食べ過ぎで胃痛がする!原因や効果的な4つの対処法とは!
2016/04/02
食欲は健康の証拠…そんな言い訳で、ついお腹をこわしたり、腹痛に悩まされる方は少なくありません。
特に困るのが胃痛です。
せっかくの楽しい食事も、胃痛が残っては虚しいばかり。
今回は、食べ過ぎて胃痛がする原因と対処法についてご紹介させていただきます。
目次
[「胃」は何をしている臓器?]
胃は食べたものを消化する器官です。胃カメラで、自分の胃の中を見た方も多いでしょう。
胃には、食べ物が入ってくる「噴門(ふんもん)」と、出口の「幽門(ゆうもん)」の2つがあり、特に噴門は大きな役割があります。
それは、食べ物が一旦入ってきた時だけ開門し、直ぐに閉じてしまう、というものです。
もし、この門が開きっぱなしだと、胃から逆流してしまう「嘔吐」が常に起こることになります。
胃は、食べ物を消化するだけではありません。
消化物を食道の方向へ逆流させないような、仕組みがあるのです。
[胃痛はなぜ起こる?]
食べ過ぎが、なぜ胃痛に発展するのでしょうか?
胃は、入ってきた食べ物を一度に消化できる「分量」が決まっています。
消化するためには、胃液が大活躍しています。
胃液には3種類あり、
1.胃酸…硬い金属まで溶かしてしまう、強い酸性の液体。胃粘膜から出て、殺菌作用もある
2.ペプシン…タンパク質を分解する
3.粘液…胃酸とペプシンの強い力で、胃の粘膜が溶けないように守る
これらの胃液は、1日に2リットルも胃から出ていることが分かっています。
では、この3つの胃液のバランスが崩れるとどうなるでしょう?
一度に多量の食べ物を消化しようとして、胃液とペプシンが異常に出てくると、粘液不足になってしまいます。
粘液が足りないと、粘膜に傷が付き、結果的に神経に触ってしまう。
その結果、胃痛が起こる、というわけなのです。
また、単純に量を多く食べ過ぎて、消化不良を起こしていることもあります。
東京女子医科大学教授を15年間勤めた 森治樹 医師によれば、胃は食べ物を消化吸収するだけでなく、貯蔵し、体温調節までしてくれる「大事な器官」なのです。
つまり、貯蔵庫に朝、昼、晩の3回、食料が送り込まれてくることが分かれば、胃はその都度どの程度の量を消化し、どの程度貯蔵するかを、計算するそうです。
これが、食べ過ぎによって想定外の貯蔵量になると、消化が追い付かず胃痛の原因となります。
他にも、ストレスで自律神経が乱れ胃の働きが低下することもあります。
自律神経は、心臓や胃、腸、肺などをテンポよく動かすものですが、食べ過ぎのために胃の動きが怠慢になってしまうと、痛みとして脳へ伝播されてしまいます。
神経は全身に伸びていますが、胃の場合も同じように脳の自律神経とつながっています。
[胃薬の選び方]
食べ過ぎの胃痛がつらい場合は、「市販の胃薬」を飲むことも有効です。
胃痛そのものから解放されるには、まずは自分の症状から状態を把握しましょう。
胃酸過多タイプ
胃液が過剰になり胃痛を起こしている場合の症状は、
・胃のキリキリとした痛み
・空腹時の吐き気や痛み
・胸やけ
のような症状があります。
胃液の分泌をコントロールし、胃粘膜を正常に戻すことが大切です。
つまり、胃酸とペプシンの出る量を抑え、逆に粘液の分泌を促すようにしなければなりません。
胃酸が出過ぎて胃痛が起きている場合は、
胃粘膜修復薬、制酸薬、複合胃腸薬を選ぶようにしましょう。
消化不良タイプ
胃の働きが弱り消化不良を起こしている場合は、
・胃もたれ
・吐き気
・腹部の痛み
が現れます。
必要なのは、胃の中に「貯蔵」された食べ物を腸に送ることです。
健胃薬や消化薬を選ぶと良いでしょう。
[自分でできる対処法]
体の右側を下にして横になる
胃痛が酷くて動きたくない場合は、「胃の中の食べ物を早く押し出す」ために、体の右側を下にして横になることをおすすめします。
胃の形は「左上から右下へ」と、三日月のようなシルエットをしています。
ですから、胃に貯蔵されている残留物を腸へ押し出すには、右側を下にすれば、自然と「降りて」くれるのです。
これが、逆になっていれば、いつまでも胃の中に留まり、胃液が出っぱなしになってしまいますので、余計胃痛がひどくなってしまいます。
注意なのは、寝てしまわないことです。
睡眠中は胃の働きが弱くなり、消化が進みくいので寝てしまうと消化不良を起こしやすくなります。
ウォーキング
ウォーキングなどの軽い運動をすると、体の代謝が向上し、胃の活動も活発になります。
さらに、消化の促進にも効果を期待できます。
しかし、激しい運動は身体への大きな負担となりますので、食後は軽い運動程度にしておきましょう。
食べ過ぎ時は、食後のコーヒーはNG
食べ過ぎの胃痛の場合、まず「カフェイン類(コーヒーなど)」、他にも「タバコ」や「アルコール」、は避けましょう。
こうした物を摂取すると、胃液が普段異常に分泌され胃痛が出やすくなるのです。
ツボ押し、合谷(ごうこく)
親指と人差し指の骨の根元辺りに合谷という胃痛に効くツボがあります。
詳しくは下記の動画をご覧ください↓
「胃痛が続く時は病院へ」
胃痛が慢性的に続く時は、一度医療機関で検査を受けましょう。
胃潰瘍や胃がんといった病気も考えられます。
胃や腸の消化器官を診断する場合、その「痛み具合」を正確に医師に伝えることで、胃の状態が推測できます。
食べ過ぎという一過性の場合は「投薬治療」、もし、そうではない場合(ストレス性胃炎、胃潰瘍、がん)はレントゲン検診を行い、それぞれに合わせた治療を行っていきます。
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[まとめ]
胃痛の原因で有名な「食べ過ぎ」は、多量に食べ物を摂取する事だけではありません。
普段食べなれない「辛いもの」や「脂っこいもの」などをいっぺんに口にすることで、胃液の分泌するコントロールが不安定になる場合もあります。
ついつい食べ過ぎてしまった場合は、とにかく胃を安静にするように、水分を補給し、体を休ませるのが大事です。
辛いときは、市販の胃薬を自身の状態に合わせて飲むようにしましょう。
胃痛が続く時は、胃腸科、消化器内科、を受診しましょう。
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