頭痛と吐き気がひどい!考えられる病気もチェック!
「頭痛」と「吐き気」、実に不快な症状ですよね。
原因は、心配ないものから、すぐに病院に行くべきものまでさまざまですが、それぞれの特徴を把握しておくと、病院での速やかで的確な診断の手助けになります。
今回は、頭痛と吐き気から考えられる病気をご紹介させていただきます。
タイプ別に、わかりやすく、まとめてみましたので、ぜひ目を通してみてください。
お酒とたばこ
お酒の飲みすぎによって起こる頭痛や吐き気などの原因は、体内でアルコールが分解されるときに出る有害物質「アセトアルデヒド」が発症する事が関係していると言われています。
タバコにもこの物質は含まれており、よくお酒とたばこを一緒に吸う人は、さらに症状はひどくなる可能性もあります。
心当たりのある方は、生活習慣を改善したほうがよさそうですね。
片頭痛
命にかかわるようなものではありませんが、日常生活に支障が大きく、日本人の8.4%が悩まされているといわれている頭痛が、この「片頭痛」です。
「ズキンズキン」「ガンガン」と頭の片側だけに脈打つような痛みが続きます。
片側だけの場合が多いのですが両側に起こる場合もあります。
「吐き気」や「嘔吐」などの症状を伴うことが多いという特徴があり、普段は気にならない程度の「光・音・臭い」などを不快に感じることがあります。
前兆として、閃輝暗点と呼ばれる目の前が眩しくてチカチカして見えずらい現象が起こります。
(対応について)
・「過労やストレスを避ける」「規則正しい生活を送る」「光・音・臭いなどの刺激をできるだけ避ける」
などのセルフケアを行います。
症状がひどい場合には、病院で予防薬や治療薬を処方してもらいます。
「サプリメント」や「ハーブ」、「漢方薬」なども効果があると言われています。
高血圧
高血圧だと言われてもあまり気にしない方も多いかもしれません。
でも実は、高血圧は別名で「サイレントキラー(沈黙の殺人者)」とも呼ばれるほど恐ろしい病気なのです。
ほとんど自覚症状がないのが特徴なのですが、知らぬ間に進行して、他の病気を併発し、気づいたら命にかかわる事態になっていたというケースもまれではないため、こう呼ばれているのです。
高血圧において何らかの自覚症状が出ていたら、かなり症状が進行している可能性が高く、合併症には後述する「くも膜下出血」なども含まれています。
念のために早めに受診するようにしましょう。
緑内障
「緑内障」とは眼の奥にある「視神経乳頭」と呼ばれる部分や「視野」において特徴的な変化をきたす病気だとされています。
その原因には、
・「眼圧が高いこと」「視神経乳頭の循環不全」「視神経乳頭部の脆弱性」
などが挙げられます。
なかでも「急性緑内障発作」と呼ばれる眼の中の圧が急激に上がるタイプの緑内障では、「視力低下」や「眼痛」などと同時に、「頭痛」「嘔吐」などの症状が起こるため、脳の病気などを疑われて、他の科にまわされ、対応がおくれるケースもあります。
(対応について)
診断が確定すれば、眼圧を下げるための「点滴治療」「目薬の治療」「レーザーの治療」などを行い、必要であれば「手術」を行います。
放置すると、失明に至りますので、早急な対応が必要です。
普段から、眼科において定期的な検診を受けておくことが最善の予防策であると言えます。
脳炎や髄膜炎
「脳炎」は実際に発病することはまれですが、もし発病した場合には、命にかかわることがある深刻な病気です。
「髄膜炎」は、脳の表面を覆っている「髄膜」に炎症が起きる病気で、風邪やおたふく風邪、中耳炎や風疹、麻疹などの合併症としてよく知られている病気です。
ウイルス性と細菌性に分類されますが、特に細菌性のものは重症化しやすく、進行も早いため、注意が必要です。
主な症状としては、どちらも頭痛、高熱、嘔吐になります。
「脳炎」の場合は、他にもけいれんや幻覚、麻痺、失語症、知能障害、異常行動
などがみられ、
「髄膜炎」の場合には、首が固くなるという症状が特徴的であるとされています。
(対応について)
どちらの場合も、早急に的確な診断を行って、治療を開始する必要があります。
「脳炎」に関しては、「ヘルペスウイルス」以外のウイルスが原因の場合、特効薬がないため「対症療法(病気の原因を取り除くのではなく病気によって起きている症状を和らげたり、なくしたりする治療法)」のみとなります。
特に日本脳炎は、肺炎などの合併症を起こしやすく、後遺症も残しやすいので注意が必要です。
「髄膜炎」に関しては、同じく「ウイルス性」のものは対症療法のみになりますが、このタイプは比較的軽いことが多いと言われています。
一方、細菌性の髄膜炎に関しては抗生剤を使用します。
慢性硬膜下血腫
頭蓋骨と脳を包んでいる「硬膜」という膜の間で、徐々に血液がたまり、血腫になってしまう病気です。
原因としては、軽い頭部打撲などが考えられ、直後は無症状か軽い頭痛程度の症状であることが多く、その後3週間~数カ月かけて血腫がつくられて、頭の中の圧が高くなり、「頭痛」「吐き気」「嘔吐」などが現れます。
圧迫の状態によっては、「半身の麻痺」「言語障害」「元気がなくなる」「認知症のような症状」などが起こります。
血腫が増大すれば、最終的には死に至る恐ろしい病気です。
(対応について)
血腫が少量で症状が軽い場合には、経過観察とすることもありますが、通常は局所麻酔下の手術が行われます。
症状が重い場合は、緊急手術を行いますが、一般的には予後が良好であるとされています。
くも膜下出血
脳の表面を覆う層の中間にある膜を「くも膜」と言います。
そのくも膜と脳の間にある脳動脈瘤などが破裂して、血管が切れると「くも膜下出血」といい、発症するとするとおよそ3分の1が死亡し、3分の1が障害を残すと言われている深刻な病気です。
「頭痛」「嘔吐」「意識障害」が主な症状であり、特に頭痛は「バットで殴られたような激しい痛み」と表現されるように、かなりの痛みを伴います。
(対応について)
突然起こった強い頭痛の場合は、この病気の可能性がありますので、すぐに受診しましょう。
「CTスキャン」「腰椎穿刺」「脳血管撮影」などの検査を行い、手術をして再破裂の防止を行います。
手術後も合併症を起こす可能性があるため、注意が必要になります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
一言で頭痛といっても、日常生活の乱れからくる頭痛もあれば、命にかかわる重大な病気の可能性もあります。
脳に異常があったりする場合は自己判断できるものではありませんので、頭痛と吐き気が続く場合は早めに脳神経科で検査を受けましょう。
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