耳の中のトラブルであると考えられるからです。
では、耳鼻科へ行けば確実に耳鳴りやめまいの原因が判明するのでしょうか?
実は、そうとは限りません。
耳鼻科では三半規管などに異常があるかどうかを調べるかも知れませんが、耳鳴りやめまいが起きていても、内耳や中耳に異常がみられない場合もあるのです。
それでは、耳鳴りとめまいは一体何が原因なのでしょうか?
今回は、耳鳴りやめまいついて、耳の中のトラブル以外の原因も含めてお話します。
目次
耳鳴りやめまいの症状がみられる病気とは
耳鳴りとめまいがセットで表れる病気には、主にメニエール病、うつ病などがあります。
このいずれも自律神経の障害が関係していると言われています。
また、血液や血流の異常によって耳鳴りやめまいが起きる事もあり、高血圧、低血圧、糖尿病などが原因となっている事も考えられます。
耳鳴り単独だけですと、
・耳垢栓塞(耳垢の詰まりによる)
・外耳道炎(引っ掻き傷が細菌感染による)
・聴神経腫瘍(脳に近い部分に腫瘍が出来て起きる)
・耳官狭窄症(耳の中と外の気圧調整のための弁が閉じたままになることで起きる)
・中耳炎(鼓膜付近のトラブル全般)
等々、耳の中で起きているトラブルが直接的な原因も多くみられます。
しかし、めまいも伴う耳鳴りの場合、直接的な原因として考えられるのは耳の内部の血流の悪化であったりして、どうしてそうなってしまっているかという元になる原因が曖昧であることが少なくありません。
もしも、耳鳴りとめまいの症状が出て耳鼻科で検査をし異常がないと言われたら、体全体で異常がないという意味ではありません。
耳鼻科は、耳の中の異常が治療するところなので、耳の中に異常がみられなければ手が出せないということに過ぎません。
この場合、耳鳴りやめまい以外の症状がないかどうか考えましょう。
耳鳴りやめまいの原因が耳鼻科で分からない場合は、
・脳神経外科
・内科
・心療内科
などが原因解明と治療に有力です。
原因は分からない!?精神的な要因によって耳鳴りやめまいが起きている場合
精神的な健康、肉体的な健康は密接に関連しています。
この健康というものを司るのが自律神経です。
自律神経は交感神経と副交感神経からなり、この2つがうまくバランスをとっています。
そして、どちらがより重要ということではなく、両方とも大切です。
昼間は交感神経が働き、活動的になり、夜間は副交感神経が体を休める働きをします。
この切り替わりが上手くいかなくなると、体中の機関の働きがおかしくなってしまいます。
例えば副交感神経は食欲を増大させ、交感神経は食欲を抑えます。
そして、副交感神経は血圧を低下させます。
それによって、耳の内部の血流が悪くなってしまい異常きたし、耳鳴りやめまいが生じる、というような非常に間接的で判りにくい仕組みで起きることがあるわけです。
自律神経のアンバランスは体調不良を招き、それは自律神経失調症と呼ばれています。
一般に有名なうつ病は、この自律神経失調症を発端としています。
つまり、自律神経失調症の段階であっても、うつ病となっていても同種の耳鳴りやめまいが生じたりするのです。
ストレスが原因!?メニエール病の場合
メニエール病もその全貌が明らかにされていない病気の一つですが、ストレスによる事が多いという事がわかっています。
特徴的なのは、耳の内部のリンパが増え、水膨れの状態になっていることです。
また、症状としては繰り返しめまいが生じることがあげられます。
耳の中の水膨れは、その水膨れが出来る場所によってめまいのみ感じさせたり、耳鳴りだけが起きたりします。
原因不明の病気の一つであり、知る人も多くなってきているメニエール病がありますが、このメニエール病は、何度も繰り返しめまいが起きることが特徴です。
血液や血流の異常が原因の場合
血管の収縮、拡張にも自律神経のバランスは密接に関係しているのですが、上に挙げた以外の病気で血液や血流の異常が原因の病気の症状としては、耳鳴りやめまいが生じる場合があります。
その代表的なものに糖尿病があげられます。
この場合、血圧をうまく保つ事が困難になり、めまいなどを起こします。
糖尿病は血糖値が上がる病気として有名ですが、この血糖値の上昇が、体に害となる物質を血管や神経細胞に蓄積させてしまいます。
それにより自律神経の障害を含む神経障害をはじめとした様々な障害に繋がります。
耳鳴りやめまいはその症状の一つです。
糖尿病以外でも、血圧や血液の障害が耳の内部の機関を狂わせ、耳鳴りやめまいの原因となったりすることがあります。
危険!脳腫瘍の初期症状としての耳鳴りやめまい
脳腫瘍の初期症状の一つに、耳鳴りやめまいがあります。
この他にも、起床時の吐き気、手足の痺れ、視力の低下、慢性的な頭痛など色々な症状があるため、それらと合わせて耳鳴りやめまいが生じている場合は要注意です。
脳腫瘍というと突然出来る恐ろしいものという印象がありますが、脳神経外科で画像検査や病理検査をし、初期の段階であれば切開手術をせず放射線治療で治すことが出来るといわれています。
耳鳴りやめまいは体からの重大なSOSかも知れません。
気になるところがあったら、その他にも体に異常がないかどうか慎重になり、見過ごすことのないようにしたいものです。
まとめ
耳鳴りやめまいは、軽い場合は見過ごしてしまったり、重症であっても他人からは全く分からないことが多いため、扱いにくい症状かも知れません。
しかし、客観的に分かりにくいものであるからといって無視して良いものではありません。
耳鳴りやめまいの元となる原因は、ストレスであることが多いため、まずは充分な休養が大切です。
我慢し何かを頑張りつつ治すことは根本的に不可能であると考えてまず間違いないでしょう。
その上で長く症状が続く場合は、耳鼻科や内科、場合によっては脳神経外科、心療内科などを受診しましょう。
関連記事としてはこちらをご参考下さい。