耳たぶの粉瘤(アテローム)の原因と治療法!ニキビとの違いは?
「粉瘤」という言葉自体あまり聞いたことがない方も多いかとは思います。
粉瘤は良性腫瘍の一つで、さほどめずらしいものではない一般的な腫瘍なのだそうです。
初期のものは一見、ニキビのようにも見えるそうですが、放置しておくとやっかいなことになるため、早期に対処することが必要です。
今回は、耳たぶに粉瘤ができる原因や治療法についてご紹介させていただきます。
もしかして?と思う方はぜひ読んでみてください。
【粉瘤って何?粉瘤ができる原因とは?】
粉瘤(ふんりゅう)とは「表皮嚢腫(ひょうひのうしゅ)」「アテローム」「アテローマ」などとも呼ばれている皮膚の良性腫瘍の一つです。
皮膚は「表皮」「真皮」「皮下脂肪」の3層から出来ています。
その中の「表皮」は細胞分裂を繰り返して、角質層となり、最後は「あか(垢)」とになって脱落するのですが、「粉瘤」は表皮でできた袋のような腫瘍の中に「あか」がたまっている状態です。
表皮の袋ですので、身体のどの部分にでもできる可能性がありますが「頭部」「顔面」「背部」などに多いとされており、多発する場合は「耳たぶ」「わきの下」「お尻」などにできやすいようです。
特別めずらしい腫瘍というわけではなく、粉瘤ができているが、本人が粉瘤だと気づいていないというケースは案外多いようです。
粉瘤ができる原因については、いろいろな説があるものの、その他の良性腫瘍と同様にはっきりとしたことはわかっていません。
打撲などの物理的な刺激が原因になる例もあれば、疲労やストレスが原因になるとも言われています。
【粉瘤は放置していいの?】
良性の腫瘍なら放置してもいいのではと考える方も多いかもしれません。
しかし、基本的には一度皮膚科できちんと診てもらうことをお勧めします。
その理由を説明しますね。
粉瘤は初期の段階では皮下にしこりがみられる程度ですが、自然に消えることはなく、少しずつ大きくなります。
中には急に大きくなるケースもあります。
また、炎症や感染を起こすと赤くなって腫れたり、痛みが出てきたりします。
最悪の場合、破裂して膿が出てくることもあり、内側に向かって破裂して体内に膿が入った場合、リンパ管炎を引き起こしたりしますので、注意が必要です。
ごくまれにですが、巨大化して癌になることもあるそうです。
【粉瘤の治療法とは?気をつけることは?】
ちょっと不安にさせてしまったかもしれませんが、基本的には恐れるような病気ではありません。
ただし、完全に治療するためには、手術で袋自体を切除しなければなりません。
小さいうちに手術をした方が、術後の痛みも少なく、手術料金も安くて済むし、跡が残りにくいとのことですので、受診するなら早めにしたほうが良いでしょう。
手術を勧められて、怖くなって断ったという人も案外多いようですが、放置しておいてよいことはなにもありません。
徐々に巨大化する粉瘤に日々悩むくらいなら、速やかに手術をした方がよいと思います。
また、粉瘤の中身を無理に押しつぶしたりすると、中から出てくる老廃物(積年のあか(垢)が此の正体です)が出てきますが、この老廃物はかなりキツイ匂いがするようです。
手を洗ってもすぐには取れないほど強烈だとのことですし、無理して押しつぶすことにより、細菌感染を起こすことにもなりかねませんので、自身でつぶす行為は絶対に辞めましょう。
ニキビとは?
尋常性ざ瘡(じんじょうせいざそう)という皮膚の病気であり、毛包(毛の根元にある袋状の部分)や皮脂腺が炎症を起こしている状態です。
原因としては、
・「過剰な皮脂の分泌」「毛穴の出口が角化してつまる」「ニキビ菌の繁殖」「男性ホルモン」
などがあげられます。
粉瘤とニキビの違いとは?
できはじめの粉瘤は見た目がニキビと非常によく似ています。
実際に、ニキビ跡から、粉瘤に発展することもまれにあるそうです。
見分け方にはどのようなポイントがあるのでしょうか。
以下に挙げてみたいと思います。
①粉瘤の場合、皮膚の表面に「開口部」と呼ばれる穴が開いており、黒い点にみえることが多いですが、ニキビにはありません。
②粉瘤の自覚症状には「皮膚の下にしこりを感じる」というものが多く、実際に袋状のしこりは外側から指でつまめることもあるようです。
一方ニキビの場合は、毛穴の奥に詰まった皮脂や膿がしこり状になることはありますが、袋状の粉瘤と違い、完全に指でつまむことはほとんどできないようです。
③粉瘤の場合、袋状の開口部がふさがっているため、どんどん老廃物がたまり、巨大化していきます。
また、先述したように内容物は老廃物なので、臭いがキツイことが多いとされています。
「ニキビだと思っていたけど、どんどん大きくなるし、なんだか臭いにおいもする」と感じたら、粉瘤の可能性が高いと言えます。
まとめ
粉瘤は、表皮の袋のような腫瘍の中に「あか」がたまったものです。
耳たぶにしこりを感じる場合の多くは、この粉瘤になります。
基本的には危険なものではありませんが、徐々に大きくなってきたり炎症を起こして腫れることもあります。
自然と治ることは期待できないので、どうせなら小さいうちに除去してしまいましょう。
その際、自分でつぶすような行為は感染症の原因となるのでNGです。
耳たぶに粉瘤ができたときは、皮膚科を受診しましょう。
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