鼻の中が乾燥(ドライノーズ)する原因と対策は?
2017/08/29
鼻の中がムズムズしたり、鼻血が出やすいという方は、それは、鼻の中の乾燥によるものかもしれません。
普段は、粘液で潤っている鼻の中はどうして乾燥してしまうのでしょう?
今回は、鼻の中が乾燥(ドライノーズ)する原因と対策についてご紹介します。
目次
鼻の働き
鼻は、呼吸をしたり、においを感じたりはもちろんですが、他にも吸い込んだ空気の温度や湿度を調節して、肺に送る役割や外から浸入してきた細菌やウイルス、ホコリなどの異物をくしゃみや鼻水とともに外へ排出する役割もあります。
鼻の中は粘膜に覆われていて、粘膜から分泌される粘液でほどよく潤った状態に保たれています。
また、粘膜の表面には、たくさんの線毛(せんもう)と呼ばれる細い毛が生えています。
この粘液と線毛の働きによって異物が排出されます。
鼻の中が乾燥すると起こしやすいトラブル
鼻の中の粘膜が乾燥すると、
・鼻がムズムズする
・鼻水が出るわけではないけれど鼻がかみたくなる
・ヒリヒリする痛みがある
・鼻くそが多くなる
といった症状が現れます。
このような乾燥した状態を「ドライノーズ(乾燥性鼻炎)」といいます。
ドライノーズの状態では、細菌やウイルスに感染しやすくなったり、炎症を起こしやすくなります。
また、鼻水が硬くなりかさぶたのようになり、粘膜を刺激して鼻出血の原因にもなります。
鼻の中が乾燥する原因
鼻の中の乾燥は、さまざまな悪影響を及ぼしますが、なぜ乾燥が起こるのでしょう?
具体的な原因をいくつかご説明します。
<空気の乾燥>
空気が乾燥している環境に長時間いることはドライノーズの原因となります。
特に、冬場は外気が乾燥しやすく、室内もエアコンやヒーターなどの使用で空気が乾燥しやすくなりますので、鼻の中も乾燥しやすい状況になります。
逆に夏場でも、長時間冷房がよく効いた部屋にいる方は注意が必要です。
具体的には、湿度が20%以下の場所に5時間以上いるとドライノーズの危険性が高くなります。
<水分不足>
水分摂取が不十分で体が水分不足になると、鼻の中の粘膜も乾燥しやすくなります。
<加齢>
加齢に伴い、徐々に体内の水分を保持する能力が低下してくるため、体が水分不足になりやすくなります。
そのため、鼻の中の粘膜も乾燥しやすくなります。
<薬による影響>
鼻炎に対しての抗アレルギー薬の点鼻薬の使用で、鼻腔の刺激感や乾燥感などが現れる場合があります。
特に、花粉症の方は点鼻薬の過剰な使用に注意しましょう。
<萎縮性鼻炎(いしゅくせいびえん)>
鼻の中が乾燥するのは萎縮性鼻炎からくる症状である場合もあります。
萎縮性鼻炎とは、原因は未だわかっていない病気ですが、鼻の中の粘膜が萎縮して薄くなり、鼻腔の空間が広くなるため、乾燥しやすくなる病気です。
鼻の中の乾燥により、痂皮(かひ)というかさぶたが付きやすくなります。
痂皮は、細菌感染を起こしやすく、臭いにおいを発するため、鼻の中から臭いにおいがする場合は、萎縮性鼻炎を起こしている可能性があります。
鼻の中の乾燥対策
それではここで、具体的な鼻の乾燥対策をご紹介します。
どれも、普段の生活で簡単にできる事になっていますので参考にしてみてください。
<マスクをする>
マスクをすることで、湿気で鼻の粘膜の乾燥を防ぐことができます。
また、マスクの間に濡れたガーゼを挟むとより保湿効果が高くなります。
<室内を適度な湿度に保つ>
乾燥した室内にいると、当然鼻も乾燥してしまいます。
乾燥しないためには、室内の湿度を50~60%にするのがいいとされています。
加湿器や濡れタオルを干すなどして適度な湿度を保ちましょう。
コップに水を入れて置いておくのも良いですね。
<お風呂は湯船に浸かる>
お風呂は、湯船に浸かることで、湯気で鼻腔粘膜を潤すことができます。
入浴中は、なるべく鼻呼吸を意識しましょう。
<生理食塩水を点鼻する>
乾燥感が強い場合、生理食塩水を鼻腔に点鼻して潤す方法もあります。
生理食塩水は、0.9%の塩化ナトリウム溶液のことで、割合としては、水1Lに9 gの食塩を溶かしたものとなります。
自宅でも作ることができますが、衛生的に作る必要があり、自作は面倒だなという場合は、市販されているドライノーズ用の点鼻薬を使用するとよいですね。
市販されているドライノーズ用の点鼻薬の主成分も生理食塩水です。
<ワセリンで保湿する>
ワセリンは保湿効果が高いため、お風呂上りなど鼻の粘膜が潤った後にワセリンを薄く塗るのも良いでしょう。
すでに、ドライノーズで炎症が起きていたりカサブタができているときにおススメです。
綿棒にワセリンを塗って、朝と夜計2回ほど鼻の中に塗るようにしましょう。
しかし、長期的にワセリンを使用すると、ワセリン依存状態や肺炎のリスクが高まるという調査報告もあるようです。
ワセリンは、ドラッグストアでも手に入りますが、精製度の高いものを選び長期的な使用は避けるようにしましょう。
<水分補給をしっかりする>
水分不足にならないように、水分補給は、こまめに行うことが大切です。
水分補給の際、コーヒーや紅茶、緑茶などカフェインの含まれる飲料は、利尿効果があり、水分補給には向いていませんのでご注意くださいね。
<耳鼻咽喉科を受診する>
鼻の中の乾燥を防ぐ対策を試みても、症状が治まらない場合は、早めに耳鼻咽喉科を受診してみましょう。
特に、高齢者の方は他の病気につながる前に、医師に相談することをおすすめします。
まとめ
鼻の中が乾燥する原因には、
・空気の乾燥や水分不足、加齢によるもの、薬の影響、萎縮性鼻炎によるもの
などが考えられます。
保湿を心がけ、水分補給もこまめに行い、鼻の中の乾燥対策をしましょう。
症状の改善が見られない場合は、早めに耳鼻咽喉科の診察を受けることをおすすめします。