手首や足、膝にもできるガングリオン!その痛み大丈夫?
2016/03/09
ガングリオンは良性腫瘤で基本的に無害ではあるのですが、出来る箇所によっては、痛みやしびれを伴う事があります。
また、出来る箇所によっては、手術となる可能性があることもあるのです。
今回は、ガングリオンの出来た箇所別の症状や治療法についてご紹介させていただきます。
目次
手首のガングリオン
もっともガングリオンができやすいのが、手首の甲側です。
このほか、手のひら側の手首や指の付け根にもよくできます。
手を使いすぎると、腫瘤が大きくなってくることがあります。
また、手首にできたガングリオンは、ほかの場所にできたガングリオンよりも、神経や血管を圧迫しやすいため、痛みやしびれを伴いやすくなります。
なぜ、ガングリオンが手首にできやすいのかはわかっていませんが、過去のけがにも関係があるのではないかといわれています。
甲側の手指にできるガングリオンは、指先の関節炎に関連しているようですが、ガングリオンがあるからといって、関節炎が発症するということではありません。
とくにコブがあるわけではないのに、なんとなく痛みがあってMRIを撮ってみたら、ガングリオンだったということもあります。
このようにMRIや超音波などでないとわからない、関節の中に入り込んでいる小さなガングリオンを「オカルトガングリオン」といいます。
足のガングリオン
一口に足といっても、足首や足の甲、くるぶしや膝など様々な場所にできます。
足の甲やくるぶし、足の裏などにガングリオンができると、靴を履いたりするため、圧迫され痛みを感じたり、歩行に支障をきたすこともあります。
内くるぶしとかかとの間にある、足根管という部分の神経付近にガングリオンができて、神経を圧迫してしまい、「足根管症候群」という足の裏がしびれる病気を発症した例もあります。
普段、あまり自分の足をまじまじと見ることは少ないので、膝の裏など見えづらい場所にできた場合、関節を曲げ伸ばししたときに、違和感を感じたり痛みを伴うまで気付かない人もいます。
基本的には放っておいて心配のないガングリオンですが、足にできた場合、体重がかかりますし、靴による圧迫もありますので、大きくなる前に病院でみてもらったほうがいいようです
膝のガングリオンは痛い!
また、手の次にガングリオンができやすい場所が膝です。
膝にできるガングリオンは、3つの種類があり、立つ・座る・歩く、といった日常の動作に、大きな影響を与えます。
膝窩部(しっかぶ)ガングリオン
膝の裏にできるガングリオンで、この膝窩部ガングリオンが大きくなると、膝を曲げたりする動作で、神経が圧迫されて、痛みを伴います。
膝関節ガングリオン
膝の関節にできるガングリオンで、膝窩部ガングリオンと同じく、膝の曲げ伸ばしで痛みを感じることがあります。
膝の関節内にできるので、注射針が届かないことがあり、その場合、除去するには手術が必要です。
膝半月板ガングリオン
膝の半月板にできるガングリオンです。膝にできるガングリオンの中で、一番やっかいなのがこの膝半月板ガングリオンです。
膝のクッションの役割をしている半月板付近にガングリオンができると、クッションの役割を十分に果たせず、膝に負担がかかり、痛みを伴います。
膝半月板ガングリオンは、スポーツなどで半月板を損傷したときに、併発することが多いといわれています。
半月板の損傷を治そうとする過程で、半月板にガングリオンが癒着してしまうことがあり、膝半月板ガングリオンについては、除去手術が必要となることが多いです。
癒着の度合いによっては、半月板を削らなければならず、術後に膝のクッション機能が弱まってしまう可能性があります。
ガングリオンの治療
ガングリオンは自然に消えることの多い良性の腫瘤です。
3年後には約80%程度のガングリオンは自然消失するといわれています。
これは、ガングリオンの脆弱な部分に小さな穴が開き、内容物が流れ出て、体内に吸収されるためです。
しかし、腫瘤以外に症状が無ければそのまま放置しても問題ないのですが、治療が必要な他の腫瘤と区別するためにも、整形外科や皮膚科で診断を仰いだ方がいいでしょう。
どんどん大きくなったり、痛みがあったり、神経を圧迫してしびれなどの症状がある場合は、早期に治療が必要です。
ガングリオンの治療方法は、状況に応じていくつかあります。
内容物を吸引する
ガングリオンに注射針を刺して、注射器で吸引して内容物を排出する方法です。
何度か吸引を繰り返すうちに、自然と消えてなくなることがあります。
潰す
ガングリオンに力を加えて潰してしまう方法です。
大昔には、ガングリオンができている手を机に置いて、木槌などで上から強く叩く、というような方法もありましたが、かなりの圧力が必要です。
正常な神経などを傷つけてしまうこともありますので、決して素人判断ではやらないようにしましょう。
レーザー治療
低出力の半導体レーザーで治療を行います。
1~2ヶ月程度ほぼ毎日通院して、ガングリオンへのレーザー照射を行います。
低出力レーザーは、刺激が少なく、副作用もほとんどない上に即効性もあります。
通院しなければならない手間はありますが、内容物を吸引するために何度も注射針を刺すことを思えば、痛みも少なくてすみ、再発する可能性も低くなります。
外科手術
注射器で吸引しても、繰り返し内容物が溜まるようであれば、外科手術でガングリオンを除去します。
ただしガングリオンは再発しやすく、手術した人の約5%程度は再発するといわれています。
まとめ
いくら良性とはいっても、日常生活に支障が出るような状態なら治療が必要ですね。
しかし、手術が必要な場合もあれば、ガングリオンと間違いやすい他の病気という可能性もあります。
痛みやしびれの症状が出たときは、自己判断せずに整形外科の診察を受けた方がいいでしょう。
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