耳たぶのしこりが痛い!原因は?何科に行けばいいの?
耳たぶにしこりができた!?
一体何が原因なのでしょうか?
しこりっていうと腫瘍が思い浮かび、悪性だったらどうしよう…?と考え始めると止まらなくなってしまうかも知れませんね。
今回は、耳たぶに出来るしこりについて、その原因や何なのか、専門の科は何科なのかをご説明しましょう。
目次
耳たぶに出来るしこりの種類とは?
耳たぶに出来るしこりの正体は、
・粉瘤(ふんりゅう)
・痛風によるしこり
・肉芽
とあり、一番多いのが粉瘤(ふんりゅう)です。
耳たぶに出来るしこりのほどんどが、粉瘤(アテローム)と呼ばれる良性の腫瘍になります。
粉瘤以外のしこりで他に考えられるのは、痛風によるものと、ピアスが原因である肉芽です。
ピアスの場合は、ピアスの穴の部分やすぐ側に出来るので、これが原因であるとすぐに気付くと思います。
それではまず、耳たぶに出来るしこりの大分部を占める粉瘤について詳しくご説明しましょう。
粉瘤とはどのようなしこり?
粉瘤のしこりの中身は、古い角質です。
つまり垢ですね。
皮膚の老廃物である角質は、通常であれば自然に皮膚の表面に持ち上がってきて、垢となって剥がれ落ちます。
しかし、粉瘤は何らかの原因があって、皮膚の一部に袋状のものが出来、その袋の中に垢が溜まって出なくなってしまうことで発生します。
粉瘤の見た目は、プクッ膨らんだだけで皮膚の色と差がない小さなものから、赤くなっていたり、数cmから十数cmにも及ぶ大きなものまであります。
十数cmのしこりが突然現れる訳ではないので、そうなるまでに気付くのが通常です。
その見た目は、小さな段階のものはニキビやオデキに似ています。
しかし粉瘤と、ニキビやオデキとの違いはさわった感触でわかります。
ニキビは皮脂が溜まったものですし、オデキは毛穴に細菌などが入り化膿したもので膿なので、これらは触ると比較的柔らかいのですが、粉瘤は硬いです。
また、粉瘤にはヘソと呼ばれる黒い点が見られるのがほとんどです。
ヘソは粉瘤の原因となる袋状のものの開口部で、そこから中身が出てきたとき、臭みを放つのも特徴です。
ヘソができない場合もありますが、ヘソがある粉瘤の場合、そこから細菌などが入り混み化膿してしまうことがあります。
「粉瘤の原因」
粉瘤が、何らかの要因があって皮膚が捲れ込んで袋状の構造物が出来、そこに垢が溜まって出来るというのは分かっているのですが、何故その袋状のものが出来てしまうのかは明らかになっていません。
何度も同じ場所に粉瘤が出来てしまうことが多いことから、体質や遺伝によるものであるという説や、ストレスなど突発的な事が原因で出来てしまうこともあると言われています。
「粉瘤の治療方法」
粉瘤の治療は皮膚科や形成外科で行われます。
粉瘤の中身は垢で、粉瘤の袋の開口部であるヘソは自然に開く訳ではないので、完治させる為にはヘソを切り開いて中の垢を出し、そのあと垢の溜まっていた袋状のものを取り除くという手術が必要とされています。
何だか恐ろしいですね。
しかし残念ながら、ニキビのように清潔にすることで治ったり、オデキのように抗生剤などの投与で治る訳ではない上に、放置していると次第に大きくなってしまう事が多いのが粉瘤です。
大きくなってしまった粉瘤の除去手術では、開口部の塞合で跡が残る可能性もあるので、
・触った感じが硬い、しこりの表面に黒い点がある
など、粉瘤かも知れないと思ったらなるべく早く、しこりが小さい内に皮膚科や形成外科で診てもらいましょう。
化膿してしまった炎症性の粉瘤の場合は、まず抗生剤で炎症を鎮めた上で手術が行われます。
粉瘤は良性の腫瘍なので、小さく目立たず、変化がなければ様子を見ることもありますが、サイズが変化したり痛みが出たりしたら、早めの治療が大切です。
痛風が原因のしこりについて
痛風は体の末端に尿酸がたまるのが特徴です。
足の親指や肘の関節などと共に、耳たぶのしこりも痛風の初期症状として有名です。
体温が高ければ血液中の尿酸は溶けやすいのですが、耳たぶなど体の末端は冷えやすく、尿酸は滞りなくやすくなります。
尿酸は血中濃度が一定以上になると結晶化してしまいます。
それがしこりとなってしまうのです。
最初は米粒大でも放っておくとそら豆のような大きさになってしまうことがあります。
指で触れてコリコリと感じられる段階では既に尿酸値がとても高い状態です。
耳たぶのしこりが痛風によるかも知れないと感じたら、足の親指の付け値や足首などにムズムズとした違和感がないか確認しましょう。
痛風かも知れないと思ったら、まずはかかりつけの内科に受診しましょう。
痛風の検査では、尿検査や血液検査によって尿酸値の測定が行われます。
総合病院では痛風外来やリウマチ科など、より専門的な科があったりしますが、内科で検査をした上で総合病院や専門科の病院に紹介状を書いてもらうというのがスムーズな手順となるでしょう。
痛風の治療は、主に食事の改善や生活習慣の見直しを前提に、尿酸を排出する薬の投与などが行われます。
耳たぶだけだから大丈夫と思って放っておいたら全身が痛い!?という事にならない為にもなるべく早めに受診することが大切です。
ピアスが原因!?肉芽(にくが)によるしこり
耳たぶに出来るしこりで、原因が分かりやすいものに肉芽があります。
人の体にとってピアスの金属は異物です。
通常であれば体内に異物が混入すると、排出しようと体は働きますが、ピアスは付いたままなので、体の力では排除出来ません。
その場合、今度は体は異物である金属を取り囲むように細胞や血液で組織化して体内で隔離し、悪影響を防ごうとします。
そのようにして、ピアスの穴の部分やすぐ側に出来るのが肉芽です。
ピアスが原因で肉芽が出来てしまったら、ピアスを止めるのが一番ですが、穴が塞がってしまうのが嫌であれば金属製のピアスを止め、樹脂製のものに変えてみましょう。
肉芽は異物を排除し、患部の血行をよくすることで自然治癒する可能性が高まります。
自然に治らない場合は、皮膚科や形成外科で治療しましょう。
注射で肉芽を小さくしたり、切開により取り除く手術が行われます。
まとめ
耳たぶに出来るしこりは、原因不明である粉瘤がほとんどで、まれに痛風で尿酸が結晶化したものであったり、ピアスによるという心当たりがある場合もあるでしょう。
耳たぶは体の末端で、目立たない場所ではありますが、体の何処であれ異変が起きるというのは、何かしらの原因や意味のあるシグナルであると考えられます。
しこりが小さいうちは様子をみていても大丈夫かも知れませんが、変化がないか把握し、痛みや大きさの変化が表れたら早めに受診することが重症化を防ぐためにも、完治させるためにも重要です。
耳たぶにしこりが出来たときは、皮膚科や内科での治療が可能です。
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⇒耳たぶの粉瘤(アテローム)の原因と治療法!ニキビとの違いは?