耳たぶがかゆい4つの原因とは!病気の可能性も・・!
2016/08/03
「耳たぶ」は熱いものに触れた時、思わずつかんでしまう場所ですよね。
また、ピアスやイヤリングをつけるときには意識する場所ですが、それ以外の場面ではあまり気にとめない場所かもしれません。
今回は、そんな耳たぶにかゆみを感じる原因をいくつか挙げてみたいと思います。
耳たぶとは?
「外耳」の構成要素で「耳介(じかい・一般的に耳と呼ばれている部分)」の下部に垂れ下がった柔らかい肉の部分を指します。
「耳朶(じだ)」「耳垂(じすい)」「耳たぼ(みみたぼ)」などと呼ばれることもあります。
ちなみに、人間の耳たぶの付き方には、頭部から離れて垂れ下がる形となる「分離型」と、頭部となだらかにつながった輪郭を描く「密着型」とがあり、これらは遺伝によって決定されるのだそうです。
また「分離型」のうち、特に分厚く肉付きが良いものは東洋では「福耳」と呼ばれており、金運に恵まれ、福運があるとされています。
熱いものに触れた時にとっさに耳たぶに触れて冷却することはよく知られていますが、それは、耳たぶが人間の体の中で最も体温が低い部分であると言われるためなのだそうです。
ピアスなどによるトラブル
よくあるのが、ピアスによるトラブルです。以下にその具体的な例を挙げてみましょう。
≪ピアス穴の細菌感染≫
ピアスの付け替えなどの際に出来てしまった傷口から、細菌感染を起こした状態です。
耳たぶの「かゆみ」以外にも、
・「痛み」「ピアス穴の周囲が赤く腫れる」「膿がでる」
などの症状が起こります。
皮膚科を受診して、抗生物質の内服やシリコンチューブの挿入などの適切な治療を受けるべきです。
≪金属アレルギー・消毒薬のかぶれ≫
金属アレルギーとは、発汗などよりイオン化された金属が皮膚に吸収され、アレルギー反応を起こすことです。
ピアスの穴をあける際には、傷口に金属が直接触れるため、金属アレルギーを引き起こす可能性が高いと言われています。
一旦アレルギー反応を起こすと、その金属に体が反応しやすくなります。
したがって、ネックレスやブレスレットなどですでにアレルギーを起こしたことがある方は、ピアスを使用するとアレルギーを起こす可能性が高いと考えるべきでしょう。
また、消毒薬のかぶれは、市販のスプレー式消毒薬を使用した人によく起こるようです。
どちらの場合も赤くただれて、痒みや痛みを伴うなどの症状が起こります。
≪ピアスによるケロイド≫
ピアス穴の範囲を超えて、皮膚が赤く硬く盛り上がり、時にかゆみや痛みなどを伴うものです。
耳たぶはケロイドができやすい部位の一つなので、体の他の部位にすでにケロイドが出来ている方は、ピアスの穴をあけるとケロイドができる可能性が高いと言われています。
小さいうちには圧迫やステロイドの注射などの治療で改善を試みることもできますが、大きくなって耳たぶの変形を起こしてしまったような場合には、手術が必要となります。
金によるアレルギーの場合は、ケロイドと似た症状を呈することがあり、かぶれが見られずにしこりだけできるというケースもあるためケロイドとの鑑別が必要です。
耳たぶの粉瘤
皮膚の良性腫瘍の一つであり、細菌感染を起こすと痛みやかゆみを伴うことがあります。
自然に消えることはなく、少しずつ大きくなるのが一般的で、根本的な治療は手術による切除のみになります。
小さいうちに手術を行った方が、痛みも少なく、傷跡も小さくてすみますので、早めに皮膚科を受診してみてもらうと良いでしょう。
痛風
耳たぶが腫れたり、しこりができたり、痒みや痛みを伴う場合は「痛風」の可能性があります。
「痛風」になると、血液中の尿酸の濃度が高くなり、白血球が尿酸の結晶に対して攻撃を行うため、白血球が壊れて炎症を起こします。
この現象が痛風の痛みの原因だとされているのですが、耳たぶは、心臓から離れており、外気に触れやすく冷えやすいため、尿酸が結晶化しやすいとも言われており、それが「痛風になると耳たぶに症状が出る」と言われている原因です。
尿酸値が基準の7.0を超えたら、要注意たと言われていますが、尿酸値が高くなっても発作が起きない人も居ますので、高尿酸値と気づかないまま重症化する人もいるようです。
また、女性は尿酸値があまり高くないので、男性に比べて「痛風」になる人は少ないとされていますが、これは女性ホルモンであるエストロゲンが関係しているためであり、女性ホルモンの分泌量が少なくなる更年期以降は、女性でも注意が必要です。
耳介軟骨膜炎
耳介は、軟骨の上に薄い皮下組織をおいて皮膚に覆われているのですが、「耳介軟骨膜炎」は、その軟骨膜に炎症がおよび、耳介全体に波及して、耳介の腫れや血腫、変形などを起こす病気です。
原因は、耳の外傷、打撲、虫刺されなどによる細菌感染であり、耳介に起こった炎症が、耳たぶにまでおよび、腫れや痛みなどの症状が出ることがあります。
できるだけ早期に炎症を鎮めなければ、耳介の変形を来しますので、早期に専門医を受診する必要があります。
まとめ
「耳たぶが痒くて腫れている」という症状のため、慌てて病院にかけこんだら、単なる虫刺されだったというケースもありますので、少し、様子をみてみるのも一つの方法かもしれません。
しかし、改善しない、症状がひどくなるなどという場合には、自己判断でなんとかしようとせずに、受診するべきですね。
特に「痛風」に対して起こる症状は想定外のものですので、健康診断での尿酸値なども参考にして、総合的に判断してみるべきかもしれません。
耳たぶがかゆい時は、皮膚科か耳鼻科を受診しましょう。
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