食あたりで発熱や頭痛!原因となる5つの細菌もご紹介!
2016/03/17
食あたりで熱が出たり、頭が痛くなった経験はありませんか。
そもそも食あたりでお腹が痛くなるのは、なんとなく理解できますが、熱が出たり、頭まで痛くなるのは不思議ですよね。
熱が高くなったり、頭痛がひどくなったりすると、もしかしたら重症なのかもしれないと不安になる人もいるかもしれません。
今回は、食あたりでなぜ発熱や頭痛がするのかについてご紹介させていただきます。
食あたりにおける発熱の原因は2つ
食あたりで熱が出る場合は主に2つで
①細菌が原因になっている
②食物アレルギーが原因になっている
この2つが考えられます。
一般的な食あたりとは、①の細菌が原因となっているものを指していることが多いと思います。
そのため、今回は細菌を原因とした食あたりにおける発熱と頭痛の原因をピックアップします。
ちなみに、②の食物アレルギーが原因の場合、2回目はさらにひどい反応が起こる可能性があるので、アレルギーを引き起こす原因となる食べ物を見つけ出す必要があります。
「これは細菌が原因ではなさそう」と感じたり、アレルギー反応に思い当たることがあれば医療機関を受診してください。
発熱や頭痛の原因となる5つの菌
食あたりの原因となる細菌の種類によって、熱や頭痛の症状が出るものと出ないものがあります。
熱や頭痛が出る、細菌と感染源となる食品の例としては、
・サルモネラ菌・・・食肉や鶏卵
・カンピロバクター・・・鶏肉や飲料水
・エルニシア属菌・・・牛乳、乳製品、食肉
・ノロウイルス・・・牡蠣などの二枚貝
・腸管出血性大腸菌(O-157など)・・・生肉や生水
が主な食あたりの菌の例です。
特にサルモネラ菌の場合は38℃以上の高熱がでるかもしれません。
ただ、他の菌でも下痢や嘔吐に伴う脱水によって発熱する場合もありますし、その人の体質によるところもあるので、この菌だから絶対熱が出る、出ないとは限りません。
食あたりの下痢や嘔吐の症状が出てきた上に、熱や頭痛が出てきたら「ただ事じゃない、重症なのかも…」と不安になる人もいると思います。
しかし、熱や頭痛だけでは重症かどうかは決められません。
熱が出るものの中にはサルモネラ菌や腸管出血性大腸菌など、重症化すると命に関わってくる菌もありますが、熱が出ないとされている菌でも、ボツリヌス菌やブドウ球菌、最近の日本ではみられなくなりましたが、コレラなどきちんと治療しなければ重症化してしまう恐ろしい菌もあるのです。
熱や頭痛のメカニズム
少し専門的な話になりますが、食あたりとなる細菌が身体の中入ってくると、その最近は身体にとって異常なものなので排除しようと、白血球をはじめ身体のなかの免疫細胞が働き出します。
免疫細胞が働きだすと、さまざまな物質が放出されますが、その中のひとつにサイトカインというたんぱく質があります。
このサイトカインは「大変だー!細菌が入ってきたぞ!!」と脳に伝えるために、血液の流れにのって脳の中の視床下部というところに向かいます。
ところが、脳を有害物質から守るための血液脳関門という網のようなものがあり、サイトカインはその血液脳関門を通り抜けることができないので、視床下部にはたどり着くことができません。
そこでサイトカインは血液脳関門を通ることができる、プロスタグランジンというホルモンを作りだし、視床下部に細菌が入ってきたことを伝えるのです。
そして視床下部にある体温調節中枢が働きかけ、体温が上がる、発熱するという仕組みになっています。
また、サイトカインやプロスタグランジンには熱を出す他にも、血管を広げる作用があり、これが頭痛の原因になっていると考えられます。
プロスタグランジンは痛みを感じやすくする作用もあり、これも頭が痛いと感じる一因でしょう。
ただ頭痛に関しては、これらの影響のほかに、細菌が直接作用している可能性や、脱水に伴い起こる可能性もあるため、原因を断定するのは難しいと言われています。
症状は命を守るためのサイン
食あたりによって発熱や頭痛が起こる背景には、身体が細菌と戦ってくれている状況があります。
発熱すると身体がだるくなったり、頭が痛いと動くことが辛くなったりしますよね。熱が出ることで原因となる細菌やウイルスの活動は弱まり、逆に白血球の働きは活発になります。
だから発熱や頭痛は「敵が入ってきたよ、今頑張って戦ってるよ」という身体からのメッセージなのです。
細菌と戦うためには、いつもより多く休憩や栄養をとることが必要だったり、場合によっては薬の力で免疫細胞の手助けをしてあげることが必要だったりします。
まとめ
食あたりによる発熱や頭痛には、細菌自体の作用や、自分の免疫細胞が細菌と戦う上で生み出されるサイトカインの作用、また嘔吐や下痢による脱水症状の影響など、いくつかの原因がありました。
熱が出たから、痛みが強いから、といって必ずしも重症とは限りませんが、熱や痛みは身体からの非常事態のメッセージだと思ってください。
いつもと違うな?と感じたら、普段よりもゆっくり休む時間をとって身体を労わったり、早めに内科を受診したりしましょう。
食あたりに関しましてはこちらの記事もご参考下さい。